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第8章 束の間の休息

「それでは……これより表彰式を行います。優勝者小隊の隊長は、壇上へ上がって賞品をお受け取りください!」


「どうして私がこんなことをしなければならないのですか?私は隊長ではありませんが……」


エイデン会長が頷いて合図したあと、俺たちに前へ押し出された指導者さんは、ようやく不満そうな顔で壇上へ上がり、俺たちの優勝賞品を受け取りに行った。


彼女はぎこちない営業スマイルを浮かべながらエイデン会長と何枚か写真を撮ったあと、その宝玉を抱えて素早く小隊のもとへ戻ってきた。


そして、俺たちとも一人ずつ何枚か記念写真を撮った。


「なんでそんな厭世的な顔してるんですか?あなたは俺たちの隊長でしょう?」


「違います。私はただの指導者です。隊長はあなたでしょう」


「俺!?」


自分が隊長だったなんて、俺は今初めて聞いたんだけど……


「ぷっ……ともかく、今回の大会では宝玉を手に入れられただけでなく、おばさまも無事に助けられましたし、まさに収穫たっぷりでしたね〜」


背後にいたマリーは、俺の間抜けな反応を見て、思わずこっそり笑い声を漏らした。


そうだな……


みんなが時間を稼いでくれたおかげで、俺は母さんを救う方法を思いつくことができた。


もっとも、傷を治してもらったあとも、母さんはまだ昏睡状態のままで、いつ目を覚ますのかはわからないんだけど……


「そんな顔しないでよ。私もアイリーンも、あなたのそばにいるから」


「はい!絶対に無理はしないでくださいね、エミールさん……じゃなくて、これからはエミールって呼ばないといけませんね!えへへ……」


アイリーンは昨日、俺に告白してくれた時のことを思い出したのか、頬をほんのり赤く染めていた。


こんなに可愛い二人の彼女を、俺が同時に持っていて本当にいいのだろうか……?


「ふふ……ありがとう、二人とも。これからもよろしくな、アイリーン」


「あっ、もう少し頭を撫でてほしいです!」


俺が彼女の頭から手を離すと、アイリーンは名残惜しそうに甘えてきた。


本当に、仕方ないな。


「よ〜し!よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし〜」


「うわ……見ろよ、あいつ。どこかの悪役みたいな声出してるぞ……」


うるさいぞ、コリン!


俺はどこぞの反社会的な変態医者じゃないからな!


「ん……さっき私たちは堕ちた者と戦ったばかりです。このまま【仙境】の奥へ進むわけにもいきませんね……仕方ありません。今日は一度帰りましょう。【仙境】の攻略は来週の土曜日に再開します。それまでの数日間、あなたたちはしっかり休んでください」


お?


てっきり、指導者さんならこのまま【仙境】の奥へ進めと言うと思っていたんだけど?


「何ですか、エミール?どうしてそんなに驚いているのですか?私だって、あなたたちが疲れることも、休息が必要なことも当然わかっています。あなたは私を、どんな冷血教官だと思っているのですか?」


「いや、何でもないです……」


完全に見透かされていた。


「ふあぁ……じゃあ、今から帰れるの?やったー!やっとふかふかのベッドで眠れる!もう疲れて死にそう……」


今、一番喜んでいるのは、間違いなくレイだった。


昨日、リヤが夕食の時に言っていたが、彼女は夜型で、しかも早起きがものすごく苦手らしい。


そのうえ、今日は朝六時に指導者さんに叩き起こされたのだから、きっと相当疲れているはずだ。


「夜中までスマホを見ているからでしょう……」


「あら、セレイアタン。それはわかってないわね。昨日、私が追ってるドロドロ系ドラマの続編がやっと更新されたのよ?我慢して見ないなんて無理でしょ!」


「ごめんなさい。私には……理解できません……」


安心しろ、リヤ。


俺もお前と同じで、彼女がこだわっているポイントがまったく理解できない。


「キャロリン、背中を向けなさい」


「あっ、新スキルの時間だ!はいはいはい!どうぞ、準備できてるよ!」


シュウ———


いつものように、宝玉がリンの編織者紋章に触れると、ゆっくりと消えていった。


「お願い、絶対に攻撃系であって!『解析』!やった、『光魔法』だ!ついに攻撃スキルが来た!」


「へえ……おめでとう。そうだ、よかったらこのあと俺の家に来ないか?みんなで出前でも頼んで、ちょっといいもの食べてお祝いしようぜ。アイリーンも絶対来てくれよ?」


この数日間、【仙境】で手に入れた素材のおかげで、俺たちはかなりの大金と言っていい額を手に入れたからな。


「行く行く!打ち上げは絶対必要でしょ!」


「もちろん大丈夫です。私も、もう少しだけ皆さんと一緒にいたいですし」


よし、リンとアイリーンは問題なし。


「ふあぁ……私はちょっと疲れてるから、行かない。みんなで楽しんできて」


当然のように、眠そうなレイは即座に断った。


「セレイアさんは?」


「……私も行きたいです」


「ふふ。それなら、私たちも参加しましょうか」


マリーはまだ迷っているセレイアさんをそっと見つめ、彼女が決めるのを待ってから、自分も参加したいと頷いた。


指導者さんについては……


まあ、どうせ俺の家に住んでいるのだから、半強制参加ということでいいだろう。


「俺は……」


「コリン、お前はレイを家まで送っていけ」


「なんでだよ!?俺が参加したいかもしれないって考えはないのか!?」


「なんでって……お前、レイを一人で帰らせるつもりなのか?」


何もしてやっていないとは言わせない。


俺は俺なりに、お前の背中を押してやっているんだぞ?


「その……カエルくん、大丈夫だよ。私、一人でも帰れるから……」


「それはダメでしょう?あなた、そんなにたくさん荷物を持っているんですし……誰かが少しでも持ってくれたほうが、きっと楽になりますよね?」


マリーはこっそり俺に親指を立て、“全部任せてください”と言わんばかりの合図を送ってきた。


ナイスアシストだ、マリー!


「いや……」


「いやって何だよ?いいから送っていけ」


「はぁ……わかったわかった!明日学校に来た時、埋め合わせに昼飯おごれよ」


まだ俺に埋め合わせを要求するのかよ……


こいつ、まさか鈍感系なんじゃないだろうな!?


「カエルくんにまで埋め合わせを要求するなんて……そんなに嫌なら、もういい!私だって、あんたに家まで送ってもらわなくても困らないし!ふん!」


コリンの不満そうな態度を見て、レイはむっとした様子で自分の大きな荷物を持ち上げ、そのまま家へ帰ろうとした。


しかし、睡眠不足のせいで、彼女は数歩も歩かないうちに息を切らしてしまった。


「「「「「じ〜」」」」」


その光景を見た俺たちは、指導者さん以外の全員でコリンをじっと見つめ、早く動けと必死に目で訴えかけた。


「そんな目で俺を見るなよ!はぁ……お前があまりにも可哀想だから、仕方なく家まで荷物を持っていってやるよ」


そこでようやく、コリンはレイの手から荷物を受け取った。


ただ、その口だけは相変わらず止まらなかった。


パァン——


そのあまりにも鈍感な発言を聞いた瞬間、他の四人の女子は同時に手で顔を覆い、「どうしてこいつはこうも鈍いのだろう」とでも言いたげな反応を見せた。


……


まあ、指導者さんまで一緒に首を横に振っていたんだけど。


——————


「「「「「乾杯!」」」」」


俺たちはまだ未成年だから、とりあえずコーラで酒の代わりにすることにした。


「乾杯……」


「もう、指導者さん。もっとはっちゃけてもいいんだよ?そんなに遠慮しなくてもいいって〜」


リンは、乾杯の時でさえいつもの冷淡な様子を崩さない指導者さんを見て、つい彼女の隣に座り、からかい始めた。


「アイリーン、これ食べてみろよ。さっき一個食べたけど、すごくうまかったぞ」


このハニーマスタードソースの唐揚げ、マジでうまい。


間違いなく、このテーブルに並んだ料理の中でも一番のおすすめだ!


「せっかくなので、食べさせてもらってもいいですか……?」


俺の隣に座っているアイリーンは、まるで雛鳥のように、小さな唇を可愛らしく開けて、俺が唐揚げを口元へ運ぶのを待っていた。


ぷっ……


本当に甘えん坊な子だな。


「かしこまりました〜」


「あむ。んん……!これ、すっごくおいひいれす……!」


彼女の目がきらきらと輝くのを見られただけで、もう十分価値があった。


この店……


あとで星五評価をつけておこう。


レビュー理由は「彼女たちが喜んでくれたから」でいいか。


「そういえば、明日の放課後、うちに来る?大会に出発した日に、うちの弟と妹が、またあなたに会えないかって聞いてきたんだよね」


手に焼きソーセージを持ったまま、リンがふいにこちらを向いてそう言った。


お?


あの二人、俺に会いたがっているのか?


「前にお寿司屋さんで、あなたが指導者さんにツッコミを入れてたのが面白かったみたいでさ。また話してみたいから、いつになったらもう一回うちに呼べるのって聞かれたんだよ」


ああ、あの時のことか。


ぷっ……


指導者さんはその時、大量のわさびを食べたことを思い出したのか、目が死んでいた。


「いいよ。それじゃあ明日の放課後、そっちに寄らせてもらうよ」


「ただし、パパとママもいるよ?パパ、明日は仕事が休みだから」


ついでに、親御さんへの挨拶ってことにしておくか。


「それで……私としては、アイリーンにも一緒に来てほしいんだよね。ダーリンはどう思う?」


「アイリーンのことも一緒に家族へ紹介したいってことだろ?本当に大丈夫なのか?」


「平気平気。うちの家族、そういうところはけっこう達観してるから、たぶん気にしないと思うよ」


そんなことあるのか?


「アイリーンは?どう思う?行きたくないなら、断っても大丈夫だからな」


「私ももちろん行きます!」


これで決まりだ。


明日、俺たちは一緒にリンの家を訪ねることになった。


「そういえば、実はパパも今朝【仙境】で私に聞いてきたんです。いつになったら、あなたをうちに招待できるのかって……パパはあなたと一緒に、入院しているシェフィおばさまのお見舞いに行きたいそうです」


そのあと、リヤも続けてそう言った。


そうだな。


母さんの見舞いにも行かないと……


傷は医療スタッフがすべて治療してくれたとはいえ、母さんは今もまだ眠ったままだ。


いつ目を覚ましてくれるのだろうか……


「あ、私とアイリーンも、あとで時間を見つけて一緒に行くね、ダーリン」


「ん?一緒には行かないのか?」


「ほ、ほら。あまり大人数で同じ病室に押しかけても、ちょっと迷惑になるでしょ?あははは……」


同じ日でも別に問題ないと思うんだけどな……


まあ、リンにもきっと何か考えがあるのだろうし、この件はそれでいいか。


ただ……


目の前の出前料理に視線を戻した時、視界の端で、リンがリヤにウインクしたように見えた。


ん?


もしかして、また何か企んでいるのか?


なんだか、あまりよくない予感がする……

【キャロリン – プロフィール更新】


キャロリン


紡がれた物語 - アリス(Alice)


編織者スキル

——————

『時間魔法』

『大きさ変化』

『無害化』

『探し物』

『幻影輪舞』

『光魔法』*New!


【武装化】発動条件 - 愛する人を守りたいという想い & 愛する人を守るための勇気


【武装化】スキル -『愛と希望の物語(Alice’s Last Wonder)』

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