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防御こそ至高  作者: カイト
第1章 お呼びじゃなかったらしいです。
7/10

国にとって彼女は無害無益の存在だった。平凡な少女に目をかけられるほど国は暇ではない。だからこそ、彼女の言い出したことは私にとっても国にとっても都合のいい事だったはずだ。なのに私は彼女が自分の元から離れていくのは惜しいと思っている自分がいる。初めの時は本当に興味が無かった。しかし、仮にも異世界人であり、異世界人であることは彼女の色がそう示している。もし、彼女が私に何の施しもされていないと訴えたら私の立場に少なからずダメージを与えるのである程度は相手してやらなければなるまいと感じていたのだ。


だが、彼女に会うことはかなわなかった。侍女達が誘導していることはすぐ分かった。普段から彼女達は私に自分以外の女が近ずくのを阻止しようとしているので分かりやすい。今までは良い害虫除けだと思い何も言って来なかったが今回は流石に不味い。侍女達に一言注意しなければならないと彼女たちの所に向かったとき私は信じられないものを見た。何時もいがみ合っている侍女達が和やかに談笑していたのだ。そして、その中心には夏のように力強く明るく笑う彼女がいた。楽しそうな笑い声が耳に届く。ここでこんな音が聞こえてきたのは初めてだ。そんな雰囲気を壊す気が起きずその日はその場を後にした。

それから私は周りを見るようになって周りの者達が活力に満ち溢れていることに気づいた。毎日、ただ淡々と過ごしていた者達がだ。料理は何時も定番のものがローテンションで出ていたのがここ独自の新作の料理がでるようになった。そして、彼女に栄養という概念を力説されたらしくその面も考えているらしい。確かに最近体のだるさが軽減された。清掃の者達は何時も疲れた顔をしながら裏での愚痴がひどかったのだが爽やかな顔つきで前よりも綺麗になっているのにも関わらず仕事は早く終わっている。庭師の者達も歴史ある典型の庭園を造るのに加えてここの特産の花を加え、花のアーチを作りその頂点に鐘を設置していた。私にはあまり違いが分からないが女性にはとても魅力的だったらしく名所になりかけている。たった4日だ。彼女が来て、たった4日でこの様な変化が起きた。傍からみたら神の祝福のようである。彼女はやはり特別な力を持っていたのだろうか。いや、鑑定しても何の力も無かった上に何の称号もなかった。そうだ、勘違いするな彼女は神に愛された者ではない。神は公平だ。しかし、彼女は公平ではない。彼女は私だけを避けている。私だけ彼女について何も知らない。他人に口でのみ彼女という人柄が伝わってくる。そのたびに胸が重くなったような得も知れぬ感覚に襲われる。彼女に避けられている。だから、彼女と話すこともままならない。・・・なら、捕まえればいい。明日の朝、侍女ではなく私が彼女の部屋を訪れたらどんな顔をするだろうか。想像をしたら自然と口角が少し上がった。

ミネさんの今の状態は、「なんか、あいつ気になるんだよな。」ではなく、「何で、他の子には色々かまってるのに僕にはかまってくれないの!ずるい!」って感じです。そして、悪戯を考える悪がき。

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