題名
最近のラノベはタイトルが自棄に長い。ありきたり、似たようなのばっか。
実際の作品のタイトルを上げると顰蹙をくらいそうだから恐らくオリジナルであろうものにする。
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異世界行ったら悪役令嬢のメイドになったんだけど俺は男な件。
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ひょっとするとこれでも短い方かもしれない。
こういうのについて言えることは「話がもうわかる。」ということだ。
例えば友人に「昨日、レストランに行ったんだよね。」と言われたとする。きっと次に「それで?」と聞きたくなるだろう。言い方は違えど意味はそれと同じなはずだ。
友人は次に「フルコース頼んだら肉料理も魚料理も出てビックリしたんだよ。」と言う。(内容はどうあれ。)
これが普通の会話だ。
作品にも言えることでこんな長ったらしいくどくどとしたタイトルを読んだら「それで?」となるはずだ。
「それで?」となればその後の話が気になる。それなのに話の内容はメイドになる経緯。
そういう作品になるのは当たり前だけど、やや、ずれる。
少し前なら面白かった。題名を敢えて長くするという技法は。ただ、いつぞやかに言ったように先のライスバーガー同様、飽きてしまうわけだ。
だから人を惹き付ける要素もなく、偶然それを手にした人の感想、例えば「○○たん可愛いから読んでね。」とか言うのから広がる。
それだと初めに手にした人がいなければこの物語は人気にならないわけだから諸刃どころか既にボロボロの剣である。(さて、この諸刃の剣という言葉の使い方が誤っていることは気づいただろうか。)
ならば人を惹き付けるタイトルにしなければ幾ら面白い物語でも読まれることはない。
先程の題名を変えるならこうだ。
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俺はメイド
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果たして面白いかは知らん。だが、先程よりかは想像力を刺激されるはずだ。
このタイトルには悪役令嬢も異世界も存在しない。だからこそ想像力を発揮せざるを得ない。
「俺」なのに「メイド」。この矛盾から掻き立てられる好奇心、期待値等々、内容が同じでも手に取る人数は増えるはずだ。
何度も言うけど、人と似たようなことしても意味は無くて、ライスバーガーなら、たくさんあってもいいけど、やれハーレムだの、やれ無双だのがたくさんあっては飽きる。
かといってそれを書くなとは言う気はないけど、つまらない。
結局それは作者の理想(それは妄想も含むが、どちらかというと作者の儲けたいという意思。)を押し付けただけでその作品に出てくる登場人物が可哀想だ。