十八話
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冷水を浴びせられて目が覚める。
何が起こったのかわからず、私は周りを見る。
隣を見ると同じように冷水をかけられるルゥナの姿があった。
目の前には盗賊のような不潔な男が数名、
ルゥナの胴体を縄で縛られているのでおそらく自分の胴体も縛られていることが予想される。
何故こんな事態に陥ったのかと記憶をたどると鬼ごっこ開始直後にまでさかのぼる。
私たち二人はすぐさま森へ逃げた。
すると狙ってたかのように影から網を放たれ、私たち二人は生け捕りにされた。
助けを叫ぶ前にすさまじい眠気が私たちを襲い、寝てしまった。
これはかなりまずい。
盗賊のような男たちは銃やサーベルで武装しており、丸腰の女と心が読めるとはいえ男一人ではとてもじゃないが太刀打ちできそうになかった。
そんな下品な男たちは私たちについて「他国へ売ろう」だの「上玉がかかった」だの楽しそうに話している。
身の危険を感じ、ルゥナのほうを見るとすでにこっちを向いていて、真剣に私の目を見つめている。
私は心でどうしようと問いかける。
ルゥナは首を傾げ困った顔でこっちを見てくる。
そんなことをしていると一人の男がこっちへ寄ってきてニタニタと嫌な笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「上玉の女が一人と珍しい男が一人か、男は何もせずに見世物小屋に売るとして…女のほうはまず俺たちで味見しちまおうぜ」と話している。
これは本当にやばい!!早く、誰か助けに来て!!
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「ルゥナとアケミ見つかった?」
四人は四方八方を走りながら二人を探し、息を切らしていた。
「まったく見つからない、全く、二人ともどこまで行ったんだか…」
「しかし、お二人ともルールをあぶるような子たちではありませよ?」
「いたずら好きでもあるからそのうちひょっこりと出てくるんじゃない?」
三人が思い思いのことを述べている中、カイルはなぜか胸騒ぎを感じた。
カイルは心の赴くままに古竜のもとへ向かった。
「(竜よ!!最近、このあたりで事件はなかったか!?)」
(どうした若いの)
「(アケミがいなくなった!!胸騒ぎがするんだ!!)」
(そんなに叫ぶでない…しかし、アケミが…ふむ、関係あるかはわからないが最近このあたりに複数のガラの悪そうな男がうろついて…)
カイルは古竜の話を最後まで聞かずに洞窟を飛び出し、馬車の馬を一匹取り、跨って走り出した。
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「おいおい、もうすぐ仲間の馬車がこいつら二人を取りに来るんだぜ?」
「それまでにやればいいだけのことよ」そう言いながら男はルゥナの縄に手をかけた。
驚いたのはルゥナとアケミだ。
男たちは言っていた、「上玉の女」と「珍しい男」と・・・・と、なると男たちにはアケミが「珍しい男」に見えて、ルゥナは「上玉の女」に見えていることになる。
黒髪が珍しいということはわかっていたが、男に見えているなんてとてつもない屈辱だった。
ルゥナだって美しく華奢ではあるが男らしい身体つきをしている。
今回のことは二人とも大分ショックだった。
しかし、そんなことも言っていられる状況ではないので、この状況を逆手に取ることにした。
アケミがルゥナに読ませた作戦はこうだ。
ルゥナは声を出さずに押し倒してくる男に涙を流しながら抵抗をする。
アケミは男の怒りを誘うように『私も女だバーカ!!かわいくなくて悪かったな!!ブ男ども!!』と罵るように言う。
其れに怒ってアケミを殴りに来たら
縄をほどかれたルゥナがアケミを逃がしながら戦い、アケミがある程度まで逃げたと思ったらルゥナも全力で森を走る。こうなれば作戦は大成功である。
まずルゥナの縄をほどいてくる男、押し倒して綺麗なルゥナの顔に汚い顔を近づけてくる。
ここですかさず私は「バーカバーカ私は女だ!!目も腐ってやがんのかブ男ども!!」と罵った。
するとルゥナを押し倒していた男は怒ってこっちへ来た。
ここまでは至極順調だ。
しかし、アケミのほうへ来た瞬間に
敵の馬車が到着してしまった。




