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09 休憩と尋問

明日の午後、俺様野郎(定着しつつあるあだ名だ)と戦う事になったのだが、こ

う続けての勝負は疲れる。


今日の内に十分体力を回復しなければ。


そう思い食事の後はすぐに寝ようと思っていたのだが、周りはそうさせてくれな

かった。


「イクト。お前の世界の戦い方とか生活を教えて欲しいのだが」


「あ、それ。私も聞きたいです~」


「僕もです。出来れば教えてくれますか?」


いつの間にか食卓で尋問を受けている。


しかも、1人多い。

何だか、魔法(片方は違うのだが)を2つ使う俺の事が気になった少年のようで

、年は俺とアリスより1つ下らしい。


「俺の住んでた世界は、学校ってのがあった」


「「ガッコウ?」」


みんなが外国語を読むようなカタカナ言葉で聞き返して来るので、学校の事は知

らないと解釈する。


「学校ってのは、勉強をする所だ」


「勉強とは、魔法学の事か?」


アリスが不思議げに聞いてくる。


……魔法学って何だよ。


「逆に聞く。魔法学とは何だ?」


「魔法学とはな……ん、呼んだりすれば誰でも使用できる魔法の事だ。魔力さえ

足りていれば発動する事が出来る」


「ふ~ん。……って、そんな便利な物があるのか!?」


驚愕だ。そんな簡単に能力者レベルの力を使えるとは。


「ほら、炎とか氷とか、そんな簡単な魔法ならすぐ覚えれるぞ。但し、性質変化

とかはその魔法に特化していないと無理だぞ」


アリスが炎を指に灯しながら説明してくれた。

性質変化?


「その、性質変化ってのは何だ?」


「そんな事も知らないの……って当然か……」


そう言うと、アリスは横にいた沙亜耶さんに何か相づちをした。


「ん? どうしたんだ?」


「お前は魔力が多いからな、知識さえあれば大抵の魔法は使えるようになる。そ

のための本を用意している」


「お、サンキュ。気が利くな」


「そうだろう。何たって王女だからな」


どや顔のアリスだった。


「そういや、レオ君はどんな魔法が使えるんだ?」


話題転換、まだ会ったばかりなので、多少の事は知っておきたい。


「あ、僕は戦闘向きの魔法ではなく、次元移動の魔法です」


「移動!? ……もしかして……俺をここに呼び出したのは……」


「いえいえ!! 僕はそんな大きな魔法は使えません!!」


一生懸命弁解するレオ君。


「持ってきたよ~」


沙亜耶さんが帰ってきて俺に本を渡す。


「へぇ、こんなのか」


アリスから渡された本は、赤色の表紙をした薄っぺらい本だった。


「意外と薄いのな」


本をペラペラしながら感想を述べる。


「それは炎の魔法の中でも基礎の基礎だけが書かれた本だからな」


「へ~。じゃ、俺は部屋戻って読んどくよ」



上手くその場から逃げる口実を手に入れた俺はささっさと解散して部屋に戻り、

一通り本を読むことにした。




「~~~っ。わかんね~」


髪をかき分けながら呟く。

この本は本当に初級者用の本なのか?


炎は出るようになり、その炎を爆散させるまでは出来るようになったのだが、そ

の規模が大き過ぎるので、庭園で練習している。


「これで合ってるのか?」


自分でも良く分からない。アリスに聞いてみよう。


コンコン。


アリスの部屋のドアを叩く。


「アリス―。俺だけど―」


呼びかけてみると、部屋から返事がくる。

「――ッ!? イクト!? ど、どうしたのだ!?」


中からドタバタと音がする。

邪魔だっただろうか。


「邪魔になるなら今日は帰るけど」


そう呼びかけてみると、ちょっと待てと返事がきた。



……

………

……………

………………十分後


「お待たせ」


中から寝間着? 姿のアリスが現れた。

服がかなり整っていて、いつもはあまり括っていない髪をポニテにしていた。


「ぅおう……」


ちょっとびっくり。アリスが女の子って格好をするなんて。


「……何か間違った事を考えておらぬか?」


アリスから鋭い突っ込みが入った。


「い、いや。そういう事ではなく……魔法を見て欲しいのだけど」


「そっ、そうか……」


急にアリスの顔が赤らめる。


「ちょっと庭園に来てくれるか?」




庭園に着き、詠唱する。


「全てを燃やし尽くす――原初の炎」


右手のひらに炎が集まり出す。

詠唱とは自身に働き掛けるもので、自分がその言葉で魔法を想像できるのなら基

本何でも良い。


「その炎、眼前のことごとくを灰にする―─」


炎は爆散し、遠くにいたアリスの目の前にまで火の粉が飛ぶ。


「なぁアリス。これでいいのか?」


振り向くと同時に聞いてみる。


「完璧だぞ……」


アリスからのお褒めの言葉を貰った。

しかし、アリスの顔は真っ赤のままだ。


「どうしたんだ? 何か変だぞ」


アリスの顔を覗き込むと、さらに顔が紅くなる。


「じ……実を言うとな……その本……上級魔法の本なのだ……」


「へ?」


思わず声を出してしまう。

アリスはそれを言うと、顔を俯けてしまう。


「わ、私の所為ではないぞ!! これは本を持ってきた沙亜耶が……」


弁解しようとするアリスをジト目で見つめる。

すると、


「……あ、あの……今回はすまん」


アリスから上目遣いで謝られた。


「お……おう。気にするな」


急な反撃に、こっちもドキドキする。


「ま、まぁ。私のおかげで上級魔法を習得出来たのだ。喜べ」


治まっていたアリスの顔がまた紅潮する。

「サンキュ。じゃ、また明日」


「うむ。明日また頑張れ」


それぞれに別れ、やっと眠りに着く。




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