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その5。「社員」

 け、契約結婚相談所へ、よ、ようこそ。


 私は、ほ、本日担当させて、いただきますシルフ=アングレイと申します。


 アメリさん、ですか?

 か、彼女はふつかよ……、いえ、急病で今日は、や、休みをいただいていますが。


 さ、早速ですが、どのような契約結婚、をご希望ですか?


「我が国の聖女アメリを返してほしい。やはり、彼女こそが真の聖女であった」ですか。


 ……そ、そうですか。


 …………。


 お引き取りください。

 申し訳ありませんが、お客様のご希望には添いかねます。


 なぜ? 

 ご説明しなければ、お分かりいただけませんか?


 いえ、ですから……。


 アメリさんは、カーストン男爵家のご令嬢です。

 我が国の貴族のご令嬢に手出しをすると外交問題になりますが、よろしいんですか?


 ……は?


 アメリさんは当社の大切な社員です!

 絶対に、お渡ししません! 

 モノじゃあるまいし、やっぱりいるから返せとか、どの面さげてぬかしてやが……、おっしゃっているんですか!


 誰かきてください!

 こちらのお客様がお帰りです!

 はい、『お帰り』です! そうなんです!


 誰か、塩まいて! 塩!!

 



                 完

これにて完結となります。

お楽しみいただけたでしょうか?


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― 新着の感想 ―
[一言] うら若い聖女様が呑んで二日酔いでお休みって、なんか良いな ほっこりするわ〜 ふむ〜国の国王と王妃が揃って契約結婚相談所に来店し、王家の王子と王女を国内貴族と結婚させるべく来店って話・・・ …
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