閑話〜オーランドの密談
そう、まだ王太子がブルーラー公爵家に行って間も無い頃、謁見室でもない、国王の執務室で国王と宰相、オーランドがいた。
オーランドは、片膝を床に付き、挨拶をする。
「国王陛下、お久しぶりでございます。」
「叔父上、無粋ですよ。顔を上げてください。」
「いえ、今は、陛下はこの国の代表とする方、無礼は許されません。」
国王は、宰相の顔を見ると暫く下がる様、促した。
宰相が下がって行くのを確認してソファーの方へ座る様に進める。国王も椅子に座る。
「叔父上が、私を訪ね来るとは珍しい。何かありましたか?」
「王太子殿下の事で気になる事があってな。」
誰も部屋から居なくなるとオーランドはいつもの口調で話し出した。
「あの子の事ですか。私も手を焼いてどうしたものかと。」
国王は深いため息が言った。
「王子一人に手を焼いているとは、ある意味大した王子だと思うが。」
オーランドがニヤリと笑う。
「叔父上、からかわないでください。王子一人に手をこまねいている訳ではない事ぐらいお分かりでしょう?」
「前王が面倒な王妃と側室をお前に押し付けたからな。」
国王には正妃のマリアと側室が二人いる。側室の間には、王女が一人と王子が二人いる。
正妃であるマリアは、当時の宰相の子であり、ブッサアム公爵家の令嬢であり王族よりの派閥の中で大きな勢力を持つ一族である。
側室の一人は、ウランダ国から嫁いだ王女ミネラバである。第四王女であり、今では友好国であるが王女が嫁いだ当時は敵対していたが王女のおかげで今の友好関係が気付けた。ミネラバとの間には8歳になる王女が一人いる。
もう一人の側室はバルザー伯爵家の令嬢のバネッサは、一応、王族の派閥だがブッルサム公爵家と対立しており、バルザー伯爵家の鉱山は豊富であり爵位は下でも豊富ない財産でブッルサム公爵家とは対等に張り合える力は持っていた。バネッサの間には8歳になる王子と5歳となる王子が設けられている。
どの妃も権力を持ったものばかりなので一人王子に構えないのも事実である。ユーフリードが出来が悪がために次期王位になっても周りの側近いいなりなるであろうと予想されていたので、権力争いが大きくなる事は今のところなかった。
「お陰で、平等に愛情が注げられますよ。王妃達の歪み合いを目の当たりにしたらどんな女性も同じ見えてくる。器用に愛すことは叔父上に出来ない事ですからね。」
「確かに私には無理だな。そういえば私の孫ミュゼットに興味があると聞いたが、あれはやらんぞ。」
「流石に耳がに入るのが早い。叔父上の秘蔵っ子の姫君ならユーフリードが次期国王になっても安心なんですからね。アレク殿に第一王女の降嫁も考えましたが、やはりブルーラー公爵家の血族を王妃にしたい。勿論、叔父上に反対されるのは予想ついてました。こちらも諦める気はないですよ。王命を使ってでも叔父上の血族は欲しいですからね。」
「お前も粘着質な性格だったな。今の王子にミュゼットをやるには惜しい。特に今はやる気は更々ないが‥。王子にチャンスをやってもいい。ミュゼットの心をあの王子が捉える事できたら考えよう。そうだな、ミュゼットの17歳なるまで期限だな。まぁ、無理だとは思うがな。」
「それは、手厳しいですね。王宮とブルーラーの領地から離れてる分、王子にはかなり不利な話だと思うのですが?それに王子がミュゼット姫と恋に落ちるかもわからない。」
オーランドは勝ち誇った様に笑った。
「そもそも、ミュゼットをここらから愛せるものしか孫はやらない。恋に落ちなかったら諦めろ。しかし、王子が恋をすると厄介は厄介だな、知ってると思うがラウラの国王は竜人の血が混ざっていると言う伝説がある。先代の国王も王妃を愛し過ぎて嫉妬に狂い殺してしまった、そして私も未だエレナしか愛せない。そして我が息子も妻に対しての執着が強い。」
「ええ、痛いほど知っていますとも、私が愛する者を側に置かないのも溺れないためです。では、王子は今頃はミュゼット姫に囚われていれば私にも勝ち目があるわけですね。もし17歳期限が過ぎたら?」
国王は含み笑いも込めてオーランドに聞く
「隣国に嫁がせようと思ってな。私が今、可愛がっている王子がいる。」
国王が眉を潜める。
「手回しが早いですね。隣国とはファルダ国ですか?」
「察しがいいな、そろそろ両国の間に新たな回路を切り開こうかと思ってね。あそこの国は鉱山が少ない替わりに縫製が盛んだ。充分、お互いに取引は出来る。また、国庫が潤うぞ。」
「叔父上、そちらの王子は第一王女に嫁がせると言う考えはなかったのですか?ユーフリードがミュゼット姫の心を掴める様、父親として全力を尽くしますよ。その際は第一王女をファルダ国に嫁がせて欲しいですね。その方が王族にとっても後ろ盾が出来る。」
「変なところで固執するなぁ、諦めろと遠回しに言ってるのだが。」
「私とて竜人の血が流れておりますので仕方ありません。諦めは悪いです。ところで叔父上はいつまで王都に居られる予定ですか?もう一度話す機会あればと今度は酒でも一緒に。」
「暫くは王都にいるつもりだがお前も公務で忙しいであろう。今回は少し野暮用があってな。」
「野暮用ですか、私に出来る事があれば言ってください。これでも国王なので是非叔父上には恩を売りたいので、」
「言う様になったな。では、これにて失礼をする」
オーランドが立ち去った後、すぐに宰相が入って来る。
「久々に面白い事になって来た。宰相、王子のブルーラー公爵家での報告をいそいでくれ。アリアだが、出来るだけ機嫌を損なわない様気をつけて欲しい。あれの父が出てくると面倒だ。これから王太子が王都から出る事が多くなる普段から少しづつ離してくれ。」
「そうすると今後の王太子殿下の予定は変わると言う事でしょうか。」
「執務もまだ何も触らせてないであろう。あいつを鍛えねばならん理由が出来たからな。方針を変える。王太子は暫く王都から出て勉強してもらう事が増えるだろう。マリアが煩くなると厄介だから暫くは短期でいくことになるがな。」
「では、その様に」
「ユーフリードが帰って来るのが楽しみになったよ。」
持ち駒はかなり弱いが、弱い駒で勝つほど気分がいい事はない。今は、勝ち目がない勝負だがきっと勝ってみせよう。と密かに思う国王であったを




