とうとう、来てしまいます。
夕食後部屋に戻り、少しソファーで休んでいたら兄様が部屋に入って来た。
「ミュゼ、寝る前に話をしてもいいかな?」
「どうぞ、兄様。」
「随分と、王太子殿下の事でお前を怖がらせてしまって心配しているんだ。ミュゼはしっかりと淑女教育もしっかりやってるから、心配しなくてもいいんだよ。王宮でもデビューした令嬢でもそこまで、出来ている令嬢もいない。」
「兄様、それはひいき目でみてですよ。」
だって、中身は、おとなです。王妃教育も一通り終えてます。正直出来ていない方が恥ずかしいです。
「ミュゼが問題ではないんだ。問題なのは‥‥。いや、やめておく。」
私は、多分、兄様の事をジト目で見てますよね。兄様は、私を心配させないようにに来てくださったのですよね。今、私、兄様のお言葉で不安なんですけど‥。
ふぅーとため息がでてしまいます。
「母様が仰った通り、社交の勉強だと思っています。どんな理不尽な事を言われてもどんな嫌がらせをさせれても対処しなければいけません。そう、9歳なんてまだまだ、子供です。」
「ミュゼ、お前は、本当に5歳児なのか?前々から子供らしくはないと思っていたが今の、発言はさらに上を行く発言だよ。」
あ、まずいです。話を誤魔化さなくては、軽く咳払いをして
「それよりも、兄様、以前話をしていた時に私に陛下が会いたがっていると話していましたが‥。」
「それなんだが、ミュゼは陛下がお爺様の腹違いの弟の子息で叔父と甥の関係って言う事は知っていると思うが陛下はお爺様の事を大変慕っている。だから、社交デビュー前の私もお祝いの席があれば呼ばれている。陛下はブルーラーと深い繋がりを持ちたがっている。」
「でも、お父様と兄様はそこまで嫌がっているのですか?普通は、喜ばしい事ではないのでしょうか?王族との深い繋がりは今後、領地の運営するにも利益があると思うのですが‥‥。」
「ミュゼ、王族と繋がりを持つという事は、それだけ影響が強くなる事なんだよ。今の王太子殿下が人格がしっかりしており時期国王に相応しいなら問題はないが次期王として不満の声が多くなれば王位継承権を持つ者も動き出す。ブルーラー家である僕にも父上にもミュゼも持っている。だから、下手に権力を付けれないんだ。それは、父上も僕も望んでない。」
「私も勿論兄様達と同じ考えです。」
「本来なら、第一王位継承権を持つ王太子殿下が国王陛下なるのが一番平和的なんだがあの方があのまま成長されたら国王として支持する貴族が偏る。派閥が大きく偏るんだよ。ミュゼ、お前が余り社交の場、親戚同士でも近いものしか会えないのはお前の容姿、能力を隠すためなんだよ。」
つまりは、出来の悪い殿下に出来の良い王太妃を当てがい上手く内側も外側も操作せよと陛下は、望んでるんですよね。今思えば、前世では多いに利用されていました。
「国王陛下は、品定めをしたいわけだよ。のらりくらりと父上が交わしてたから、強引な行動に出たんだね。あー、何故だろう。小さいはずのミュゼにこんなことまで話してしまって、ミュゼが賢すぎるのいけない。」
兄様、苦しいです。そんなに抱きしめないで、貴方も10歳で話す内容でないのでお互い様です。寧ろ、私は、中身は大人なので不自然は兄様ですよ。
何とか、兄様な抱擁から逃げてではなく名残惜しいでが子供は寝る時間です。リサがうながしてくれました。
何だかんだで実際は、前世も同じ様に訪問もあったと思うけど正直挨拶はしたかもですが、私的に会話をした覚えが全くありません。5歳の記憶は、家族で平和に過ごした思い出はあるのですが‥‥。そんなに小さい子供の記憶に残る程の記憶にないという事は、訪問の滞在中はきっと何事も無かったのでしょう。
しかし、お爺様の言ってた意味だと何か見過ごしている様なこと言われてたけど、今回は、王太子殿下にガッツリと絡まないいけないって事ですよね。
大丈夫、まだ、相手は子供、処刑を言い渡すような権限はまだないはず、大丈夫です。怖くありません。
特に、元々記憶にないので特に構えようが無いので絶賛普通の日常生活を楽しみながら過ごさせて頂きました。
そして、ついに王太子殿下到着される当日です。お昼過ぎてから到着予定との事。
「リサ、本当なら今日はこれを着るの?」
「はい、旦那様からの指示です。」
リサの持ってきて貰ったドレスは生地は上質なのですかいつもみたいにフリル全開のドレスではなくシスターが着るみたいな紺色のドレスです。
「旦那様の小さな抵抗が伝わってきますね。髪もまっくろに染めると言われましたが凄い勢いで奥様にしかられていましたよ。ふふふ。」
「お父様‥」
お父様、痛いです。何処かに監禁されそうな勢いです。
「ドレスは、それでいいわ。髪は染めないで、後が面倒だから普通でいいわ。」
早速、リサが準備をします。例えここで王太子殿下に嫌われても好かれても婚約自体は私達の意向で決まるものではないしお父様ったら無駄な抵抗です。
母様に叱られても仕方ありません。
リサと身支度をしていると他の侍女から間もなく到着の知らせが入りました。聞くと騎士やら侍女やらと50人程連れて来たそうです。まぁ、ブルーラーも公爵の中でも王族に近い親戚でも有るのでそれなりに立派なお屋敷です。使用人の部屋は余裕でありますが流石王太子殿下の移動は面倒ですね。
お爺様も身分は高いのですが、それれで良いんですか?と、思うぐらい身軽です。
今世、もしも添い遂げる方がいるなら身軽な方がいいです。貴族なので、そんな贅沢は言えませんが。
エントランスで、お父様達と合流です。
「ミュゼ、お前のその美しさ可愛いさはこんな地味なドレスでは隠せ無いのだな。あー、やはり髪も染めれば良かった。」
お父様、後ろで母様の目が本気で怒ってますよ。
さぁ、玄関扉前で皆さんでお出迎えですよ。