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VSチャンピオン

 俺とチャンピオンの得物がぶつかり合い鍔迫り合いへと移る。

 俺は即座に鍔迫り合いを切り上げ武器の角度を変えて大剣を流す。

 大剣が俺の丁度真横へと叩き込まれる。

 チャンピオンが大剣を地面に叩きつける瞬間に角度を変え側面に叩きつけるようにし、地面にクレーターを作り出した事により俺はバランスを崩される。

 その瞬間をチャンピオンが見逃す筈もなく横にした大剣をそのまませ俺に向かって薙ぎ払う。

 そのまま吹き飛ばされ闘技場の外周の壁へと激突し砂ぼこりが舞い上がった。


「おっと!!チャンピオンの薙ぎ払いが入った!!!流石は王者これでお終いか⁉︎」


 うるさい解説だな、ほんとにこのまま終わってやろうか、面倒だし。

 ま、もうちょっとチャンピオンの実力もみたいし、もう少し粘らないと記憶にも残らんか。


 舞い上がる砂埃から全力で飛び出してチャンピオンの頭上へと武器を叩き込む。


「おっと挑戦者!!!まだ終わってなどいなかった!!ってあれ?武器がいつのまにか大剣へと変化している!!!これはチャンピオンへの挑戦状か⁉︎」


 砂埃に紛れて俺はグロニアを鞘へと収め俺の持つ大剣『クラック』へと持ち替えた。

 流石にグロニアをベルトに変化させて腰に巻きつけるほどの時間的な猶予はない。

 上から叩きつけた大剣をフォーグは薙ぎ払い俺を再び吹き飛ばす。

 だが今回は体制を崩されてる訳でもなく大剣を地面に突き刺すようにして減速し着地する。


「俺を相手に大剣を使うとは大物なのか、それとも大剣《そっち》がメインなのか?」


「戦ってみれば分かるだろ」


「そうだな、それが分かりやすい!!」


 言い終えるかどうかのタイミングでこちらへと最初と同じように突撃してくる。

 上から放たれる一撃を大剣を斜めにして受け、フォーグは再び地面を砕こうとする、それを後ろに飛ぶ事でバランスを崩すことを回避し横になった大剣を踏みつけるように飛び込み胴を切り裂くようにするがフォーグが大剣を無理矢理振り上げ俺を空に飛ばす。

 飛ばされた俺は空中で体を捻り大剣をフォーグへと振るう。

 それをフォーグは斜めに大剣を切り上げ俺の大剣に真正面からぶつけてきた事により俺たちの間に距離が出来る。


「なるほどなぁ!なかなかやる、その無茶苦茶な動き、まるで魔物と戦ってるかのようだ!!」


「人を魔物呼びとは随分と失礼なやつだな」


 魔物の四肢や尾の戦い方をモデルとしているのは確かだが、こいつこの数回の撃ち合いで見抜きやがった。


「じゃあ人の戦い方ってのを教えてくれよ」


 今度は俺から飛び込み大剣を叩きつける、それをフォーグは大剣を横から当てることにより弾き飛ばし手首を返して俺を袈裟斬りに切ろうとするが弾かれた大剣と同じ方向に飛びそれをかわす。

 フォーグは即座に大剣を引き戻し突き出す、それを今度は俺が下から大剣を振り上げ大剣を弾き飛ばすと同時に地面へ着地する。

 そして弾き飛ばす為に振り上げた大剣を担ぎ、大剣が弾かれたフォーグへと叩きこむ。

 これで終わりだな。


ガキン!!!


 な⁉︎大剣の柄だと⁉︎


 直後にその隙を突くようにフォーグの蹴りが放たれる、が

 大剣を片手持ちに変え、空いた手を足に当てそれを飛び越える。

 フォーグは少し動揺する。

 この程度の攻撃を喰らってるようじゃダンジョンの初見殺しで命が何個あっても足りない。

 俺は浮いた両足をフォーグへと向け思い切りドロップキックをする、しかし互いの距離が近い事でフォーグを土台にジャンプしたような形になりまた距離が出来る。


「お前そんな筋肉持ってて小技多すぎるだろ」


 どう見てもパワー系にしか見えないんだがな。


「パワーだけでチャンピオンになぞなれる訳ないだろう」


「流石はチャンピオンと言った所だな、じゃあそろそろ終わらせようぜ、もう覚えた。」


「覚えた?」


 再び相手へと走り込み肩から相手を袈裟斬り、フォーグは大剣を横から当て弾く、その大剣を片手持ちに変更し己の体を中心に回転し大剣に叩きつける。

 その大剣は弾かれた勢いに回転の速度も加わりフォーグの大剣へと叩きつけられ


バキン!!


フォーグの大剣を叩き折った。

 と、同時に腰に下げたグロニアを引き抜き首元へと居合い気味に一線し決着。

 ここで極限状態の集中が切れ、周囲の観客の騒めきと司会者の声が聞こえる。


「決まったぁぁぁあ!!!結果はまさかの引き分けだぁぁあ!!!まさかあのチャンピオン相手に引き分ける結果に終わった!!!会場の皆様チャンピオンと挑戦者に盛大な拍手を!!!」


 結果は引き分け、最後のグロニアの刃が首元に届く瞬間にフォーグの鋭い爪を使った抜き手が俺の首へと突きつけられた。

 まさか最後の最後に喰らうわけがないとか思っていた体術による不意打ちで引き分けられるとはな、大剣の技を盗む為にそっちに意識が向きすぎたか。


「ガハハハ、まさか本当に俺に本気を出させるとはな」


「俺も勝ったと思ったんだがな」


 フォーグの差し出してきた手を取り握手に応じる。

 するとフォーグが手を引いて俺を引きつけ囁くように


「今度は互いに本気でやろうぜ」


 ……スキル封じてたのバレてたんだな、本当によく見てるチャンピオンだこと。


「あぁ、機会があればな」


 互いにそれだけ話して闘技場を後にした。






 あぁ、意外と疲れたな、帰って寝たい。


「いやぁ、お兄さんがまさか引き分けるとは思わなかったっすわぁ、意外と強かったんすね。あ、これ賞金っす、まあ引き分けなんで半額っすけど」


「どうも」


 賞金とか貰えたんだな……飛び入り戦に賞金か、この金ってどこから出てる金なんだろうな。


「お兄さんが引き分けた所為で大負けっすよ」


 あ、賭けとかやってるんだ。

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