28話
イザヨイたちに盗賊団の探索をお願いして、その後にアイリスの抱き枕になった翌日、ミツキは早速別の依頼を受けることにした。
今は冒険者ギルド内にある依頼掲示板を見ている。
「まあ、無難なのは常時依頼だよね」
常時依頼は依頼用紙を持っていかなくても良い依頼で、それはつまりいろいろな手続きを行わなくてもいいというものだ。その分この常時依頼は基本的に報酬があまり多くはないのだが、それでも時には大きな報酬をもらえることもある。例えば……
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常時依頼 :オーク討伐
推奨ランク:ランク5~
成功報酬 :オーク一体につき銀貨5枚
証明部位 :オークの耳
依頼説明 :オークは…………
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とこのように、モンスターの中でもそれなりの強さを誇るオークは繁殖力も高いために個体数が多く、何より女性の敵であることから、かなりの難易度であるものの常時依頼として依頼掲示板に張り出されている。
「ふ~ん、オークは肉の買い取りなんかもやっているから丸ごと持っておくといいのね。しかも、巣を発見すればそれだけでそれなりの追加報酬を得ることが出来ると……ふむふむ、さっきのゴブリンよりもいろいろと報酬面でいいね」
ミツキは依頼説明の長い文章をご丁寧に読みながら情報を確認していた。
依頼説明のところはそれなりの情報量があるのだが、読んでおかないと損をすることもあるからきちんと読んでおきなさいとアイリスに言われていたため、言うことをしっかりと聞いている形だ。
今のオークの他にも、同じく繫殖力が強く女性の敵であるゴブリン討伐も常時依頼として出されており、他の常時依頼は例えば薬草採集なども存在している。
「塵も積もれば山となると言うし、常時依頼は都合が合えば全部完了させてしまおうかな」
ミツキはそう思って、常時依頼をこなすための場所でもある北の森に向かった。
『──というわけで、今のところ盗賊団のアジトはまだ見つかっていないのです』
「そうか、イザヨイありがとう」
『はいです!』
北の森にて、昨晩の間に斥候として出ていたイザヨイたち使い魔に話を聞いていた。
「ニヤ、ワン、カーもありがとう。これからもよろしくお願いね」
『任せてなのです! 今日一日でレベルをあと五つは上げるです!』
「ほ、ほどほどに頼むよ」
『了解なのです! さあ〝ピー〟どもこのイザヨイについてくるです! 今日もたっぷりと〝ピー〟して〝ピー〟してヤルですよ!』
「……」
得たい情報をイザヨイからもらったあと、それぞれを労って送り出したミツキだったが、なんとなくイザヨイ以外の子たちをもっと労った方が良かったかと思ってしまった。
「というか、あれってかの有名な軍曹だよね?」
なぜそれをあのイザヨイが知っているのだろうかとものすごく疑問に思ったが、なんとなく聞いたらトンデモナイことになりそうな気がしたのでやめることにした。
「気を取り直して、まずはゴブリン討伐に出向きますか」
先程ミツキはイザヨイから今回依頼を受けた内容に関する情報ももらっているため、それぞれどのあたりにゴブリンの巣があって、どのあたりにオークの巣が存在し、どのあたりに薬草があるのかというのをすでに得ることが出来ていたのだ。
すでにいくつかイザヨイ以外のメンバーをパワーレベリングしたためにゴブリンなどの巣が潰されていたりするそうなのだが、それでも多少は残っているとのことだったのでそちらに赴いているわけである。
(さっき確認したらイザヨイ以外のメンバーのレベルがすでに五つくらい上がってたからな……)
一体どうすればあんなことになるのだろうと、ミツキは微妙な表情で、しかし森の中を軽快に走っていると、〝気配感知〟の範囲内にいくつかの反応を確認できた。
この〝気配感知〟などの感知能力系のスキルは使い続けると感知範囲が広がっていくようで、ミツキは街でも使うようにしている。街の中では大量ん情報が入ってきて少しの間だけ酔うことがあったが、それもしばらくすれば適応できるようになっていて、今は〝魔力感知〟も含めてミツキの命を守るために役立っている。ちなみに〝魔力感知〟は魔法的な罠などを発見するのにも役立つ便利スキルなのだが、感知範囲が〝気配感知〟の半分くらいというデメリットもあるので、ミツキは併用しているのである。
「え~と……このあたりだよな? ……ちょっと試してみるか」
ある程度進んだあたりで一度木の上に上ったミツキは〝魔力操作〟を用いて目に魔力を集中させる。
(〝魔力操作〟は身体能力強化に役立つって話だから、多分これで遠視能力がつくと思うけど……)
今後のためにいろいろと自分の能力を検討するミツキ。今日は依頼終了後にこの世界と、スキルや魔法について話を聞くつもりだったりする。
今回は遠視能力を期待してミツキは目に魔力を送り込むと、視界が実にカラフルになった。
(これは……魔力量で色が変わってるのかな? なんだかサーモグラフィーみたいだ……しかも遠視能力もついてそうだな。うん、これはこれで便利かもしれない)
予想外の能力がついたことにミツキは少々驚いたが、すぐに受け入れてゴブリンの数を確認する。
「数は三体か。一体だけ残してそいつに巣に案内してもらうかな」
ニヤリと笑ってミツキは動き出した。




