25話
アイリスにお願いをしたあと、ミツキはすぐに北の山脈にやって来ていた。
ミツキがいるアルテナという町は北に山脈があり、西にはちょっとした問題地点が、東にはアルテナと似たような街が、そして南にはミツキが住んでいるあたり一帯を領地としている、【グリフォニア公国】と言う名の国の公都へとつながる道が存在している。
ここまではミツキがアイリスと別れる前に聞いておいた情報だ。
将来的には国の首都たる公都に行ってみるのもテンプレとして悪くないだろうなと思いながら、ミツキは自分の初依頼を完了させるためにせっせと準備を行う。
「さて、まずは一応〝調和〟しておいて……」
ミツキはすぐさま〝万能召喚〟を発動した。
「そう言えば、〝万能〟とか〝万〟ってつくスキルが結構あるのかな? もしかしてそういう類のスキルってありふれてる?」
ミツキは脳内で〝探索、および隠形に優れた斥候タイプ〟や〝人懐っこい動物たち(モフモフ求む)〟という情報を設定しながら、ふとそんなことを考える。
もしも万能とかそういう類のものがありふれているとしたら、それはとてつもなく恐ろしい事態を招きそうなものだが、それでもミツキはなんとなくそういうスキルがあるのではないかと思ったのだ。
「そもそも魔王もどれくらいいるか分からないし……」
ファウルハイトは【怠惰の魔王】であったことから、中二系マンガやラノベでも定番と言える七つの大罪の名を冠する魔王が存在するのではというのがミツキの予想だ。
「う~ん、このあたりのことは後でアイリスに聞くとしようか」
わからないことは脳内図書館ではというレベルであらゆる知識を蓄えているアイリスに聞こうと結論付けたミツキは、すぐに魔法陣に魔力をギュンギュンと注ぎ込んでいく。
〝調和〟で大気中の魔力と調和することによる魔力回復は最初に行ったときと比べるとだいぶ上手になってきていて、ある程度までの量なら意識を持っていかれそうな感覚もなく魔力を体内に入れることが出来る。
そのためミツキはこの〝万能召喚〟の時は妥協せずに魔力を注ぎ込むようにしていた。
何せ、一回目の召喚ではまさかの妖精族たるアイリスを召喚することができて、その結果生活の基盤になりそうなところまで来ているのだ。この召喚術については妥協しないほうがいいと思っている。
とはいえ、魔力を長時間体内にいれようとするというのはなんとなく身体に失調が起きるだろうという感覚があるので、ある程度魔力を入れたところで〝万象調和〟を解除し、魔力供給を止めたミツキは魔法陣が輝くの見てまた顔を手で隠す羽目になるのだった。
「この魔力供給をやめた瞬間に輝くのは何とかならないかね……」
そんな風に呆れながら光が収まるのを待ってみると、
「にゃにゃにゃにゃ」
「わふわふ」
「ちゅんちゅん」
「きゅきゅ?」
左から順に、黒い猫、黒い犬、黒い鳥、黒い兎のかわいい動物たち四匹が並んでいた。モフモフパラダイスである。
「お~!」
ミツキは家庭の事情により動物たちを飼うことが出来なかったのだが、実は大のモフモフ好きであった。過去に一度だけ行ったことのある動物園で出会ったうさぎさんとのふれあいは、ミツキの中でも幸せな時間として残っている。
そのため顔が若干にやけながらも、すぐに能力確認のために〝真実の眼〟を発動する。
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[ネーム]なし(♀:1歳)
[クラス]《シャドウタイガーLv.5》
[スキル]闇属性適正・影技・空力・気配感知・野性・魔力操作
[タイトル]
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[ネーム]なし(♀:2歳)
[クラス]《ナイトウルフLv.6》
[スキル]闇属性適正・幻影・隠形・気配感知・野性・魔力操作
[タイトル]
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[ネーム]なし(♀:0歳)
[クラス]《ダーククロウLv.2》
[スキル]闇属性適正・迷彩・遠視・気配感知・野性・魔力操作
[タイトル]
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[ネーム]なし(♀:?歳)
[クラス]《ヘルムーンラビットLv.85》
[スキル]火属性適正・闇属性適正・光属性適正・豪脚・超聴覚・念話・鑑定・縮地・暗殺術・気配操作・気配感知・野性・第六感・限界突破・魔力操作・成長促進
[タイトル]【暗殺の達人】【地獄の住人】【転生者】
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「…………ん?」
途中まではかわいいなぁくらいの感情だったのだが、最後のうさぎさんだけなんだかおかしかった。
『どーも、お久しぶりですお兄ちゃん』
「ほぇ?」
というか、なんだかとかそういうレベルでなくて、明らかにおかしかった。




