23話
話の一部を修正します。
修正点はアイリスの種族です。
今までは〝妖精族〟でしたが、これを〝フェアリー族〟に直したいと思います。
直されていなければその部分を連絡してくださるとありがたいです。
場所はギルドマスターの執務室。
「ガハハハッ! いや~、負けた負けた! まさかこんな坊主に負けるなんてな! 大したもんだな!」
「は、はぁ……」
そこではモットーとミツキ、それからアイリスに加えてこの町の冒険者ギルド一の受付嬢と言われるエミリーが部屋の中にいるのだった。モットーとミツキ&アイリスが対面に座り、エミリーがモットーの後ろに控える形だ
敗北したことについて実に楽しそうな顔をしながらひとしきり笑ったモットーはすぐにその笑顔をやめると、じっとミツキを見つめていった。
「まずは推薦制度の試験だが文句なしに合格だ。今日からお前は〝ランク3〟の冒険者として頑張ってくれ」
「はい、ありがとうございます」
「うむ、わがギルドに多大が利益をもたらしてくれることを期待しよう。──エミリー」
「はい」
ミツキの、冒険者にはやや似つかわしくない丁寧な返事に満足そうにうなずくと、すぐ後ろに控えていたエミリーが一枚の〝3〟と赤い字で書かれた銀色のプレートをミツキに渡す。
「これは?」
「冒険者カードだ。これに君の血を一滴たらすと、それだけでこのカードはキミ専用になる。それに冒険者ギルドは銀行なる制度もやっていてね。報酬をこの中に入れることができて、どこの冒険者ギルドでもためておいたお金を引き出すことが出来るようになっているんだ。なくさないように気を付けるんだぞ」
「なるほど、了解しました」
この辺りはテンプレだなとミツキは思いながらカードを受け取ると、小太刀を虚空から取り出して自分の指先を少しだけ切り、血を垂らす。
パァァという音とともに冒険者カードにはミツキの名前がしっかりと書かれていて、それによってこのカードがミツキのものになったのだと証明された。
「この光は本来必要ないのだけどね」
「え?」
なんだか実に夢のないことをぶっちゃけたアイリスにミツキは驚いてしまう。
「この冒険者カード、冒険者というものが定着してきたときに、当時すでに随一の生産の達人だった私に依頼をしてきたのだけど、これを作ろうって言ったやつが分かりやすいように作ってくれって言ってきたから、それでこの光を放つ機能を付けたのよ。まあ言ってしまえば演出ね」
「…………」
何を言っているのかしら? と不思議そうな顔をしたミツキにアイリスは特に気にした様子もなく、ファンタジー世界の夢を壊すような発言を続ける。さすがにそれにはミツキは無言だった。
なんとなくこの妖精さんはこの世にある便利道具すべて作ってしまったのではなかろうか? とか、それならアイリスは一体何歳なのかしら? とかいろいろと疑問に思うことは多々あったが、なんとなく触れてはいけない気がして言葉にすることはなかった。
「あ~、それでだな」
「え、あ、はい、なんでしょう?」
微妙に気まずい雰囲気となった執務室にて、ミツキに向けてモットーが実に困ったような表情をしながら話しかけてきたので、話しかけられた側のミツキはキョトンとする。
そんなキョトンとしているミツキにモットーは困ったような態度を変えないまま「質問をいいか?」と言うので頷く。
「お前が俺を倒したときのあの幻影みたいなの……あれはなんだ?」
「ああ、あれですか」
「いや、まあお前も冒険者だからな。相手に能力を教えるのを控えたいというのなら別に言わなくてもいいが」
弁明をするモットーだが、内心では自分を打ち破った原因を知りたいのだろう。
ミツキとしてはモットーが言った通り、自分の能力について言うつもりはないのだが、あれ自体は特に難しいことをしていたわけではないのだ。
やったことは気配をだしてまっすぐ進み、途中で〝念動力〟を用いて強制的に身体を後ろに後退させながら気配を消す。これによって相手にとってみれば、一瞬ではあれミツキが後退した一歩先くらいにミツキの幻影が見えるように錯覚させられるというものだ。
あとは攻撃態勢に入っていた相手を〝魔力操作〟で強化した身体能力でもって回避しながら首を刈り取ればいい。〝念動力〟を使った理由は単純に自分の身体の扱いにまだ自信がなかったからで、ミツキが硬直したのは〝念動力〟によって強制的に体が動いたことによる影響だ。
そんなわけで、ファンタジーな世界ではよくある幻を見せる身体の動きや気配の操り方というものを下手なりに発動したというだけにすぎず、ハッキリ言ってこの程度の技はミツキからしてみればありふれたものだ。
とはいえ、小説の人々は〝念動力〟など使わなくても体捌きだけで幻影を生み出したりできることもあるので、将来的にはそうなりたいと思うわけだが、現段階での戦闘時における身体扱い方はまだまだなので、道のりは遠い。
(その点に関しては、どうしても今のままだとただスキルで認識されている身体の動かし方をトレースしている形になっちゃってるからなぁ。形だけというかなんというか……)
「むぅ、やはり教えてはくれんか」
「へ? あ、そうですね。手の内をさらすわけにはいきませんよ。まあ自分は相手の隙をつく戦闘スタイルですので、その技の一つとでも思っていただければ」
ミツキが自身の動きについて反省していたのをモットーが教えてくれないと勘違いしたようで、一瞬何を言っているんだこのハg……と思いそうになったが、すぐに内容を理解して便乗する。
「そうか、まあ仕方ないだろう……で、本題なんだがいいか?」
「へ? 本題?」
本題は試験の話ではなかったのかと思っていたミツキはまたしてもキョトンとする。
「ああ、冒険者になったくらいでこんな場所には呼ばんさ。お前さんの実力を鑑みてお願いしたいことがあったからここに呼んだんだ。いわゆる指名依頼というやつだな」
「な、なるほど」
そもそも依頼の種類がどんなものがあるのかわかっていないので、ただうなずくことしかできないミツキにモットーはその本題を口にした。
「お前さんには盗賊団──〝堕落の音頭〟を潰してもらいたいんだ」
「!?」
盗賊団と聞いてミツキのテンションはびっくりするほど上がった。すなわち「テンプレイベントキタァ!」である。
相変わらずミツキの脳内は少し残念だった。
総合評価が100ptを突破いたしました。
また、一日のPVが1000を超えるようになり、ユニークも2000を突破しているようです。
読んでくださる方々に感謝いたします。
今後も影薄少年をよろしくお願いします。
~心の中の願望~
……もう少し皆さんが評価や感想が増えるとうれしいなぁ




