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ずっとおぼえてる   作者: ことり あきこ
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東京 2007年

 週に1度ではやはり物足りなくなり、葵が二年生になってすぐに眞子は三つものバレエスタジオに通うようになった。


 東京に越してすぐに散々吟味してスタジオを選んだが、たった週1回のレッスンではどうせ満足できないのだから、通いやすい場所と時間で選ぶしかないと思い至り、自転車で10分程のゆりバレエスクールと駅前のカルチャーセンターにも通い始めたのだ。



 最初に東京で通い始めた芳川ダンスアカデミーの発表会では《エスメラルダ》のヴァリエーションを踊った。

 メインの演目は《コッペリア》だが、全体練習は拘束時間が長くなるので出演を断り、1幕の小品集でソロだけを踊ることにしたのだ。


 《エスメラルダ》のヴァリエーションは高校生のときに猪熊先生のスタジオで踊ったことがあったのだが、イメージどおりに体は動かず、それでも夜のクラスに週4日も5日も通っている若い生徒たちにもまだまだ負けていないことを誰にともなく証明するかのように、眞子は難しいパをこなし、頭上に高々とかかげたタンバリンをトゥシューズのつま先でシャンシャンと蹴り上げた。


 何をむきになっているのだ。


 しょせんバレエごっこだというのに。


 眞子は痛む足を湯船でさする。


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