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121/121

11ー11 これから

 11ー11 これから


 夜明けがくる。

 あたしは、叔父さんの上に抱かれて白んでいく空を眺めていた。

 気がつくとあたしたちは、扉の外にいた。

 朽ちかけたその扉は、凍りついて消えていった。

 あたしは、そこにいる全員の姿を見回した。

 メイア。

 グリエ君。

 マリカさん。

 そして。

 「叔父さん・・」

 あたしは、叔父さんの青い瞳を見つめて微笑んだ。

 叔父さんは。

 あたしを愛おしげに見つめる。

 「おかえり、僕の女王」

 

 それから。

 戻ってきたあたしたちを待っていた『西の魔女』は、その力で扉があった場所を封じた。

 『西の魔女』が言うには世界樹は、その場所を変えて甦ったのだとか。

 「これでしばらくは、世界は守られるでしょう」

 まあ。

 そんなことはあたしにとっては些事にすぎない。

 

 あたしは、ミルカリアの叔父さんの屋敷に戻った。

 ミランダ先生は、あたしを無言で迎えると抱き締めた。

 

 あたしは。

 正式なジークナー公爵の婚約者となった。

 叔父さんの屋敷で花嫁修行をしていることになっている。

 

 学園のみんなは、変わりなくあたしやグリエ君、メイア、マリカさんを受け入れてくれた。

 これからの学生生活が楽しみ。

 いっぱいいっぱい楽しもう!

 それに勉強も。

 懸命に生きていくのだ。

 どこかで見ているあの人に恥じぬように。


 叔父さんとあたしの婚約式は、関係者だけを招いて開かれた。

 メイア、グリエ君、マリカさん。

 それにアンナさんとヨゼフさんも。

 幻獣たちも招いた。

 あたしは、王の許可を得て叔父さんの助けを得てもとの世界にいる両親に連絡をとった。

 いままであったこと。

 まあ、話せることだけを伝えると両親は、すごく驚いていた。

 けど。

 あたしと叔父さんが婚約したことには驚いてはいない様子だった。

 「幸せになりなさい」

 両親は、あたしたちに祝福を贈ってくれた。

 幸せになりなさい。

 2人で。

 みんなで。

 決して永遠ではないその人生を楽しみなさい。

 慈しみあって。

 お互いを愛し合って生きていきなさい。

 どうしようもない悲しみも時にはあるだろうけれど、2人で、時にはみんなの力を借りて乗り越えていきなさい。

 そして。

 いつか終わりの時がきたら。

 静かに眠りなさい。

 自分が愛されていたことを思い出して微笑みながら。

 

 どこかで。

 あの人が微笑んでいるのをあたしは、感じていた。

 風が。

 つむじ風が吹き上がり、花の花弁を散らす。

 甘い香りが鼻をくすぐる。

 あたしは。

 青い青い、空を写したような叔父さんの瞳を見上げる。

 あたしたちは、生きていくんだ。

 今までも、これからも。

 

 

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