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♯ソラノート  作者:
旅の始まり
12/45

三日目 私服と縮小とあいさつと約束と

はい、プロット通りにいったことがないってなると、もうプロットいらない気がしてきました。ここら辺から今までの情報の整理とまとめとかも少しずつ作品内でできたらなと思います。


「眩しい……」


 最初に目に入ってきたのは、目を開くのが億劫になってくるようなあたたかく眩しい陽光。しかし目を開けるよりも前に左手の魔道具から魔力によって時間を確認すると、ゆっくり起きあがる。


「もう、こんな時間ですか……」


 魔道具はすでに起きる予定の時間を過ぎている時間を指す。寝坊ですね……布団が悪いです……。そう、私は悪くないんです。


「なんで誰もいないのに、弁解してるんでしょう……顔洗ってきますか……」


 ついでに、スキエンティアは睡眠? とは違うんらしいですけど、機能を一時的に停止できるらしいので、寝ている間はそれをするという約束をしました。ずっとうるさいのは嫌です。


「もう、リリィちゃんは起きているんでしょうね……」


 昨日、帰ったあとは、やることだけやって眠ることにしました。あ、料理以外はちゃんと手伝いましたよ。昨日だけでも色々と見て回りましたし、最後の道は、畑や村の方々の家、とひとつ大きな牧場があるらしいです。けど、見て回るのはやめにしました。また今度、用があるときの楽しみです。

 そして、今日はようやく本題の村についてとかをとりあえず、見て思った感想とかだけでいいから聞きたい。ということです。村に来る人が商人以外いなかったらしいですので、意見のひとつでも貴重らしいです。


「また、リリィちゃんを待たせちゃう形になっちゃいますね……」


 部屋に備えつきの洗面所で顔を洗い、寝間着を脱ぎ、流れるように私服へと着替える。のだが……。


「……これ、着ないとダメです……?」


 今私が着ようとしている私服というのが、昨日リリィちゃんが買ってきたという純白のフリル付きワンピースなのだ。ずいぶんと荷物が多いと思ったらこんなものを買っていたなんて……。

 お金は払うといいましたが、わたしが着てほしくて買ったからいいんです! っていって受け取ってくれませんでした。


「うぅ……スカートみたいなのは下がスースーしますし、不安になるから嫌いです……///」


 でも、リリィちゃんからのせっかくのプレゼントですし……これで着ないわけにもいかないですよね……。 でも、こんな感じのがリリィちゃん曰く、まだ他にもあるらしいです。もしかしなくても私、着せ替え人形扱いされています?


「こういうのは絶対リリィちゃんの方が合いますよ……。私みたいなのが着ても……似合わないですって……」


 こういうのは、恥ずかしがるからダメなんですよ。というわけで、もういっそ開き直りましょう……!

 自分でも意味の分からない考えをしていると思いますけど、そうとでも思わないと恥ずかしくてこんなもの着てられないんですよ!


「さて、あなたもいい加減おきてください? 置いていっていいんです?」


(だいぶ、前から起きてるよ。おいてくのは勘弁してくれ。)


「起きているならなんで黙ってたんです? 普段は聞いてもいないのにうるさいのに……」


(あいかわらずひでえ扱いだなぁ……黙ってたら面白い反応が聞こえたんでな、いやぁ乙女なこって)


「麗しき乙女で間違いないから問題ないですね?」


(恥ずかしがったり、誇らしげにしたり、やっぱ感情ってのはよくわからんな……)


「やっぱ、あなた場所取りますし、結構重いですし、邪魔ですね。ちっちゃくなったりできないんです?」


(魔力さえもらえばできんでもないが、いい加減俺も傷つくぞ?)


「どれくらいいるんです? 扱いは働きに応じて変わるかもしれないです」


(一回下位魔法分くらいもらえば一日は何とかなる。それでも片手杖くらいだけどな)


「じゃあそれでお願いします。基本その状態で、戦闘があるかはしりませんけど、あるならその時は鈍器用に大きいほうがいいかもです」


(俺は鈍器じゃねえよ!? 大切に扱って!! ……まぁ本気じゃないのは分かるからいいけどもさぁ……んじゃもらってくぞ)


 スッと魔力が吸われる感覚と一緒に杖の先端が光を放ち、形状を変えていく。スキエンティアは了承さえもらえば勝手に私から魔力を吸えるので私がやる必要がなくて楽です。


「便利な身体してますね……」


(後はは自分で動けたら一番良かったんだがな)


 さて、荷物も軽くなりましたし、リリィちゃんのとこへ行きましょうか。

 今日はスキエンティアと肩掛けの小物用ポーチくらいでいいですかね。あまり荷物があってもそもそも普段の服と違ってポケットが少ないですし。


******


 部屋を出て、いつもの部屋へと歩いて向かう。まだほとんど日にち経ってないのにもうこの宿にもかなり慣れてきました。

 扉の前につくともう既に外に漏れるくらいいい匂いがしてきます。だいぶ待たせてしまったかもしれないです……。


「おはようございます。遅れてしまって申し訳ないです」


 扉を開け中に入る。

 予想していた通り、もうすべて準備は終わっていたようです。リリィちゃんは既に椅子に座って私のことを待っていました。


「ソラさん、おはようございます! わぁ……やっぱりすごくその服似合っています!! とってもかわいいですよ!!」


「そんなことないです。きっと、リリィちゃんの見立てがよかっただけですよ……」


 恥ずかしくて、身体を揺らしてもじもじとしてしまう。

 格好もそうですが、褒められるのも慣れていなくて、気恥ずかしいです。

 リリィちゃんは私の前まで来て、一通り眺め終わってすごいキラキラしてます……。

 これは私からも何か返さなくてはいけません。貰ってばっかですし私だけ恥ずかしいのはなしですっ!


「わたしはソラさんに合いそうなの選んだだけですよ! 会った時から思っていたんです。せっかく可愛いんですから、可愛い恰好したら絶対によくなるって!!」


「私にはああいった格好のが合ってますから……」


「ああいうのも似合いますけど、絶対今の方がいいですよ!」


 うう、なんかこうも言われてるとほんと恥ずかしくて、もう顔が赤くなってそうで嫌です……。

 やっぱりリリィちゃんには敵いそうにありません。


「……ありがとう……ござい……ます……///」


「やっと認めてくれました! ソラさんは自分を否定的に捉えすぎだと思うんです。さぁ、ご飯冷めちゃいますし食べましょう!」


「もう、リリィちゃんにはかないませんね……。それでは、いただきます」


「いただきます!」


 もう『いただきます』普通に使っているんですよね……適応が早いといいますか、私でも聞いてすぐの時は使っていなかったのに。


「とってもおいしいです……。こんな料理が毎日のように食べられて私は幸せです」


 今日は柔らかいパンとお肉、そして焼いた卵がメインの朝食です。卵なんて久しぶりに食べました……。どうやらここら辺では結構一般的なもの、ということです。牧場で作られているそうで、朝、運ばれてきたばかりの新鮮なものらしいです。そのおかげか、私が王都で食べたときよりとっても美味しく感じます。それだけではなく、リリィちゃんの料理の腕もありそうです。




******


「「ごちそうさまでした」」


「あ、準備の手伝いできなかったので片付けくらいは私やりますね」


「ありがとうございます。それじゃあ、手伝いお願いします。わたしは洗うので拭いてもらえます?」


「いえ、これくらいでしたら私一人でできますよ」


「え、でも?」


 鍋とかに関してはもう洗ってありました。やっぱ相当待ったんでしょうね。それでも、まぁ結構量ありますし……大変そうではありますけど。こういったことでしたら私の得意分野です。さっさと済ませちゃいましょう。


「まぁ、見ていてください水の創造(アクアクリエイト)物質制御(オペレートマテリアル)


 魔法の二つ同時発動。できる人あまりいないらしいですね。やってることは水を作って皿とか操って洗ってるだけなんですけど。


「同時詠唱!? ソラさんそんなことできたんですか!? しかも、制御って上位魔法ですよね!?」


 目を見開き唖然としている。残念ながら物質制御は簡易的な魔法なので中位魔法なんですけども。

 そもそも物質制御は土属性魔法ですから、私は中位魔法までしか使えないですし。


「これで洗い終わりましたね」


「ソラさん、昨日も思いましたけど、一体どれくらいの魔法が使えるんです?」


 どれくらいのと言われても、そんな期待されるほどの力は私にはないんですよね……。


「一応、上位魔法三個までなら同時詠唱できます……けど……」


 あ、固まりました。……そんなですよ? 私の兄は五つ同時と超位魔法使えましたし。母もそれほどではないですけど五つ別属性で使えてましたし……。いや、あれはあそこら辺がおかしいだけだと思いますけど。王都でもいましたからね私くらいのレベルなら結構。

 しかも私のはできるというだけで、そんなの打ったら当然倒れます。一回やって魔力枯渇して数日寝たきりになったのでそれ以来やっていません。親からもやるなと言われてしまいました。


「それは、国家魔導士クラスのレベルですからね!? ほんとにソラさんは何者なんですか!?」


「えーと、私は少し魔人の血が入ってるんですよ……祖母が妖精で……ほら、髪とかにもその影響が出てるんです。それでちょっと魔法が他の人より得意ってだけですよ」


 私の髪の先端の色だけ水色になっている理由です。別にそんな人間と変わらないのですが。

 不便な点としてはは暑さに弱いくらいですかね。ついでに、何の妖精かは言っても誰も信じてくれないと思います。私も未だに疑っていますもの。


「妖精……それで、そんなにすごいんですね……」


「私の家系は皆、私より強いので私なんて、まだですよ」


「ソラさん……より? どんなおうちなんですそれ……」


 どうやら、私が普通だと思っていたのは他では普通ではないことだったらしいです。こういったことも旅に出たからわかるってことですし、旅に出たのは正解でしたね。

 私は頷いて勝手に納得していますけど、リリィちゃんは疑っているわけではないようですが、信じ切れていない様子です。これに関しては仕方ないですね。


「とりあえず、これ乾かしちゃいますね」


 洗い終わった食器を指さしてそう言う。食器は綺麗に整列しており、魔法によるものなのに手作業よりも作業が緻密に行われていた。


「え、あ、それくらいだったらわたしが……」


「いえ、これもすぐなので、大丈夫ですよ。乾かせ! 熱風(フレアベントゥス)よ!」


 魔法は一度にたくさんのものを乾かしたりできるので楽でいいです……。

 さて、居候の身ですし、最低限の働きくらいできましたかね。


「わたし何もできてないですね……」


「いえいえ、私が起きる前から起きて準備してくれたじゃないですか……私、早起き苦手ですし、ご飯すごくおいしかったので感謝しかないですよ!」


 私なんて魔法に頼っているだけですし……簡単なことですから、そもそも別に魔法使わなくても普通にできることですから……。


「ありがとうございます……わたしはそういった細かな調整とかが苦手で……魔法打つと基本、火力が出ちゃって」


 ……まぁ、それが普通ですから、そもそも魔法は主に戦闘用ですし。ここまで細かくできる人ってなるとあんまりいないんじゃないですかね? 私は私以上に精密に操れる人はまだ見たことないですし、そこだけはどれだけやっても兄に負けませんでしたから。


「私はここに居候させてもらっている身ですから、これくらいのことでしたらいつでもしますので、言ってください……それと、簡単な魔力操作くらいなら、私でよければ教えますよ」


「本当ですか!? あ、でもわたし、氷や風は使えないですよ?」


「リリィちゃんは魔力的に炎ですよね? 得意ってわけじゃないですけど、私一応全属性使えるので安心してください。」


 魔力は魔法を使う人なら、見ようと思えば見れます。その人の周りにうっすらと各色のオーラのようなものが見えるんです。リリィちゃんは明るい、橙色が混じったような紅色。典型的な炎属性の色です。ただ、少し青が混じってるんですよね? もしかしたら氷属性の素質もあるのでしょうか……。でも、私の知ってる氷属性とは違う気がするんですよね。

 ついでに、私は水色と緑色が混ざったような色です。他の色はこの二つの色でほとんど消えちゃっていて見えないらしいです。自分の色は見れないのでそう言われたとしか……。


「全部!? ……あ、そういえば魔人は全属性使えるんでしたっけ? あと、なんかその魔人によっては自分だけの魔法属性もあるとか……」


「そうみたいですね。さすがに私はそんなのはないですけど……」


「それじゃあ……今度教えてください……あ、でもわたしだけ教えてもらうのも……」


「そんな、気にしなくていいですよ。それくらいだったらいくらでも……」


「いえ、それはダメです……! ……それじゃあ、わたしはソラさんに料理を教えますね。付きっきりで教えればこないだみたいなこともなくなると思います!」


「それだと、またリリィちゃんを危険にさらしてしまうかもしれないですよ……!?」


「そんなこと起きません! ソラさんがそんな弱気じゃいつまでたってもできないです」


 そんなことを言われても、こないだのはリリィちゃんを怪我させてしまうかもっていうので軽くトラウマなんです……。

 私は別にいいですけどリリィちゃんを危険な目に合わせるなんて……。


「いいですか? これは約束です。ソラさんはわたしに魔法を教えてくれる。わたしはソラさんに料理を教えます。だから、できないとか言わないでくださいね」


 しかし、リリィちゃんは私がリリィちゃんを怪我させることはないと、そうでもいうかのように、私の目を見つめる。何が起きるかなんてわからないのに……ほんとリリィちゃんには一生敵いません。

 手を掴み、離すまいと力をこめて言う。本来、こんな口約束にはなんの意味もないんでしょう。でも、リリィちゃんと私だけには意味のある約束。


「はい」




「「約束です!」」




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