第二十五章 最後に言っておきたいこと
三十五歳になったある日、僕は誘われてとあるカフェへと向かった。
高校時代のめざましい活躍もあって、僕が無事にソーシャルワーカーの職に就いてから久しい。鬱病を抱えてはいるものの、この仕事に対する情熱や打ち込む姿勢が衰えることはなかった。当初は精神疾患を抱えていることに対して周囲からとやかく言われることもあったが、今ではそうした雑音もすっかり影を潜めている。
今日、僕を呼び出したのは他でもない。陳逸樺だ。
「はい、君のラテ。氷抜きでよかったよね?」
「うん、ありがとう」
「どう? ソーシャルワーカーの仕事は相変わらず大変?」
「まあ、かなりハードだけどね。でもすごくやりがいがあるよ。誰かの力になれるっていうのは、本当に素晴らしいことだし」
「ふーん、すっかり自己犠牲の精神が板についてるじゃない。大したものね」
「そっちこそどうなの? 新竹サイエンスパークでの仕事は順調?」
「悪くはないかな。高望みはしないけど、今の環境には十分満足してるよ」
「お疲れ様。あそこでの仕事だって、絶対に大変でしょ」
「実はそうでもないのよ。慣れてしまえばどうってことないし。君の仕事に比べたら、きっと大したことないわ」
「で、今の夢は何なんだ?」
「そうね……家庭円満、かな? ふふっ、君は?」
「僕か。僕は自分が書いた小説がアニメ映画化されたらいいな、なんて思ってる」
「あら、大きな野望じゃない!」
「これくらいでなきゃ、人生じゃないだろ」
それから僕たちは、さらに三十分ほど言葉を交わした。
去り際、彼女から手渡された結婚の引き出物を受け取り、僕はひとこと言葉を残した。
「結婚、おめでとう」
そうして僕は、胸を満たす温かな歓びとともに、家路についた。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
GEMINIの翻訳を校正するのは本当に つ ら い 。
もうすぐ完成する台湾華語版の小説ですが、校正に13時間もかかりました。
これは台湾の小説コンテストで落選した作品です。こんな拙い文章を読んでいただき、すみません。
心の奧底にある思いを文字に変えました。フィクションとは言え、ほんの一部は私の人生の正真正銘の物語です。
だからこそ、何回読んでも、「これを書けた自分」への感謝の気持ちしかありません。
「これを書けたのだから、もう思い残すことはない」と。
最後に、もう一度。本当にありがとうございました。




