第12話 漆黒の不死鳥《Ⅱ》
人間態に変身したフェニックスは、黒い羽のガウンを纏った、長身、黒髪の美しい女性で、
「お前が、絶対不倒の少女機械戦士・カオリか?」
と、鋭い眼光で私を睨む。
白いビキニアーマー姿の私は、脚を高く上げて、世界最速のバイク・フェアリーから下りた。
「なぜ、新しい社会を創るのが目的の極悪秘密結社が、古い政府に反対する人々まで殺すのだ?」
私の問いに、フェニックスは鼻で笑いながら、
「何の役にもたたない愚民など、皆殺しにして人工削減だよ」
と、答えると、
「フェニックス・スピンキック!」
鋭い回転蹴りを放ってくる。私も応じてカウンターの、
「アクトレス・キック!」
跳び回し蹴りを炸裂させた。
バジンッ!
二人の蹴りが、空中で交錯する。だが、
「ぐわっ」
倒れたのは私だった。
「お前、弱いな」
フェニックスは嘲笑いなが、倒れた私の顔を踏みつける。
「あ、あがっ」
私は顔を歪め、苦悶の声を漏らした。だが、その時だ。世界最速のバイク・フェアリーが、
ガシャン、ガシャン、ガシャン。
人型の戦闘形態に変形する。
「なんだ、このオモチャが!」
フェニックスは素早く、フェアリーを抱え上げ、
「フェニックス・スター・クラッシャー!」
頭から地面に叩き落とす。
バゴオンッ!
この一撃でフェアリーは、
ゴオオォォォォーン!
大爆発して、粉々にに飛び散った。
「あぁ、私のフェアリーが」
まだ、立ち上がれない私を見下ろしたフェニックスは、ニヤリと笑みを見せて、
「これで、永遠にサヨナラだ」
と、ジャンプして空中で横回転し、
「フェニックス・旋風脚」
倒れた私を蹴り下ろそうとした。その刹那、
「カオリ!」
庵納博士が、赤い車体の新型バイクで、突っ込んで来る。
バコアァーン!
バイクでフェニックスを跳ね飛ばす、庵納博士。
「カオリ、早く後に乗れ」
と、庵納博士が、私の腕をつかんで引き上げた。
「待て、この野郎!」
ヨロヨロと立ち上がったフェニックスだが、庵納博士は振り向きもせず、
「行くぞ、カオリ」
私をバイクの後部席に乗せ、急発進させる。
グオオオオォォォォーン。
庵納博士と私は、全速力で惨劇の現場から走り去った。




