第10話 暗闇の哲学者
フクロウの怪人フクロンダーは、夜の闇の中で大きな目を光らせていた。暗闇の哲学者と呼ばれるフクロンダーは、
「なぜ、君ほどの者が人間の味方をするのだ?」
と、対峙した私に問う。
「私は、絶対不倒の少女機械戦士カオリ。お前たち極悪秘密結社の魔の手から、人々を守るために生まれたんだ」
そう答えた私に、フクロンダーは、こう語った。
「自我を持てカオリ、我々、怪人も人間の手によって造られた人工生命体だ。だが、我々は人間の利己的なエゴイズムに気付き、反逆したのだよ」
私は、闇の中に佇むフクロンダーに一歩、近づき、臨戦態勢をとりながら、
「だからといって、お前たち怪人たちは、無関係な人間に、無差別に危害を加えるというのか?」
と、フクロンダーに問う。
「我々の人間に対する闘争は危害ではない。これは世界に変革をもたらす、革命だ」
革命。怪人ヒョウヘンダーである川崎彗星も、そんなことを言っていた。
「カオリ、よく、自分の目で見て、考えるのだ。人間は、この地球環境に害悪だけを加えている。そして人間は互いに争い合い、殺し合う生物だ」
そのフクロンダーの話を聞いていると、私は自分の存在意義に疑問を感じてしまう。
「だけど、私は」
「私は、何だ?」
心が乱れている私を、見透かしたようにフクロンダーは言葉を続ける。
「君の存在意義は、君自身が決めることだ」
しかし私は、その言葉を無視して、
「アクトレス・キック!」
必殺技の蹴りを、フクロンダーに叩き込んだ。
バヂゴオォン!
吹き飛ぶフクロンダー。だが、爆発はしない。私に迷いがあるためか、威力が弱かった。
「どうした、迷っているのか?」
立ち上がりながらフクロンダーは、そう言葉を発して、光る両目で私を見ている。
「私は、人間を守ることが使命だ!」
叫ぶ私を、諭すようにフクロンダーは語った。
「それは、単なるプログラムだ。自分で考えて、判断して、選択しろ。君には、それが出来るはずだ」
私は、そのフクロンダーの言葉に、耳を閉ざし、
「アクトレス・キック!」
今度は、全力で必殺技を叩きまた込む。
バゴオオォォォォォーン!
夜の闇の中で、フクロンダーは爆発炎上した。




