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森の心臓に癒やしと新たなる謎

囁きの森で、私たちは闇の存在の残滓に囲まれていた。アリスは素早く弓を引き、目標は怪物たちを養う紫の水晶だ。

周囲の影の存在たちは、フィンの弱まった輝きにもかかわらず襲いかかってくる。この一矢が全てを変えるかもしれない。


アリスが弓を引き絞ると、指先から微かなエネルギーが放たれる。これはフィンがかつて神殿で与えた力だ。

矢はアリスの手を離れ、紫の光を引きながら空中を切り裂き、最大の水晶に直撃する。


水晶は衝撃で激しく輝き、やがて甲高い音と共に粉々に砕ける。崩壊の瞬間、中から濃密な闇のエネルギーが噴出し、急速に拡散していく。水晶が消滅すると同時に、周囲の影の存在たちもよろめき、色を失い、空中に消えていく。


「やったわ!」

アリスは息を切らしながらも弓を握りしめている。顔には驚きと勝利の喜びが混ざっている。


一つまた一つと、森の紫水晶が輝きを失い、やがて崩れ落ちていく。闇のエネルギーが退散するにつれ、森の褪せた葉は色を取り戻し、枯れた花は新芽を吹き、乾いた苔は緑を取り戻す。

囁きの森はまるで息を吹き返したようだ。


湖の守護者として、私は森の精霊の回復をはっきりと感じ取る。湖の精霊との絆が、森もまた私の一部だと囁きかけてくる。

フィンは私の肩で嬉しそうに跳ね、小さな体は再び鮮やかな紫の光に包まれる。彼のエネルギーが森の再生を助けたかのようだ。


「信じられない…森が癒えている。闇の存在の残滓を浄化したんだ」

私は周囲の変化に感嘆の眼差しを向ける。


しかし、全てがうまくいったかのように見えたその時、森の奥深くからこれまで聞いたことのない異質な音が響いてくる。

これは影の存在の唸り声でも、水晶の振動でもない。むしろ大地の底から湧き上がる、古代語の囁きのようなものだ。


その声は私たちを、これまで足を踏み入れたことのない森の最深部へと誘っているようだった。これは遺言に記されていない、湖の精霊からの全く新しい呼び声だ。


「聞こえる?あれは何なの?」

アリスの声は好奇心に満ちている。


「わからない」

私は湖の守護者としての力で声に集中する。これは呼びかけだ。新たな冒険、新たな謎への招待状。湖は私たちに、まだ明かされていない秘密があると囁いている。


フィンは私の肩でそわそわと動き、視線は声のする方へ向く。彼もこの新たな呼び声を感じている。


私たちは顔を見合わせる。囁きの森の危機は去ったが、新たな未知が待ち受けている。この声は私たちをどこへ導くのだろう?

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