↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女ドラゴンは生きてみる  作者: やまね みぎたこ
金色編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

272/336

遭遇してみる

 探し物は探していないときに見つかる。母がかつてそんなことを言っていた気がする。


なぜ今そんなことを思いだしたのか…それは私の手を取っているお姉さんの金髪がとても綺麗なそれだったから。

こうして対面していても何も感じない…感じないけど、ノロちゃんの様子がなんとなくおかしいことからやっぱりそういう事なんじゃないかなとは思う。


不調の原因がこんなところにも出てるのかな?…気になるけど今は私の体調は置いておいて、問題なのは私がここでどういう行動をするべきなのかという事。


たぶん言うまでもなく私の目の前にいるこのお姉さんこそがこの国にいる龍…金龍さんなのでしょう。

でも…だとしてどうする?

私からいきなり何もかもを打ち明けて話を持ち掛けたとして…話をしてくれるのならいい。


でもそうでなければまずい事になる。


ある意味で私は今、教会側を出し抜いて金龍さんに接触するうと言う目的を達成している状態ではあるけれど、そこに辿り着くために満たしていないといけない条件を満たしていない。


もしこの人が好戦的な性格で戦闘になってしまった場合、問題になってくるのは相手が金龍だという事。


ヴィオさんの話によると金の色を持つ龍はその力で周囲に被害を及ぼす能力を持つ龍が多い。

なのでこの場所で戦闘になった場合、間違いなく被害が出る…そうならない為に銀龍さんと逸れている今、私が一人で行動に出ることに不安が残る。


もしかすれば推定金龍さんと思わしきこのお姉さんがそう言う被害を嫌うタイプだった場合は話し合いができるかもしれないけど…少し前に黒神領を襲ってきているという事実があるのでそこに賭けるのは少し怖い。


私に突き付けられている選択肢は二つ。


ここで勝負出るか…それとも何もしないか。出した答えは…!


「どうぞん」

「え!?いいの!?」


「うん」


私は特に抵抗もせずにお姉さんに石を渡した。


悩んでも分からないことは悩まない。

そもそも体調が思わしくない+銀龍さんの不在と悪いほうの条件が重なってることが、この状況のメリットを上回っている気がするのでここはスルーを選んだ。


私らしくないような気もするけど…まぁ今回ばかりは仕方ないという事でここはひとつ。


お姉さんのあまりにも必死な様子に譲ってあげようという気にもなったしね。

アザレアへのお土産として買ったものを失くしちゃうのは少し残念だけど…ちゃんといいものをまた探すからね、ごめんアザレア。


「わぁ…よかった…ありがとう…!ありがとうね!」

「いえいえ。じゃあノロちゃん行こうか」

「は、い…」


ノロちゃんの手を引いてひとまずこの場から離脱。

この迅速な判断と行動力こそ私が黒き稲妻のブラックドラゴンと呼ばれる所以だ。


「まって」

「うっ」


おねえさんに肩を掴まれて引き留められる。

黒き疾風のブラックドラゴンの敗北である。…あれ?黒き閃光だっけ?まぁいいや。


「な、なんでしょう」

「お金忘れてる。はい」


「ああこれはご丁寧にどうもですん。それじゃあ今度こそこれで」

「まって」


「あ、はい」

「これ本当にありがとう…これが無いとアタシ本当にダメで…」


「それはよかった。それではこれで──」

「だからお金だけじゃなくてちゃんとお礼がしたいんだけど、今時間ある?」


「いえ、これから用事が──」

「美味しいお菓子があるお店があってね、そこで一緒にお茶でもどう?アタシ奢るから」


「いえいえ、お菓子なんてそんな」


気が付けば私はこじゃれた「かふぇ」でケーキを頬張っていた。


おかしいにゃぁ…お菓子だけに。


いや、それにしてもおいちい。

生地がふわっふわでクリームも甘くてしゅごい。

一緒に出てきたクッキーもサクサクでもうとにかくサクサク。さくさくさくさくさくさくさく。


「おいしい?」

「おいちぃですん」


「よかった!」


お姉さんは食べる私を見てニコニコと笑っている。

とても感じのいい人のように思えるけど…どうなんだろうか。


私の持論にご飯をくれる人に悪い人はいないというものがある。

くもたろうくん達にはむしろご飯をくれる他人なんて悪人が多い。とよく訂正されるけど、私はそう思っている。


同じ場所で一緒にご飯を食べられるのなら、絶対にその人とは仲良くなれると思うのだ。

だからこの人とも話し合いの席に着くことができるのではないでしょうかと思ったり思わなかったり。


「そっちの子は食べないの?アタシの奢りなんだから遠慮しないで!ほらほら」


お姉さんが色々と勧めていて、ノロちゃんが少し困っている。

もともとノロちゃんは私が頑張って食べさせないと、何も食べないのでこういう場では尚更だろう。


「お姉さん、お姉さん。ノロちゃん…この子は食が細くてあまり食べないの。だからごめんなさい」

「そうなん?じゃあ持ち帰りで何か頼んでいいよ?帰ってからゆっくりと食べて!…ん?てかキミ…どっかであったことある?」


お姉さんがノロちゃんにそんなことを言った。


「…いえ」


ノロちゃんはたぶん誤魔化した。やっぱり赤龍関係で何かあるのだろうか。


「ふーん。でもでも不思議な組み合わせだよねキミたち。どういう関係?」

「関係…この方は私の伴侶様で…」


「はんりょさま?なにそれ?」

「…大切な、人という…ことで、す…半身にも等しい…そんな…方です…」


「半身…つまりは姉妹のような関係って事?それはいい事ね!」

「…」

「むぐむぐ」


私とノロちゃんの関係…考えるとよくわからない私達なので説明は難しい。

でもお姉さんはなにやら機嫌が良さそうなのでわざわざ訂正しなくてもいいでしょう。

今はそれよりもお菓子がおいしい。


…いやいや、食べてばかりじゃだめでしょ。


ケーキを15皿、クッキーを40枚ほど食べたあたりで少しばかりお腹が満たされて正気に戻った。


もうこうなってしまったのなら状況を利用しよう。

銀龍さんの捜索はたぶん皆がやってくれるはず…なら私は出来ることをやるべきだよね。


刺激をしないようにお姉さんと仲良くなって、のちの展開を私たちに都合のいい方向に誘導する大作戦の始まりだい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まぁ生きる事は食べる事だから、メアさんが大食いの枠を木っ端微塵にした、無限食い系ドラゴンなのはしょうがないんだけど、それにしても綺麗な即堕ちだなぁ
流れるような即(食欲)堕ち2コマ フューチャーブラックドラゴンに期待ですね
脳が胃袋でできてるドラゴンにそんな知能プレイが…3秒後にはお腹空かせてそうですね…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。