第二話 ハイラント・エアレーザーなる勇者
読書家ではないので語彙がきついです。頑張ります。
「『迷宮ダンジョン:レダンダント』。
広大なその世界の真ん中でひとり、鎧を身に纏った美少女が立っておった。
彼女の名は、ハイラント・エアレーザー。
この世界を救うべく、数々のユーザーと大地を駆け巡った美少女勇者である。
『さて、これからどうするかの』
優しく吹き抜ける風に長い茶髪をなびかせながら、彼女は呟いた。
またひとり世界を救うゲームを始めるか。しかしそうはいってもステージは探索し尽くしてしまっておる。
魔王を倒す聖剣のありかも知っておるし、最強の鎧へと続く隠し通路の場所も知っておる。
単純なステータスの暴力では倒せぬ強敵も、弱点の魔法とそれを覚える場所を知っていたら、恐ろしくもなんともない。
『そうじゃ、記憶をしたい時と考え事をする時は歩き回るとよいと聞いたことがあるぞ。せっかくじゃ、眺めのよいところで作戦を立てよう!』
美少女勇者はそういうなり、『黄昏の丘』を目指して歩き始めた。レダンダントの世界で一番夕焼けの空が綺麗に見える場所じゃ。
少し遠回りになるが、どうせ散歩が目的なのだからと『癒しの花園』を抜けていく道を選ぶ。
薔薇の花があちこちに咲く園内を歩いていると、視界の隅に違和感を感じて美少女勇者は立ち止まった。
『なんじゃ? この花は』
いつもと変わりない花園の中で今まで見たことのない花、一輪の大きな薔薇が不自然に茂みから顔を出しておった。その花弁は虹色で、一際目立つよう七色の光を放っていたのじゃ。
美少女勇者は不思議そうに近き、その薔薇に手を触れてみた。
チリンッ。
小さな鈴の音を響かせながら虹の薔薇は静かに揺れ、おしべからキラキラと金色の粉が落ち始めた。それは地面につくことなくふわっと舞い上がると、小川のように空中を流れ始めた。
黄金の輝きは見る見るうちに渦を巻き始め、ついに『扉』が形成された。
『これはもしや、隠しステージか!』
『癒しの花園』は、勇者たる証の『薔薇の紋章』というアイテムを花園の中央に位置する噴水に住む女神から受け取るためのステージで、それ以外には来る意味がないと思っておった。
だからこそ夕方にこの場所を訪れるのは初めてで、故にこの虹色の薔薇を見なかったのかもしれぬ。
美少女勇者は長い睫毛で縁取られた瞳を輝かせるなり、鞘に納めてあった初期武器を抜いた。
装備は万端とは言えなかったが、彼女の頭に準備を整えに引き返すという選択肢はあるまい。
振り返りもせず、期待に踏みしめた地面を蹴る。
シャボン玉のように揺らめく扉に飛び込むと、美少女勇者はゴブリンが棲まう洞窟によく似た暗くてジメジメした場所に転移したのだった。てんてんてん、まる」
夕方、学生寮の一室。
楕円のテーブルを挟んで冒険譚は語られていた。
一方に座る少年はジト目で少女を睨めつけながら冷たい紅茶を啜っており、他方では自分を勇者だという少女がテーブルを踏み台にして片足を乗せ、意気揚々と自叙伝を語っていた。
一通り話し終えた勇者は、満足げな顔をして終始沈黙をしていた少年に目を落として尋ねた。
「さて、なにか質問はあるかの?」
少年は残っていた紅茶をぐびっと一気に飲み干すと、静かにコップを置いて少女に向き直った。
「いや、なげェよっ⁉︎」
まだ始まったばかりなのでポイント評価なんてできないと思います。なのでブックマーク登録で評価に足る作品かチェックしていただけると嬉しいです。って誘導はせこいですかね?(殴




