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ドイナーカ村に帰ろうと思ったらチャミが待ったをかける。
「シリューちゃん、折角アンリケに来たんなら美味しいお肉を確保しましょ」
野菜はないので長居はしたくなかったが代わりと言ってはおかしいが肉が良質な魔物がかなりいる。アンリケの南部の荒野には岩のような殻を纏った牛に似た魔物が群れで生活していた。
アンコとチャミが競うように魔物を狩っており不意に顔を見上げると雲の切れ間に何かが浮かんでいた。
かなりの高度のようで盾を浮かせていくことは出来ないようだった。
キノさんに頼んで高高度に対応できるドラゴンを貸して貰い追いかけることにする。
どれぐらいの高度なのか分からないのでかなり上空まで行って探していると小さい集落程度の浮島のようなものを見つけた。
浮島の下の部分は雲のような物があり地上からは見えないようになっていた。
ドラゴンに指示を出して浮島に近づいていくと人影が見えてきた。
浮島の住人もドラゴンに気づいたようで建物からワラワラと人が出てきて歓喜したように騒いでいた。
100人ぐらいの人だかりの近くに着陸する。
住人は全身に鱗があり角や尻尾は有ったがドラゴンのような翼はなかった。
攻撃する様子はなく全員跪いて祈りを捧げているようにもみえる。
「お前たちは何者でいつからここで生活しているんだ? 」
声を掛けると1人の男が頭を上げて返事をしてきた。
「我々はリザードマンの集落でございます。我々が崇めるドラゴン様に乗ってこられたあなた様は神の御使い様でしょうか? 最近浮遊島の調子が悪く神に祈りを捧げておりました。どうか我々をお救い下さい」
「俺は神の使いではないが修理できるなら請け負うがとりあえず見せてくれ」
村の中央にある塔のような場所の地下に案内された。そこには何かの機械があり神眼で確認したら浮遊装置だと分かった。見ると動力源になっている魔石に亀裂が入っておりそれが原因だと分かる。
かなり大きなものだったのでそのまま魔石をダンジョンコアに作り変えてしまう。
作り変えたことで魔石の損傷も回復し機械もスムーズに動き出した。
島の周りの雲が広がってきて地上からは完全に見えないようになっていた。どうやら装置の不具合で目隠し代わりの雲が減っていたことで俺が見つけられたのだと思った。
魔力をコアにこれでもかと注ぎポイントに変えて島全体をダンジョンに指定し装置にも不壊を付与し壊れないようにした。
ついでに狭い畑のような場所の収穫量を増やすようにしてコアを間違って触らないように見張りを兼ねてガーディアンを召喚する。
ドラゴニュートで言葉を理解し空も飛べる者だった。元々の住民たちからは崇められているようなので詳しいことは言わずに管理を任せることにした。
「修理は出来たようだがこの浮島は自由に進路を選ぶことは出来るのか? 」
「いえ、この島は空に浮くだけで風の流れに乗って移動するだけでございます」
基本的に海上を移動しているようで世界を回遊している海流によって起こされる風に乗っているのだと思ったが平和に暮らしている者たちの生活を壊すわけにはいかないのでそのまま好きに過ごすように伝えて島を離れた。
これまで俺は世界を見て回り気に入らない奴らを懲らしめてきた。
別に俺は正義の味方になりたかったわけではないし全てに俺の考えを押し付けるつもりはない。
とりあえず一回りしてみて今のところ何かしたいことがあるわけではないためドイナーカ村のダンジョンに籠ることにした。
俺はチャミとアンコを連れてダンジョンの一角に家を作って生活している。鉱石を掘って鍛冶をしたり木を削って木像をつくったりしてのんびりを暮らしている。
全ての大陸のダンジョンを持っているので気が向けばふらりと出かけていくことはある。
ダンジョンマスターとして年を取らない体になっているので時間を気にせずのんびりと過ごしている。
街に行ったときに偶々気に入らない奴がいれば懲らしめているがそれぞれの大陸、それぞれの国、それぞれの街が助け合いながら平和に暮らしている。
シャンバリアでは特に魔王城が人類の共同敵として機能しているため人類同士の戦争などもない。
俺が所有していないダンジョンからモンスターがあふれることもあったが俺は特別な関与はしていない。兵士や冒険者が協力して住民を守っている。
かなりの期間が過ぎたころ全ての街を更地にしていた元スーガラキ王国の領土に街が出来て人々の往来も増えてきた。
魔王の監視が無くても問題は無いようだったので魔王城を地下深くに配置替えした。
ドイナーカ村もダンジョンの1層に移動して誰も来ないようにした。
俺も村に住みダンジョンから出ないようになり地上の事を気にせず静かに暮らしている。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も書いていきたいと思っていますので見かけたら呼んでいただけると幸いです。




