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フカイのフカイな異世界の旅  作者: アングリー尺損


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新しく作品が出来ましたので投降することにしました。楽しんでいただけると幸いです。

 僕たちは夏休みの補習で高校の教室に居たはずなのだが床がいきなり光ったと思ったら良く分からない場所に移動していた。

 石造りの壁や柱があり壁際に中世の騎士のような格好をした集団が武器を構えており僕たちの正面の一段高い場所にはどっかの王様のようにふんぞり返った人や丸々と太った悪そうな顔をした老人たちが居る。


 これはもしかして異世界に来たのかと思っていると我慢のできないクラスの問題児である豊徳ほうとく せいが声を上げた。

「おい、ここはどこなんだよ。なんで俺たちはここにいるんだ。」

 状況を理解せずいきなりケンカ腰で怒鳴り始めたことで壁際の騎士たちが一斉に武器を構えて威圧してきた。流石に武器も持っていない状態で怖気づいたのか豊徳は大人しくなった。


 一段高い場所に居た太った老人が片手を上げると騎士たちは武器を下げた。

「わたくしはシャンバリラ大陸の盟主であるスーガラキ王国の宰相を務めているランドマスです。皆さんのご心配も分かりますのでこれからあなた方にしていただくことを含め説明します。最初に我が国の王からありがたいお言葉があるので心して聞く様に」


 ランドマス宰相は恭しく頭を下げると後ろに下がり頭に王冠を乗せた偉そうにしているおじさんに場所を開けると軽く頷きしゃべり始めた。

「朕がブリンガス・スーガラキである。我が国の召喚術でやって来た異世界人よ。我が国のために働くことを許してやる。感謝して働け。後のことは魔法大臣と将軍の指示に従うように」

 王は言いたいことを言ってしまうとさっさとどこかに行ってしまった。それにしても無許可で呼び出しておいて感謝して働けとは間違いなくハズレの異世界転移だと思ってしまった。


 王の言葉を聞いて僕以外も色々感じたようでざわつき始めた。

「静粛に。私はこの国の魔法大臣をしているビキーニャです。これからあなたたちにしてもらうのは鑑定の魔道具でステータスの確認をしてもらいます。その結果によってあなたたちのこれからの行動が決まってきます。大きく分けるなら戦闘と生産になります。順番に行いますので大人しく待つように」

 厚化粧のおばさんが魔法大臣らしいが露出の高い服をローブの下に来ており男性陣が何やら話していた。


「ちょっと待ってください。いきなり連れて来られて働けと言われましたが元の世界に返して貰うことは出来ないのですか? これでは誘拐と変わらないじゃないですか」

 正義感の強い生徒会長である春野はるの 鈴華すずかが抗議の声を上げたがビキーニャ魔法大臣は鼻で笑うように答えた。


「あなた方の服を見る限り平民の学生で間違いないでしょう。そんな者たちが栄光あるスーガラキ王国のために働けるのだから光栄に思うことは有っても断るなど、まして帰るなど考えられません。それに召喚に関して呼ぶことは有っても帰すことは出来ない。つまりあなたたちにはこの国に尽くす以外の選択はないのです」


 魔法大臣の言葉を聞いた春野さんは呆然としていたがローブを着た集団が何やら道具を持ってやって来た。

「それではこの鑑定鏡を使用しあなたたちのステータスやスキルの鑑定を行います。使い方は鏡の両側にある持ち手を持ってもらいます。鑑定が終了するまで数秒かかりますので終わるまで手を放さないでください。正確な数値が表示できなくなります。それではそこにいるあなた、こちらに来てください」

 ローブの集団の一人が魔道具と言われる鏡のような物の使い方を説明して近くにいた春野さんを呼んだ。


 『春野 鈴華 HP 200、MP 87、攻撃 75、防御 106、敏捷 73、魔力 88、知力 130、運 25 

 所有スキル:S剣術P S盾術P U聖魔法A』

「このステータスとスキル構成であれば聖騎士として有能だな」

 鏡の映し出されたステータスを見てローブの男たちが言っていた。当の春野さんはゲームなどをしたことが無いのか良く分かっていない様子だったが男たちが鏡を入れ替えると春野さんを横に避けて次の生徒を呼んで調べていた。


 『豊徳 成  HP 170、MP 33、攻撃 81、防御 59、敏捷 110、魔力 14、知力 21、運 16 

 所有スキル:S拳闘術P R発剄A S加速A』

「この者は近接戦闘に特化したようなスキルを持っているようだな。よし、次の者」


 『上田 昇 HP 80、MP 90、攻撃 30、防御 25、敏捷 42、魔力 78、知力 85、運 21   

 所有スキル:R火土魔法適正P S魔力増加P R詠唱短縮P』

「この者はあまりぱっとしないな。魔法の訓練を中心に行わせればいくらか使えるようになるだろう。よし次」


 『恩川桐斗 HP 90、M 76P、攻撃 63、防御 54、敏捷 33、魔力 47、知力 36、運 32  

 所有スキル:R剣術P R水魔法適正P N筋力強化A』

「これもそこまで目立つスキルは持っていないな。はい次」


 『広江 幸永 HP 500、MP 320、攻撃 150、防御 98、敏捷 87、魔力 93、知力 89、運 50 

 所有スキル:U聖剣召喚A S雷魔法A』

「おー、このスキルはドラゴンを討伐したこともある勇者が持っていたと言われるスキルではないか。おまけにステータスも桁違いに高く即実戦に投入しても問題ないかもしれんな。ヒロエ殿を姫様のところに案内するように」

 広江君の鑑定をしていいスキルを持っていたようで今までにない対応をしてきた。

 その後も鑑定を行っていくが代り映えしないスキル構成だったようで不機嫌な様子だった。


 『久賀 宏  HP 60、MP 96、攻撃 24、防御 18、敏捷 29、魔力 84、知力 79、運 38  

 所有スキル:R付与魔法P S火水風土適正P 】


 『前岡 翔 HP88、MP 61、攻撃 74、防御 61、敏捷 79、魔力 46、知力 51、運 54 

 所有スキル:S槍術P R氷属性適正P R敏捷上昇P』


 『福上 正道 HP 72、MP 120、攻撃 24、防御 18、敏捷 43、魔力 98、知力 87、運 38  

 所有スキル:R光魔法適正P N運上昇P R魔力2倍P』


 『谷里 松世 HP 89、MP 31、攻撃 89、防御 68、敏捷 98、魔力 43、知力 38、運 22 

 所有スキル:S短槍術P R多撃適正P R視野拡大P』


 『佐藤 ソルト  HP 53、MP 67、攻撃 34、防御 24、敏捷 67、魔力 41、知力 32、運 27

 所有スキル:R気配遮断A S短剣術P R罠解除A』


 『滑元 千珠  HP 49、MP 93、攻撃 21、防御 17、敏捷 31、魔力 84、知力 81、運 24 

 所有スキル:R光 聖魔法適正P S調理P』


 『荒城 英梨  HP 64、MP 82、攻撃 13、防御 22、敏捷 31、魔力 79、知力 83、運 41   

 所有スキル:S雷木魔法適正P N結界術P』


 『桃宮 唯  HP 62、MP 59、攻撃 34、防御 21、敏捷 79、魔力 71、知力 69、運 51 

 所有スキル:R弓P R風魔法適正P N命中強化P』


 『安堂 曜子 HP 190、MP 30、攻撃 190、防御 43、敏捷 60、魔力 16、知力 22、運 160  

 所有スキル:Rこん棒術P R身体強化P S狂化A U神運P』

「この者もそれなりではあるがバランスが悪く使いどころが限られるな。よしお前で最後だな。鏡の取っ手を持って放すでないぞ」


 『深井 獅琉   HP 8、MP 測定不可、攻撃 7、防御 6、敏捷 9、魔力 8、知力 8、運 4  

 所有スキル:N不快P 』

 僕のステータスが表示されているとさっき鑑定をした安堂さんがいきなり耳元で声を掛けてきた。

「なに、深井のステータス低すぎない? 」

 まさか声を掛けられると思っていなかったので思わず取手から手を放してしまった。

「何をしている。スキルの部分の鑑定が終わっていないのに離したので正確に確認できないではないか」


「どうしたのです。騒がしい」

 係員が怒鳴ったことでビキーニャ魔法大臣が声を掛けてきた。係員も大臣から声を掛けられたことで姿勢を正して返答する。

「はい、この者が鑑定の途中で手を放してしまい正しい鑑定が行えませんでした。おまけに最後の者だったこともあり鑑定鏡が無いため再鑑定を行うには3日かけて補充を行う必要があり困っている所です」

「分かっている範囲の結果を見せて頂戴」

 僕が使っていた鑑定鏡を魔法大臣が手に持って確認すると「ふっ、この者はスラムの子供にも劣るステータスである。スキルも大したものは持っておらぬだろう。再鑑定は必要ない」と吐き捨てた。


 魔法大臣の言葉に落ち込んでいると一段高い場所に居た金髪縦ロールの如何にもお姫様と言った感じの人が話し始めた。

「お前たちの力は確認させてもらった。過去の勇者と並ぶ実力者は居たが他は今後の訓練次第ということだと思う。鑑定結果についてはこれから係の者が説明するからしっかり聞いて我が国のために働く様に。ヒロエ殿はわらわと共に来てください」


 広江君は姫様と一緒に奥の部屋に入って行ったが僕たちは鑑定をした人とは別の係員が誘導したので付いて行く。

「それではお前たちが今から行うべきことだがその前に鑑定鏡の結果について説明していく」

 係の人の話を要約するとステータスは各項目に合わせた訓練を行う事で上げることは出来るがスキルを鍛えたり新たに身に付けたりするのが早道らしい。


 スキルにはランクがあり下からノーマル、レア、スペシャル、ユニークとなっておりアクティブは自分で意識して使用するものでパッシブは自動で作動する、もしくは常時発動している。

 スキルは使い続けることでランクが上がり効果も上がっていくらしい。

 新たにスキルを覚えるためにはオーブと呼ばれるものを壊して中に封じられている力を取り込む必要がある。


 オーブを手に入れるにはダンジョンで魔物を倒したり宝箱から見つけたりしないといけない。より強力なオーブは狂暴な魔物が住むような深いダンジョンの中で見つけないといけない。

 但しダンジョンには迷宮核というこのがありその核を破壊してしまうとダンジョンは機能を停止するらしいので有効な資源が採れるダンジョンの取り扱いは注意が必要だと言われた。


「それでは明日から訓練が行われるので食事を済ませ与えられた部屋で休むように」

 係員が食堂に連れて行き食事を摂ることになった。そこには騎士と思われる者たちも居て食事を摂っている。

 肉やパンやスープなどがありそれなりのボリュームは有ったが味付けが塩味だけだった。それでも食べておかないといけないと思い我慢して食べた。

 食べながらクラスの友達に話しかけたが何となく避けられているようだった。唯一生徒会長の春野さんだけは僕を励ましてくれた。少し離れた場所で安藤さんが騎士に取り囲まれ声を掛けられているのが見えた。



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