第1章 人という生き物は恐ろしい
学校生活は賑やか。茜がクラスメートを笑わせ、葵が影で観察。放課後、実家で待つ両親の笑顔に癒される日々。施設時代の回想が蘇る。茜は一人で泣く子を抱き、「誰も泣かせない」と誓った。人助けの原点だ。誰かを救うことで、見捨てられた自分の存在価値を確かめる。
葵の本音は深い。姉の情に共感しすぎる姿を見て、感情を抑えた。だが心底、姉を失うのが怖い。人を頼られると弱く、結局世話焼く。
「姉さん、無茶はしないで。感情じゃなく、結果よ」
茜は笑う。「葵の理性が必要だよ。一人じゃ無理!」
二人は手を繋ぎ、日常を歩む。茜の精神的な強さが、いざという時に光る。葵は震えを抑え、姉を支える。ある夜、茜のスマホに通知。SNSで闇を抱えた人の声が届く。
「依頼が来たみたい…」
葵が観察眼で確認。「28歳、殺人前科の女性。ニコチン依存だって」
茜の目が輝く。「放っておけないよ!」
夜の路地裏に煙草の煙が細く立ち上っていた。茜は葵の手を握り、SNSで届いた依頼の場所へ急ぐ。中学2年生の姉妹にとって、こんな時間に街を歩くのは日常の一部。月1万円の親資金で動く「闇助け副業」の初仕事だ。
「姉さん、本当にやるの? 殺人前科の28歳だよ。ニコチン依存で空き巣して住民殺した人」
葵の声は淡々だが、手が冷たい。茜は明るく笑って妹を引っ張る。
「大丈夫! 依頼主は元親友で、10万貸した金が心配なんだって。放っておけないよ。差し伸べる手があれば、救えない人なんていないんだから!」
角を曲がると、そこに片瀬夕凪がいた。薄い茶髪を高めのツインテールにまとめ、うねった触角みたいな毛先が夜風に揺れる。白Tシャツに紅茶色のオーバーオール、丸い細いメガネの奥は糸目。笑うと片方に八重歯が覗く。にこにこした優しげな表情だが、手にくすぶる煙草が激しく震えていた。
「あなたたちが…依頼の姉妹?」
夕凪の声は柔らか。茜は即座に手を差し出す。
「うん! しんどう茜と葵だよ。夕凪さんを助けに来た!」
葵は後ろで観察。指の黄ばみ、依存の深さ。保釈中で、社会は敵だ。
三人は近くの公園ベンチへ。夜風が煙を散らす。夕凪は新しい煙草に火をつけ、深く吸い込んだ。
「金がなくてさ。煙草買えなくて欲に負けたの。空き巣したら人がいて…殺しちゃった。返り血まみれで歩いて、通報されて捕まった」
夕凪のにこにこが突然歪む。よくわからないところで激怒が爆発しそう。茜の胸が痛む。自分も施設育ちの過去が重なる。
葵が冷静に提案。
「結果が全て。まずニコチンパッチとカウンセリング。保釈中の仕事探しも」
夕凪の糸目が吊り上がり、八重歯を剥く。
「ガキが何知ったかぶり! 簡単に抜けられるかよ! 手が震えて何もできないんだ!」
オーバーオールが乱れ、ツインテールが揺れる。激怒のスイッチが入った。茜が素早く抱きつく。
「夕凪さん、落ち着いて! 私たちも捨てられた痛み知ってる。煙草で埋めてる闇だよね?」
夕凪の手が止まり、メガネの奥に涙。
翌日、学校帰りに夕凪のボロアパートへ。葵が資金で禁煙グッズを買う。パッチ、ガム、アプリ。夕凪は渋々貼る。
「これで本当に…?」
「絶対抜けられるよ! 一緒にがんばろう」茜の明るい声が部屋を照らす。
夜中、電話。「吸いたい…震えが止まらない!」
姉妹が駆けつけると、夕凪は汗だくでうずくまる。触角毛が顔に張り付き、糸目が恐怖に歪む。
「出てけ! お前らなんかに救われる筋合いない!」激怒が爆発、枕を投げる。葵が震えるが、茜は離さない。
「一人じゃないよ。夜空見て。私みたいに星を探せば、光るんだ」
夕凪が崩れ落ち、殺人の罪悪感を吐露。「反射的に…許されないよね」。優しい心が仮面の下に。
数日後、症状ピーク。散歩中、煙草屋前で夕凪がキレる。
「もう無理! 買うよ!」
葵がブロック。「1日1本減らす。深呼吸よ」
夕凪が葵に掴みかかる。「結果? 双子でよかったな! 私は一人で殺人鬼だ!」
茜が夜空を見上げさせる。「星がつながってるよ。私たちもそう」
葵も声震わせ。「怖いけど…姉さんと結果出す。夕凪さんも一緒に」
変化の兆し。面接練習でコンビニバイト合格。煙草減り、にこにこが本物に。元親友に連絡、金返済約束。激怒が優しさに変わる。1週間後、公園で儀式。最後の煙草を捨てる夕凪。
「ありがとう…ガキども。抜け出せそう。罪は消えないけど、生き直す」
茜「誰も壊させない!」葵「結果出たね」
夜の電話。「また吸いそう…」姉妹が駆けつけ、過去共有。手が繋がれ、夕凪の闇に光が差す――
こんにちはぬっしーの林檎君5103です!恐らく不穏が多いのですが、良ければこれが初投稿なので次など、後に出るアカの小説読んでくれると幸いです!




