第066話 こういう時しか出来ない体験を
誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。
よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。
「なんでこんなにリアルな作りなの。怖すぎだよ。」
「お化け屋敷で言っちゃいけないクレームだろ、怖くしてるんだから。」
「ホラーゲームは本当に得意なんですよ!」
「ウガァーーーー!!!」
「キャーーーーー!!!」
和風なテイストの作りなのに、どうしてフランケンシュタインなのだろうか。
確かに声の大きさは人を驚かせるに足るかも知れないが、そっちが気になって集中できないだろ。
「今、何かいたよ!何あれ、やばい奴かな!」
俺の腕にしがみついているが、それだと何とは言わないが当たってるんだけど。
一応、男子高校生である身分なのでついつい気にしてしまうお年頃。
かと言って、突き放すような真似も出来ない。
後で怒ってくるような事があれば適当な理由でも考えておこう。
気付けば、教室と教室を繋ぐ廊下のゾーンまで来ていた。
まだ序盤だからか、あまり驚くような仕掛けも少なかったな。
後半から畳み掛けてくる事も考えて少し身構えておく事に。
「そんなことより腰抜けてないよな。」
「だ、大丈夫です。もっと怖い奴やったことあるので。」
「いつまでゲームの話引っ張ってるんだよ。怖い物があったとしても馬鹿にしないっての。」
最初に言われたルールでは、立ち止まってはいけないと説明していた。
そろそろ後続を来てしまうのではないだろうかと危惧して、歩き出そうとする。
すると、絶対にこの場には取り残されたくない凛がピッタリとくっついて歩く。
「後半分くらい余裕で攻略するから。」
「無理な時は言えよ。俺がサポートするから。」
「安心してよ、無理な時は最終手段として目と耳を塞いで歩くから。」
全く安心出来ない提案だな。
二人で入ったから良いけだ、一人だったらどうするつもりだったんだよ。
これから興味本位でお化け屋敷にチャレンジしてしまわないか心配だ。
「うーらーめーしーやー。」
「キャーーーー!!!」
二年生の思惑通りに叫んで怖がってくれる凛と、美少女に腕組みされながら平然とした顔でお化け役の生徒を見る俺。
何とも気まずい空間だけど、凛が怖さのあまり立ちすくんでしまっている。
背中を押して動かしたいけど、腕を封じられてるので仕方なく強引にあることに。
この先に進むのを抵抗してくるけど、なんやかんや足を進めてくれる。
「ほら、あそこが出口だぞ。」
咄嗟に見えた出口を指差してしまう。
その言葉を聞いて嬉しそうな顔をする凛だったが、出口に気を取られてたせいで、背後から来るお化け役の生徒に気付けなかった。
「次はお前だからな!!!」
「キャーーーー!!!」
最後の最後まで叫び続けてた凛。
それだけ叫び続けていたら喉が潰れてしまわないか心配だ。
驚きの余り飛び出して行ってしまった。
俺もこの場に残っている理由もないので、追いかける様にしてその場を後にする。
廊下へ出て見るとペタリと座り込んだ凛の姿が見えた。
相当に怖がっていたことがよく分かるな。
「お楽しみいただきありがとうございます!是非、お友達にもお勧めしてあげてくださいねー!」
どう見てもそれどころじゃないのに、宣伝の協力をお願いしてくる先輩。
その情熱は賞賛に値するけど、時と場合は選んで欲しい。
とりあえずこの場に居座ったら、後ろのお客さんと遭遇してしまう可能性がある。
それ自体が嫌という訳じゃないが、出口前に二人もいたら明らかに邪魔だろう。
座り込んだ凛に手を差し伸べて立ち上がらせて、次何をするか考える事に。
色々な案は上がったけど、結局は疲れたであろう凛の喉を癒すという名目で、飲食店を探すことにした。
本番前に声が枯れてしまったら大変だからな。
「本当にホラーゲーム得意だったのか?あの叫び方は得意と思えないけど。」
「実は・・・そんなに得意じゃなかったりするかもねー。アハハハー。」
「なんでそんな無茶したんだよ。俺に言ってくれれば、他のとこにしたのに。」
「陽太くんに楽しんで欲しかったから、柊さんに連絡してどれが良いか相談したの。」
そういう事だったのか。
どうりで俺の行きたい場所をピンポイントで選んで来た訳だ。
その気持ちはありがたいので、これ以上追求するのはやめておこう。
「そうか。お化け屋敷選んでくれたおかげですごい楽しめた。」
「本当!?なら良かったー!」
「それで、三年の飲食はどこへ行くんだ?」
「絢音ちゃんとはどこへ行ったのか、一応聞いても良い?」
気を遣わなくて良いと言いたい所だけど、本人が被らないようにしてくれるのだから否定も出来ない。
「動物カフェに行って来たぞ。結構、人懐っこい子が多くて楽しかったな。」
「ふむふむ。それならば、行く場所は決まったも同然。」
自信満々で先頭を歩き始めた。
何となくだけど場所が分かってしまうのは、ここまで一緒に過ごして来た期間から来るものだろうか。
先程のお化け屋敷の時とは違って明らかに元気を取り戻している。
相当行ってみたかったんだろうな。
「着いたよ!ここ!メイド喫茶!」
はい、予測通りでした。
ゲームのキャラでも、メイド服着てる子が可愛いって言っていたのを前に聞いた事があったので、ここへ来るのは簡単に読める。
俺も興味がないと言えば嘘になるけど、まさか本当に来る事になるとは。
真とかではなく、凛と一緒に来れたのは運が良いのかもしれない。
女性と一緒に行く方が多少周りの目も気にしないで済む。
「おかえりなさいませ、ご主人様。」
なんか先輩である人達に、この接客をして貰うのはいくら客の立場であるからと言って背徳感があるな。
「ボーッとしてないで席に座ろうよ。」
「そうだな。余りにも普段見れない特殊な光景過ぎて。」
「やっぱり陽太くんもこう言うの好きだったりするの?可愛いもんねメイド服。」
「好きかどうかで聞かれれば反応に困るけど、悪くないな。」
自分でも分かるほどに気持ち悪い受け答えをしたなと反省する。
しかし、これが本音なのだから仕方ない。
メイド服を着た女子が可愛くないはずがないだろう。
それは凛も同感だったらしく、うんうんと頷きながら肯定してくれる。
「黒と白を基調とした落ち着きのある色合いにフリフリのスカートやリボンがあしらわれているのが完璧だよ。それに来てる人もみんな顔面強いし、ここ天国かなって感じ。」
「ここにいる人全員の心を代弁するような感想ありがとう。とりあえず、メニュー決めようぜ。」
覚悟を決めてメニュー表を開くが、メイド喫茶初心者の俺にとってはハードルの高いメニュー名ばかり。
これを口に出して注文しないといけないのかと思うと、顔から火が出そうだ。
「陽太くん、注文決まった?」
「一応決まったけど。」
「なら、店員さん呼ぶね。」
そう言って、机に備え付けられたベルを鳴らした。
俺は口の外まで待ってくれという言葉が出かけたが、鳴らしてしまった以上、店員は来てしまうだらうな。
こんな事で覚悟が出来ていないとか言い出すのもダサいと思うので、メニュー表を眺めながら心の中で練習しておく。
「お待たせしましたご主人様。ご注文お伺いしてもよろしいですか?」
心の中だけで、深く深呼吸をして意を決し、注文を始めるのだった。
ご覧いただきありがとうございました!
宜しければブックマーク、いいねお願いいたします。
毎日22時から23時半投稿予定!




