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そのお悩み、”恋愛支援部”が解決します  作者: 風野唄


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第041話 女子同士の自己紹介、邪魔するべからず

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

テスト二日目。

今日、明日と学校へ行けば魔のテスト期間も終わりだ。

他の事が頭にあって昨日は勉強に集中出来なかったが、今まで頑張った貯金でどうにかなると信じたい。

それに学校に来てからも少しだけ勉強の時間があるので、問題はないだろう。


席に着くなり、鞄から勉強道具を取り出して広げる。

昨日の分までここで取り返さなければならない。

その為に一秒でも長く単語と睨めっこをしている時間を作ろう。


「おはよう!」


「お前はいつも元気そうだな。昨日の帰りのテンションはどうした。」


「嫌な事は寝たら忘れるタイプだからな俺は。」


「テストのことは忘れたらダメだろ。」


どれだけ無かったことにしようとも結果が残る。

それに昨日のことは忘れても、今日のテストで赤点を取れば昨日と同じ結末を辿ることになるぞ。

本人はそのことを分かっているのかいないのか。


「それにしても今日の陽太は、いつにも増して疲れたって顔してるな。」


「俺にも色々あんだよ。」


「このテスト期間中に?」


「だから、大変なんだろ。」


「まぁ、よく分かんないけどお前なら自分でなんとかするか。」


どうやら、俺の自己解決能力の高さを評価しているようだが、生憎そんなものはない。

まして、華の抱える大きな問題をどうにか出来るとは思えない。

思えないが、一緒に背負ってやる事は出来る。

昨日固まった決意。

それを胸の奥で確認しながら、教科書を眺めた。


「何かあったらいつでも相談に乗るからな。」


「ありがとう。でも、今は問題ない。というより、自分のテストの点数を心配してくれ。」


「うっ、ダメだ。思い出してしまった。」


頭を抑えてフラフラしながら、勉強に戻る真。

嫌な事を思い出した時の反動が大き過ぎるだろ。

寝て忘れるのは二度とやらない方が良い。


チャイムが鳴る。

テストの時間がやって来たのだ。

最後の十分間だけは、テスト範囲の勉強に集中出来た。

付け焼き刃かも知れないが今はこれで戦うしかない。


前から配られる解答用紙と問題。

現代文だから、他のテストよりも文章が多い。

ほとんどは教科書から抜粋された物語なので、問題量で考えると他の教科より少ないくらいだ。


文章を読んでから解くようにと促されるが、俺は面倒くさがって問題を見て文章から探す。

結局どちらの方が効率が良いのかは未だに分からない。


◇◆◇


「そこまで。これ以上はシャーペンを持たないでね。」


終わった。

結局、終了時間の十分前には解答が終わっていた。

見直しをする時間もあったけど、自分が合ってると思って書いた解答から間違いを見つけるのは難しい。


その後も順調にテストは進んでいく。

そして、気付けば今日のテストは終わっていた。

個人的には、スラスラと解けていたからなのか今日のテストは苦に感じなかったな。


「陽太ー!飯行こうぜー!」


「昨日と違って元気だな。」


「得意教科のオンパレードだったからな!この教科は絶対に赤点取る事ないぜ!」


驚いた。

真にも得意教科というものが存在していたとは。

てっきり全教科苦手なのかと。

勝手にそう思っていたことを心の中で謝っておく。

普段、真が勉強していたら見せないような表情であることからも相当自信があるのだろう。


「あのー、ウチも一緒にご飯行きたいです。」


「もちろん!大歓迎だよ!」


「それなら華ちゃんにも連絡して良いですか?せっかくだし。」


「おっ、良いね。なら、俺も風香呼ぼうかなー。」


お前らは友達が多そうで羨ましい。

俺にはこの状況で呼べる友達がいないからな。


「じゃあ、出発!」


どこへ行くのかも聞かされないまま学校を出た。

歩いている道的には駅の方向だな。

駅近くとなると飲食店は多いから候補を絞ることは出来ない。

昨日は麺類を昼に食べたので、せっかくなら丼物とかガッツリした食事を希望したいところ。

とはいえ、俺に主体性はなく先頭を歩く真の跡を追うことしか出来ない。


「おーい真!待ってたわよ!」


「私もいるよ。」


物部と神崎がファミレスの前で待っていた。

どうやら目的地はこのファミレスらしい。

大勢いるなら選択肢の多いファミレスが何かと都合が良いか。

海鮮丼とかあるし、それにしようかな。


凛が誘ったはずの華はどうやらここにいないらしい。

やっぱり今は人に会えるような状況ではないのだろうか。


「おーい、ごめん遅れた!」


後から駆け足でやって来たのは華だった。

凛は遅れていることに心配していたのか、すぐに華の近くへ駆け寄る。

恐らくこれで全員揃ったようだし中に入るか。


俺は最後尾を陣取って全員が中に入るのを確認する。

別に何か意味がある訳ではないが、何をするにも後ろから見ている方が好きだからな。


俺の前にいる華。

前を気にしながら俺に一言声を掛ける。


「あの事、本当に心配とかいらないから。何かあってもアタシの力で捩じ伏せてやるっての。」


「そんな心配してねぇーよ。」


「嘘だ。だって、顔に出過ぎだし。」


そんなに顔に出るタイプかな。

いや、華が俺に迷惑を掛けていると思い込んでいるからそう見えるだけのこと。

実際に心配はしているが、本人の前ではそれを見せないよう細心の注意を払っている。

何故なら、本人が一番それを望んでいないから。


「自慢じゃないが、俺は拳しで戦うのが得意ではない。だから、怪我するようなことから逃げるから大丈夫だ。」


「それ思いっきり首突っ込もうとしてるし。」


「まぁ、一人で背負うな。助けてやりたいと思う人間が周りにはいるって事だ。」


「・・・分かってるって。痛いほど。」


これ以上遅れてしまったら、他の人が心配で戻ってくるかも知れない。

みんなが先に座った席を探すことに。

少しすると端に陣取る学生達が見えた。


「さぁ、みんな揃ったね。何食べようか決めよう。」


「ちょっと待ちなさいよ真。こっちは二人と初対面なんだから自己紹介くらいさせなさいよ。」


「そうだよね。二人とこれからも仲良くしていきたいし、最初の自己紹介は大事だよ。」


俺と真は蚊帳の外で、女子同士の自己紹介が始まった。

何というか女子同士だとどうしてこうも絵面が華やかになるのだろう。

俺や真が混じった瞬間、それも一気に消えていくのに。


自己紹介が終わったらしく、自動的にメニューから注文を決め始めた四人。

楽しそうなのは非常に良い事だが、俺と真の存在を完全に忘れていないだろうな。


「完全に空気だな俺達。」


「こういうのは気付かないのが一番だぞ。」


「お前なんか慣れてないか?」


中学の時は、班が出来ても必ず俺は無視されていたからな。

腫れ物扱いされていないだけマシだと思う事にした。

さて、女子がメニューを決め終わるまでに俺も注文を決めておこう。


「おい、メニュー二個しかないんだから俺にも見せろよ。」


「何が悲しくてお前と仲良くメニュー見ないといけないんだよ。俺が決めるの待て。」


「そんな事でケチケチすんなって。」


結局、二人で見る事になったが、見ている途中で勝手に次のページを捲られてを繰り返した。

最初から丼物にしようと決めていたから良かったものを。


ちなみに俺のメニューは海鮮丼ではなく、天丼に変わった。

だって、あまりにもメニューの写真が美味しそうだったので仕方ない。

ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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