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そのお悩み、”恋愛支援部”が解決します  作者: 風野唄


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第021話 休みの日は外に出たくない

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

いつもは俺を起こしてくれる目覚ましが今日は鳴らなかった。

しかし、焦りは一切生まれない。


優雅にベッドから起き、自室のカーテンを開ける。

今日は土曜日。

平日の日差しは敵に思えるが、休日の日差しはどうしてこうも俺の心を豊かにするのだろうか。


携帯の時間を確認すると時刻は午前十時を少し過ぎたくらい。

ここから何をするか考える所から始まるが、まだ寝起きで脳が寝ぼけて思考が上手くまとまらない。

とりあえず、朝食を食べに階段を降りると両親の姿は見えなかった。

多分、仕事にでも出かけたのだろう。

土曜日も出勤なんてお疲れ様です。

そのおかげでこんなに大きく成長しました。


玄関に向かって深く一礼しておこう。


リビングに入ると人の影が。

見ると彼女も予め用意されていた朝食を持って、食卓に着く間際だった。

一度に全部運びたいからといって、食パンを咥えながら歩くのはやめていただきたいけど。


「あ、おはよー。」


「妹よ。さっきのは少しばかり行儀が悪いからやめなさい。」


「はぁーい。やめるからキッチンから飲み物取ってきてくれない?」


妹の梨乃は、中学三年。

そろそろ反抗期が来ていてもおかしくないが、家族と普通に会話もしている。

ちょっと生意気な部分もあるけどな。


キッチンに行き、一リットルのカフェオレを取り出す。

俺は緑茶かコーヒーが飲みたかったが、両手が塞がってしまうので同じカフェオレを飲むことに。

惣菜パンを手に取って食卓へ向かう。


「はい、カフェオレ。」


「ありがとう〜!流石、頼れるお兄ちゃんだね!」


「都合の良い時だけ褒めるのやめろ。次も持ってきちゃうだろ。」


「私はお兄ちゃんの未来が心配だよ。美人局の被害に遭わないでね?」


ふっ、俺を誰だと思っている。

佐倉陽太の十ヶ条その一[他人を簡単に信じるな]があるからな。

美人局ぐらいどうって事ない。


それに俺の周りは顔面偏差値高めだからな。

目が必要以上に肥えてしまっている。


「全く話変わるんだけどさ。」


「なんでそんなに切り替え良いんだよ。」


「いきなり褒めないでよ恥ずかしい。」


恥ずかしいと言いながら両手で顔を覆う。

家族とか抜きにしても可愛いさを感じられんな。

今度星海を呼んで本物の照れを見せてやろうかと思うくらいだ。


「でさ、駅の中にさ本屋があるじゃん。」


「近くの本屋はあそこくらいだから知ってるけど。それがどうかしたのか。」


「いや〜。何でもないよ。」


そんなはずないだろ。

絶対何か要件がある時の話し方だ。

本屋は近くにあるとはいえ、結局外に出ないといけない。

休みの日に外へ出るのは学校がある時の十倍は足取りが重いから面倒だ。


「なになに、プラチナハイの写真集発売してだってぇー!」


携帯を取り出して、わざわざ独り言の体で驚いて見せる。

完全に棒読みなのがちょっと憎たらしい。


プラチナハイというのは妹が好きなアイドルグループで、中高生の中でかなりの話題になっている。

発売日に合わせて在庫を多く抱えているだろうけど、昼頃に完売するくらいには人気だ。


つまり、買いに行ってくれないかと遠回しに行ってるのかコイツは。


「誰かたまたま買いに行ってくれないかな。」


チラチラと俺と携帯を交互に見る。

こうなったら、分かったというまで一日中言われてしまう。

癒しの休みをそんなことで邪魔されたくないので、仕方なく折れるしかない。


けれど、ただで折れる訳にもいかない。

こうなれば道連れにしてやるまでだ。


「着替えろ梨乃。お兄ちゃんが貴重な一日でお前とデートしてやるから。」


「えぇー、それじゃ意味ないじゃん。しかも、お兄ちゃんのデートって絶対つまらないよ。」


「やめてくれ。それを言われると俺に多大なるダメージを与えるからやめてくれ。」


「うわぁ、可哀想に思えて来たからこの私がお兄ちゃんにデートの極意を伝授してあげる。」


「デートしたことあんのかよ。」


「・・・こんなことしてあげるのお兄ちゃんにだけなんだから。」


誰の影響でそんなことを覚えた。

あざといにも程があるだろ。

血縁者じゃなければ、クラッと一発ノックアウトだったな。


「アホなこと言ってないでさっさとしろ。タイムイズマネーだ。」


「照れてる癖に〜。」


最後の最後まで余計な事を言って着替えに向かった。

ここから準備が終わるまでに掛かるのは大体一時間くらい。

外に出るからしっかりメイクして、服も選べば時間が掛かるのは仕方ないか。

むしろ、容姿に気にするのは良い事だと捉えよう。


「このまま無かったことにならないかなー。」


「ざんねーん。もう着替え終わりました。」


くるりと回ってアピールする。

着替え終わったならさっさと駅に向かうか。

ソファーから立ち上がって移動しようとすると肩を掴まれる。


「何か言うことあるでしょ!お兄ちゃんの為にわざわざ化粧までして出掛けるんだから!」


「梨乃が写真集買うからだろ。」


「あ、そうでした。」


玄関を開けたのは、十一時半。

出発が昼前になってしまったのは大きな誤算だ。

パッと行って昼飯前には変えるつもりだったのに。


駅に着くまで永遠に、デート論や俺に彼女が出来るか心配だと言う話を聞かされた。

梨乃が困ることなど一切無いから良いだろと言うと、佐倉家が途絶えてしまうでしょと言われて何も反論出来なかった。


「本当私がいないとダメなんだから。しっかりしたよね。」


「はいはい、いつもありがとうな。」


「なんか適当なんですけど。」


また小言が始まりそうなタイミングで電話がなる。

たまに真から電話が来る時があるけど、どうやら違うみたいだ。

通知には連絡先に登録してある星海と表示されていた。


俺も星海からの電話に驚いたが、梨乃の方がより一層驚いてる様子。

横で何か言われても面倒なので、少し距離を取ってから電話に出るか。


「もしもし。」


『あ、星海ですけど。今お時間大丈夫ですか?』


「大丈夫だけど、どうした?」


『華さんと遊んでるので、佐倉さんもと思い、お誘いの電話を。』


「あー、今か。」


チラッと梨乃の方を見ると俺の横に来て盗み聞きしてやがった。

そして、パッと電話を取りやがった。


「もしもし、佐倉陽太の妹の梨乃でーす!お兄ちゃんのお友達ですか!」


『え、あ、はい!』


「わぁー!しかも、女の人だ!今から連れて行きますので、場所教えていただけますか?」


『駅近くのファミレスに居ます。』


好き勝手やってる妹から携帯を奪い返して、星海に謝罪しておく。

人の電話勝手に奪っておいて、返事までする奴がいるか。


とは言え、どちらを優先すべきか迷っていたので、星海達を優先して良いと許可が出たのは有難い。

梨乃は一人で買い物して帰るだろう。


駅近くのファミレスへ向かおうとすると、後ろから付いて来る。


「本屋、こっちの道じゃないよな?」


「何言ってるのお兄ちゃん?もちろん、私も行くに決まってるじゃん!ぜーーたい面白そうだし。」


ただでさえ電話の時点で困惑を生み出していた。

それなのに直接会えばより迷惑が掛かる。

どうにかして会わせないようにしたいが、一応先に予定を入れたのは梨乃なので連れて行くしかない。


どうか妹が大人しくしてくれますようにと神に祈った。

ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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