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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
■第二部 マクニール魔法学院四年生

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学生交流会の日

 さあ、とうとう学生交流会の日~!

 動き回ると暑いし邪魔になるので、メアリーに長い髪をポニーテールに結ってもらう。お団子に結い上げる子もいるけれど、それだとちょっと成人女性っぽいので、ポニーテール。

 ちなみに去年は、三つ編みのお下げにしてみた。なんかね……私はあんまり似合わなかったねー。

 そうそう、女子はこの日ばかりはパンツスタイルだ。

 乗馬のときもパンツスタイルになるけれど、それ以外では着ることがないので、すごく嬉しい。やっぱ、こっちの方が動きやすいもんねぇ。

 もうちょっと、普段でも着れるようになるといいんだけど。

 寮の玄関でリックと合流する。

 学院内では、基本的に護衛のリックと一緒に行動だ。

 休みの日に学院の外へ出るときだけ、テッドを呼び出している。ずっとリックを拘束するのは申し訳ないので。

 でも、この世界の護衛の子たちは、年に数日の休みしかない生活でも、普通と思っているみたい。ブラックだわぁ……。

「お。今日は髪を上げたのか」

「うん。カワイイ?」

 リックが片眉を上げ、「……普通?」と真顔で言う。私は彼のお腹に肘を打ち込んだ。

「いてーな。正直な感想じゃん」

「そこは、ウソでもカワイイというのが正解なの!そんなだから、リックはモテないんだよ」

 テッドなら、カワイイって言ってくれるのに。しかも、ちゃんと心から。

 リックが鼻で笑う。

「俺の魅力は、そういうチャラいところじゃないから」

「ほほう」

 言うねー。

 まあでも、リックは常に成績は上位10位以内に入っていて優秀だ。真面目で努力家で、実際のところ、学院の女子からは熱い眼差しで見られることが多い。

 私の護衛ということで、安易に声を掛けてくる子はいないけれど、ちょこちょこプレゼントはもらっているみたい。

 そういえばリックって……どういう子が好みなんだろう。気になるなぁ。


 交流会は、現地集合だ。

 学院から離れているので、みんな、馬車で行く。平民や下位貴族用には、学院で大きな乗合馬車を何台も用意している。

 しかし、私やアルのような高位貴族は別ルートだ。

 別ルート……つまり、転移。

 馬車だとかなり朝早くから出発しなくちゃいけないけれど、転移は一瞬で済む。おかげで他の人たちと違って朝の支度ものんびりだ。

 今日はすっかり人気のない学院を、転移陣のある建物へ向かっていたら……アルと会った。

「おはよう、アリー」

「おはよう、アル!」

「可愛いね、その髪型」

「えっっっ、あ、ありがとう」

 うっ、不意打ち!

 急にその蕩けるような優しい笑顔を向けるのはヤメて~。

 赤くなった頬を見られないよう、あわてて顔を横に向けたら……アルの護衛のウィル―――ウィリアムと目が合った。

「おはようございます、アリッサさま」

 うわーん、ウィルがニヤけた顔をしている。そんなに私、赤くなってるかなぁ?!

「と、ところでアル!」

 私は誤魔化すように大きな声を出した。

「今、忙しいの?ウルリッヒさまたちと、交流会の相談とか、全然できなかったけど」

「ああ……うん、ごめん。何度か、城へ行っていたから」

 あれ?ウルリッヒたちと顔を合わせたくないからじゃなく、本当に忙しかったの?

「兄上が西のアシュベリー領へ行くと言い出して、兄上ではなく僕が行けるよう手配していた」

「アシュベリー領へ行くの?!」

 何のために……という私の言葉にしない問いを理解して、アルは難しい顔になった。

「このところ、アシュベリー領で災害がよく起きているだろう?今年は春華祭が終わったのに雪解けしていない地域があるらしい。ということで、何が起きているのか、調べに行くんだ」

「雪解けをしていない……?」

 それは、確かに変かも。

 春華祭で祈りを捧げれば、冬が終わって春が来る。比喩的な意味ではなく、魔法の力で完全に切り替わるのだ。

 それが起きていないというのは、何か問題が起きているからだ。

 そっか……。

 これは調べに行かないとね。そのままにはしておけない。

 でも。

「それって、マーカス殿下やアルじゃないとダメなの?」

「兄上が張り切っているから、兄上を行かせないために僕が行くって感じかな」

「なるほど」

 マーカス殿下は学院を卒業し、今年から陛下の執務補佐をしている。

 まだ始めたばかりなのに、バリバリ仕事をしているとか。

「大変だね……」

「まあね。でも、兄上がやる気に満ちているから。これくらいは協力しないと」

「そっかぁ」

 なんだかんだ言いながら、アルもマーカス殿下の手伝いはイヤじゃないのかな。うれしそうな顔をしている。

 ……アシュベリー領かぁ。

 私も行ってみたいなぁ。観光のために行くんじゃないのは、わかってるけどね。

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! 新たな問題(厄介事)の前触れかな?! それよりも今は交流会を無事に終わらせる事も大事なんだよな〜 初参加な異国の2人が、おとなしくしていてくれたら多分無事に終わるのだろ…
感想一覧
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