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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
■第二部 マクニール魔法学院四年生

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新学期始まってすぐのイベント

 新学年が始まってすぐに、全学生参加の野外イベントがある。

 前世のオリエンテーリングみたいな……宝探しゲームのような、そんなイベントだ。学生交流会という名のそのイベントは、王都の北にある森で、丸一日かけて行われる。

 教師によって学年に関係なくランダムに5、6人のチームに分けられ、地図を頼りにチェックポイントを回ったり、魔物を倒したりしてポイントを稼ぐ。そして、一番ポイントの高かったチームが表彰されるというものだ。結構、みんな楽しみにしている。

 このイベントは学生の交流が目的なので、基本的にチームは各学年から一人ずつで構成されることが多い。

 けれど。

 今年の私のチームは、明らかに先生たちの"忖度"の色が見えた。

 私、アル、ウルリッヒ、ベルティルデ、そしてリックというメンバーだったのだ。帝国の皇族を、一般生徒と組ませるのは怖かったらしい……。

「うーわー、なんだこの編成。俺、交流会は休みたい……」

「休めるなら私だって休みたいよ。……リック、当日は熱を出しても連れて行くからね!」

「横暴~!」

 入口ホールに貼り出されたチーム表を見ながら、私とリックがそんな会話をしていたら、後ろから声が掛かった。

「公爵家の力を使って、こんなチームを組むなんて卑怯だわ」

「グレタさま……」

 出たな、パーセル侯爵令嬢グレタ。

 入学当初から、私を目の敵にしているクラスメートだ。今日も取り巻き3人を後ろに連れて、ふんぞり返っている。

 彼女のお父さまは行政大臣で、とても感じの良い方なんだけど……グレタさまはほんと、トゲトゲしてるのよねー。

「どうせ信じないと思いますけど。私は何もしていませんから」

「そうね。ちょっと呟くだけで、あなたの忠実なお供が勝手に手配してくれるのでしょうから」

 リックがわざと大きな溜め息をついて、私の背を軽く押した。

「お嬢さま。午後の授業が始まります。行きましょう」

「ええ、そうね」

 彼女と話をしても時間のムダということは、この数年で痛いほど実感している。

 リックの勧めに、私は素直に従った―――。


「ずるいですわ、アリッサ。アルフレッド殿下と一緒の組なんて!わたくしはもう最後だから、今年こそはアリッサに勝とうと思っていましたのに~」

 放課後、ディからお茶に誘われたので、部屋へ行ったら開口一番に文句を言われた。私は口を尖らせて、反論する。

「そんなの!私の方が不本意だよ。私はアルに勝ちたかったんだからね。アルと一緒の組じゃ、どうしようもないじゃん」

「……まあ…………そうですわね、アルフレッド殿下は負けさせたいですわね。一度、ぎゃふんと言わせてみたいですわ」

 いやいや、アルは負けてもぎゃふんなんて言わないでしょ。言わせてみたいけど。

 ―――交流会では、アルが入ったチームが毎年優勝していた。

 だから、"打倒アル"を目標にしている学生は多いし、反対にアルと組みたいと思っている学生も多い。

 ちなみに私は、打倒アル派だ。

 だって、魔法の腕は私が学院一。チェックポイントをちゃんと回って、魔物をバンバン倒せば、優勝なんて簡単なはずなのに……なかなか思うようにはいかないのよね……。

 チェックポイントは、先生たちが工夫した謎を解かないとスタンプが押せなかったり、魔物は学生でも簡単に倒せる小物とはいえ、小物だからこそ逃げ足が速くて追いかけ回さないとダメだったり。

 簡単にはポイントが稼げない。だから、みんな毎年、チームが決まるとあれこれ作戦会議をしたりして、交流会を楽しみに待つのだ。

 さて……今年はどうなるかなぁ……。ウルリッヒたちと作戦会議……するかなぁ?

「そうそう!」

 ディが手を合わせた。

「エリオットが、とても張り切っていますわ。あなたたちに勝てば、学院一が証明されたようなものですし」

「そう?エルマーさまも油断できないよ?」

 エルマーさまは、アルと同学年の男子。打倒アルに燃えている。

「確かに。あの方、休暇のときは魔物狩りへ行っているそうよ。……はー、こうなると、帝国のお二人が、あなたたちの足を引っ張ることを祈るばかりですわねぇ」

「いやー、ヤメて。普通に、一緒に行動するだけで揉めそうなんだから!」

 なんてこと言うの、ディ!

 ウルリッヒとアルは……何かっていうと、張り合うんだもんー。本当に足の引っ張り合いになりそう~。

 でも、いつも平然としているアルが、ウルリッヒにだけは対抗心を燃やしていて、それが年相応の少年っぽくて……実は私、イヤではないんだけどね。

 ナイショだけど!

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! あれかな?先生たちも毎年苦労してたんだろう! 簡単すぎても駄目だし、難しすぎてもね〜 アリッサ様が何か言うわけないけど、生徒の中には先生たちに圧力(親の)とかしたりしてヒ…
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