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異能力犯罪対策課  作者: みるく苺
第1章 汚れた魂と煙の異端児
14/23

空を裂く咆哮

聡 「生前」 38歳

能力 降霊術師

転移先 洋館

ジャンル ホラーアクション

身長171cm

体重65kg


ホラーアクションの世界において第一線で活躍し続けたトッププレイヤー。

夜魅、美夜、寧庵とパーティを組んで、洋館の攻略にあたるが、嫉妬に狂い裏切った、美夜の手によって殺された。

正確にはソウルイーターで、貫かれる前に、美夜が隠し持っていた短刀によって殺され、魂を抜かれて汚された。

その後現代にて、りんねの魂と無理矢理融合させられていた。


異能力 降霊術師

ホラーファンタジーの世界においての幽霊には、一つ一つに特性や能力が備わっているため、

それを自分の身に宿し、制御することによって様々な能力を行使することができた。

また、その特性故に、その身に宿した幽霊エネミーの魂を生贄に、

ソウルを食らうイーターを操っていた。

戦闘能力で言えば、ホラーファンタジー最強といえる。

春人が寧庵の元へ駆けつけた、ちょうどその頃



黒川は腹部の痛みに必死に耐えながら、暗幕の奥へと足を踏み入れた、

(聡さんは、りんねちゃんは…)

必死の思いで、暗幕を潜るとそこには、

焦点の定まらぬ瞳で、ボーッとしている少女、 りんね と、その辺りを飛び回る、光り輝く球体だった、


「良かった、上手くいったのね。」

そう呟くと、黒川は膝から崩れ落ちる。

その姿を見てか、感じてか、光り輝く球体《聡の魂》は黒川の周りを、オロオロとした様子で飛ぶ、


「大丈夫、大丈夫よ、聡さん」

そう言うと、這うような姿勢で、りんねの方へ進む、


ボーッとしていた、りんねだが、黒川の様子を見やると、ベッドから立ち上がろうとし、

そのまま床に倒れた、

「りんねちゃん?りんねちゃん!」

「………あ……た………」


黒川の呼びかけに対して、言葉にならないうめき声をあげる、りんね。

しかし、どこか怪我をしている様子も無く、

まるで、足と声、それが最初から無かったかのような…

(寧庵さんが言っていたのは、こういうことなのね、

でもこれじゃああまりにも、)


美夜の件で枯れ果てたはずの涙が、どうしようもなく溢れてくる。

足も動かず、声も出せない、それでも必死で、りんねは黒川の元へと這いよると、

そっと頭を撫でた。

りんねは未だに焦点の定まらぬ瞳ながら、それでも黒川の頭を撫でるのを止めない。


その姿に心震わせるのは、何も黒川だけではない、

彼女等の周りで飛び回る、輝く球体、

聡もこの光景に心震わせていた



(私はすべて覚えている、

私が美夜さんに、ソウルイーターを突きつけられる直前、魂だけを抜き取られ

現代へ返ってきても、見知らぬ少女へ迷惑をかけ、

私は尻拭い一つも満足に出来ない)

そう、どれだけ願おうと、魂のみとなったこの身では、戦うどころか、かつての仲間を慰めることさえ出来ない。


そこへ暗幕の外から寧庵が駆け込んでくる、

「皆の方、無事か?

春人殿が、美夜殿を封じて下さった。

今のうちに避難を!」


そう言うやいなや、寧庵はその体躯を活かし、黒川とりんねを担ぎあげる、

が、その直後、轟音が響き渡り、建物ごと耐え難い揺れに襲われる。


その拍子に黒川とりんねが部屋の隅へ弾き飛ばされる。


(私は、私は、

かつての仲間が争いあう、この場所でなんて無力なんだ。)

自分をこんな目に合わせたのは美夜、なれど、憎むことなど出来ない

(全ては、未熟な私のせい!

ここで、この状況で何も出来ずして、何が男か!!)


転生前の聡は、どちらかと言うと大人しい男だった、

しかし、数多の戦場を越え、数多の屍を越えて、

強くなった。

つもりだった。

(ここで、今この瞬間で何も出来ないなら、

私は…死んだ方がマシだ!!!)


今、聡の脳裏に浮かぶ行為、

それを実行に移したところで何かが変わるとは限らない。

むしろ変わらない可能性の方が遥かに高い、

しかし、彼はじっとしていることが出来なかった、

光り輝く球体さとしは、思いの向くまま、

ベッドで横たわる犬の亡骸へと飛び込んだ。






(痛い、苦しい、まるで体の全てを、魂の全てを無理矢理押しつぶされて…

でも、彼女達の痛みはこんなものではない…

情けなかった私を、ただの男であった私を、

リーダーと呼んでくれ、支えてくれた仲間達のために、

私を漢にしてくれた、仲間達のために、

私は!!

負けられないッッッッ!!!)


その直後、聡の入った犬の亡骸は、そのやせ細った体をみるみる、太く、大きく成長させる。

元々色あせた茶色の体毛は、陽の光さえ通すような滑らかな純白に、

握れば折れるような四肢は、丸太のように強靭に、

おおよそ、小型犬のようにしか見えなかった体躯を獅子のように強大に、

そして、顔付きは正しく、

全てを捨て、全てを包み込む、孤高の狼のように、

そんな気高き獣に姿を変えた、


「ま、まさか、犬の器に魂を定着させるのではなく、己の魂に合わせ、体を作り変えるとは…

聡殿、貴殿はどれほどまでに…」


いくつもの涙が流れた、

何度も後悔した、

最早、誰を責めていいのかすら分からなくなった、

でも、今、その全てを断ち切るが如く、

気高き獣の、悲しき獣の、雄叫びが



空を裂く

「ウゥオオォォォォンンン!!!」

聡 「転生」 全長190cm 体重130kg


犬の亡骸へ魂を移した聡だが、

その覚悟故か、本来肉体の器に収まるべく、

人間としての記憶や感情を削がれるはずが、

自分の魂に合わせるように肉体を改変した。


まどろっこしく説明したが要するに、純白の毛並みを持ったデカい狼。

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