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第三話 鍵っ子世にはびこらず

《鍵っ子》

・留守番を預かる子供が自宅の鍵を持って外出する意

・エロゲーメーカーであるkeyのゲームをこよなくあい愛するユーザーの愛称。ただしrewriteの神戸小鳥編と、カノンの前作であるoneを加えない傾向がある


(民明書房刊 ギャルゲーとエロゲーの境界線 より)

気持ちの良い快晴の朝である。

だが僕は台所から漂う甘ったるい匂いに起こされた。


今日は日曜日なので昼まで寝る予定だったのに、今は朝七時半...


「ここは二階なのに、台所で何を作ってるんだよ...」


一階の居間には蘭子だけがいた。



「あら?お早う大悟君ずいぶん早起きね。」


休みの日だってのに蘭子は制服姿だ。



「蘭子こそ早起きじゃん。ところで母さんと父さんは?」


「ご両親ならデートに行ったわよ。出来の悪い息子に絶望して弟か妹でも作りに行ったのかしら?」


こいつ日に日に下品になっていく気がするのは気のせいか?



「それに僕は早起きじゃないわよ。」


今日は僕っ子なのか。

僕は最近、蘭子が二重人格か何かかと真剣に疑いはじめたよ。


「七時半で早起きじゃないって、普段は何時起きだよ...」


「愚問ね!私目覚めたのは朝の八時よ!」



いやいや意味判らないから、今は七時半だから。

お前は今寝てるんかい。


「誰が今日の八時と言いましたか?昨日の朝八時に決まってるじゃない。

何だか今日は空でも飛べそうよ。何だか大悟君がハンサムに見えるから襲っちゃおうかしら。もうゴールインしてもいいよね!」


徹夜かよ!

しかも相当なナチュラルハイ状態だ!

さらにゴールイン違う!


貞操の危機を警戒しつつ、僕は甘ったるい匂いの原因を蘭子にきいた。



「よくぞ聞いてくれました!僕はさっきまで遊んでたairに感動して、作中に登場したドロリ濃厚ピーチ味を再現したくなったのさ!」


それを聞いた僕は、鍋で煮詰まってあるピンクの何かを覗いた。



「...なに...これ...」


「材料はピーチ味のネクターよ!」


なんかいちいち蘭子のテンション高いな...



「で誰が飲むんだ?この一杯で糖尿になりそうな汚物を」



「...大悟君...僕は例え大悟君が糖尿でも嫌いにならないよ...」


うん、なんかそう言う事言われる予感してた。



「そう言えばAirで思い出したけど蘭子ってPS2持ってたっけ?それともドリキャス?」


「嫌だなぁ、僕はパソコンしか持ってないわよ」


やめろパソコン版airは18禁だ!

あと僕っ子は違和感ありすぎだから、ついでにそれもやめて!



「この徹夜明けの身体にみなぎるイベントのシーンの数々の思い出...さあ、大悟君。僕の腕に巻いてる布を取って契りを!」


うん、その徹夜明けにみなぎってるのは感動じゃなく性的な方な。



なんとなく判った事がある。

こいつが時々下品になる原因は徹夜明けでエロゲーん遊んだ時なんだな。



僕は更に貞操の危機感を覚えたので二階の自室に避難した。

あらかじめ言うが、僕は女の子にも興味あるし蘭子が嫌いな訳でもない。


親父の会社の令嬢というのもあるが、それ以上に蘭子に手を出すと今以上の逆セクハラが襲って来るのが何より恐いんだ。


『あぁ!ドロリ濃厚ピーチ味が煮詰まり過ぎてゲルルンジュースに!』


一階の台所からの悲鳴が...



蘭子...それはジュースじゃなくて桃のジャムな...


二階の自室でゲームしながら、一階の蘭子に向かって心で突っ込みいれてみる僕であった。



第3話 おしまい

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