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不死身の人外

これは、落ちこぼれの少年が勇者になろうと足掻く物語。

サゲーナ大森林

この森は低位の魔獣だらけで滅多に人が寄り付かない。

だが、現在この森には数人の人影があった。

それらの人影は、魔法を放ち何者かと戦闘を行っているようだ。

数々の攻撃魔法がその何者かに放たれる。

複雑な魔力反応が爆発を引き起こし、辺りに音と風が行き渡る。


「やったか!」


魔法使いの一人が叫ぶ。


「残念、まだ終わってない。」


立ち込める爆煙の中から声が響く。

そして次の瞬間、ソレは姿を現す。

黒い煙の中からゆっくりと歩いてくるソレは、人の男の姿をしていた。

だが、男は魔法の絨毯爆撃を受けてなお傷一つ負っていなかった。

魔法使い達は恐怖する。


「じ、人外が…!」


男の見た目は人間そのもの。

人外と呼ぶには程遠かった。

ひとつ人間と違う点があるとすれば、それは奇妙に伸びた耳。


「人外?ちょっと違うな、俺はエルフだ。」


その言葉を聞いた魔法使い達は驚く。

そして、数名が納得したような顔をする


「エルフだと…魔法の防御を張っていたか!」


エルフは魔法的適正が非常に高い種族として有名であり、人間がエルフと魔法で勝負をするのは無謀に近い。

だが、自らをエルフと名乗る男は腕で不正解のジェスチャーを作る。


「惜しい!俺は魔法防御なんて張ってないしむしろ張れない、俺には魔法の才能が無いからな。」


そして男は、自分の耳を指さす。


「エルフはエルフでも、ハーフエルフなんだよ、俺。」


魔法使い達は再び混乱する。


「ではなぜ我らの魔法が効かぬのだ…!」


男は笑う。

そして自らの腕にナイフで傷をつけて見せる。

その傷は、たちまち再生していった。

回復魔法とは違う、異質な再生。

そしてそのナイフを魔法使い達に向ける。


「さて、悪名高き魔神教の皆さん、お前らには2つの結末を用意してやった、魔神教の情報を吐かずに苦しんで死ぬか、吐いてから楽に死ぬか、どうする?」


その言葉に、魔法使い達は恐怖する。

そのうちの一人が叫ぶ。


「この距離なら殺れる!全員で撃てェ!」


男に向けて一斉に魔法を放つ。

再び爆発が起きる。

その爆風で何人かの魔法使いは吹っ飛び絶命する。

立ち込める爆煙。

今度は爆煙の中から1本のナイフが飛ぶ。

先程叫んだ魔法使いの頭部にナイフが刺さり、彼は絶命する。

再び煙の中から出てくる男。

その様子はまさに異形。

攻撃魔法により傷つき崩壊した肉体が、時間経過と共に再生していたのだ。

生き残った魔法使いは錯乱しながら男に問いかける。


「き、貴様…何者なんだ…!なぜ我々魔神教を狩る!?」


男はハッとする。


「そういえば自己紹介がまだだったな、俺の名はテイル・フロンティア、見ての通り不死身の男だ、そしてお前ら魔神教のクソを狩る理由だけど…語ると長くなるぜ。」


テイルは朽木に腰掛け、その魔法使いに語る。

そして、魔法のバッグの中から絵の描かれた紙を取り出す。


「それじゃあ俺の身の上について紙芝居で語ってやる、ワンクール分用意してあるから、覚悟して聞けよ、途中で寝たりしたら殺すからなマジで。」


そしてテイルは魔法使いに向けて語り出す。

自分が何者なのか、なぜ魔神教を狩るのか…

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