4/30(火) <命の冒涜>
今日も課外授業があったので、午前中は学校に行っていた。
授業中は女の人の体の事ばかり考えていて授業に全く集中できなかった。
昨日あれだけハッキリ見えた光景も、一晩寝たらもう記憶が曖昧だ。
また見たい、また見たい!
そう思いながらボケっと一日過ごしていたら、すぐに22時になった。
こっちの世界に来ても、やっぱり頭の中は煩悩でいっぱいだ。
目を閉じてあの女の園をまた見に行きたい、という気持ちになる。
でも、自分の中の真面目成分がそれを許してくれない。
「女の人を作るぞ」
自分に言い聞かせるようにタラスに向かってそう言った。
やるべき事を誰かに言えば、それが拘束力になると思った。
「神よ、今なんと?」
「女の人を作る。人間をゼロから作るんだよ」
「それは神への冒涜! いや、神だから問題ない……?」
「そのためタッセの女性達を見てきた」
「それは、酷かったでしょう。心中お察しします」
「酷い? まぁある意味酷かったね」
「はい、劣悪な環境でむごい生活をしていると聞いています」
劣悪? むごい?
なんか昨日見た光景と全然違う。
タラスは偏向された情報を聞かされているのだろうか。
「まぁとにかく、今から作ってみるぞ」
そう言って、5人くらいの女の人が目の前に居る光景をイメージする。
現実世界ではうろ覚えだった記憶が、こちらの世界ではハッキリ思い出せた。
20歳から30歳くらいの女性に絞る。
全裸ではなく何か服を着た状態で……セーラー服以外の女物の服なんて知らないな。
セーラー服を着た状態の女の人を思い出しながら作り出す。
力を込めると、今まで何も無かった空間に5人の人が現れた。
全員ちゃんと服を着ている。
やった成功だ、と思った瞬間――
「キャア! 何が起きたの!? なんで私突然こんな所に?」
「お、男!? 男が居る! 何コレ!」
作り出した5人の女の人が、いっせいにキャーキャー言い出した。
しまった、この人達の記憶も再現して作ってしまったのか!
僕は急いで女の人達のおでこに手を当て、一人ずつ記憶を消していった。
するとひとまず騒ぎは収まった。
だが新たな問題も生まれた。
記憶を消しすぎて、作った女の人たちが幼児退行してしまったのだ。
失敗したのは記憶だけではない。
僕はブラジャーもパンティーも見たことないから、実はさっき作った服は外側だけで下着が無い。
失敗だらけだ。
「タラス、こんな時どうしたらいいと思う?」
「どうしたらと申されても……再度試してみるしか無いのでは?」
タラスにそう言われ僕は再挑戦する事にした。
複数人を同時に作るのではなく、まず一人ずつ。
手頃な歳の人はさっき作ったから、今度は同い年くらいの子。
服はセーラー服ではなく、この世界の男物の服。
力を込めると、一人の女の子が目の前に現れた。
サッと彼女のおでこに手を当て記憶を操作する。
今度は記憶を消すのではなく、記憶を上書きした。
『城の劣悪な環境から逃げ出した所を僕が助けた』という記憶を書き込む。
すると女の子が僕に抱きついてきた。
「助けてくれてありがとうございます、神様」
そう言って僕の頬にキスをした。
なんだか上手く行ったようだ。
僕は女の子の頭を撫でてながら彼女に聞く。
「君の名前は?」
「私はニャオと申します」
ニャオか。猫みたいな名前だ。
僕はニャオの頭にネコ耳を生やしてあげ――
良いところで現実に戻されてしまった。
まだ撫で足りないのに!
そう思いながら、頬のキスされた所に触った。
あのキスは本物だった。
この日、僕は一晩中ニャオの事を考えていた。




