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5/18(土) <let it be>

今日は佐々木さんとデートをした。

予定通り二人で映画を見て、喫茶店でなろうについての話をした。

僕が「今日で最終回にする」と決めた部分ももちろん読んでいた。

どうやって終わらせるかを彼女なりに予想していたけど、その予想は正解だった。


デートが終わって別れ際に、明日は図書館でデートしようと彼女が提案した。

「じゃあ、明日キスできるよう頑張ってね」

そんな彼女の言葉に、僕は元気をもらった。


よし、今日で終わらせるんだ。

こっちに来ると、僕は見知らぬ部屋に居た。

そこまで広くはないが、あたり一面に派手な装飾がされた円形の部屋だ。

窓がいくつもあいており、その下には広い町並みが広がっていた。


「驚きました? ここ、お城のてっぺんにある部屋なんですよ」


話しかけてきたのはニャオだった。


「ワームホールを使って、神様の椅子をみんなで一日がかりで運んだんですよ」

「そうか。せっかく運んでくれたのに、ゴメンね」


そう言って僕は立ち上がり、椅子を強く殴った。

ただのパンチではなく、石を砕くようにイメージを込めたパンチだ。

椅子はふたつに割れ、中から金属のような液体が出てきた。

液体はすぐに蒸発し、窓から外へ流れ出ていった。


「神様! なにをしたんですか!? そんな事したら……」

「ニャオ、これでいいんだ。下に広間があっただろ? そこにみんなを集めてくれ」

「で、でも……」


僕が真面目な顔をしたら、ニャオは言葉に詰まったあと仕方なさそうに下へ降りていった。


しばらく広間で待つと、国民がぞろぞろと集まってきた。

ニャオが広間に来たところで、僕は一言言った。


「聞いてくれ、僕はこの世界を去る事にした」


あたりがざわっとどよめく。

ヴィダが僕の前に駆け寄ってきた。


「この世界に嫌気がさしたのですか? 何か気に触ることしましたか?」

「違うよ。僕が居なくても大丈夫な国になったから去るのさ。今まで世話になったね、ありがとう」


ヴィダはうつむいて何も答えなかった。

次にソルアが僕の前に現れた。


「この国に満足したから去るって事だな。オレは嬉しいぜ」

「ソルア、君には色々教えてもらった。これからも国を頼むね」

「おう、任せとけ!」


ソルアはニッコリ笑って、僕と握手した。


「突然去るなんて勝手すぎます。まだ神様と居たいです」


ニャオが涙を流しながら言った。


「ごめんね。でも、僕はもう心に決めたんだ」

「……本当に寂しいです。でも、今までありがとうございました」

「ありがとう、ニャオ。最後にお返しをしよう」


佐々木さんに怒られるのを覚悟して、僕はニャオの頬にキスをした。


「さようなら、ニャオ」

「さようなら、神様……」


そして僕は、フッとワープした。



ワープした先は、タラスの目の前だ。

タラスは街から遠く離れた平野で、タラスの部下らしき人と歩いていた。

僕が突然目の前に現れたからか、タラスは驚いた顔をした。


「タラス、最後の別れをしに来たよ」

「最後に会うのが私か。フッ、冗談がすぎる」

「最初に会ったのがタラスだからね。タラスはこの25日間どうだった?」

「最悪だ。死んだり生き返ったり忙しかった」

「それはお互い様」


フフッと二人で笑った後、少し沈黙が流れた。

そして風が止むと、タラスが口を開いた。


「……少年よ、私は旅しようと思う。君はどうする?」

「僕はもうこの世界には来ない。元の世界で出会いがあったから。その出会いを大切にしようと思う」

「そうか、達者でな」

「タラスこそ」


そして、僕はこの世界に別れを告げた。

僕は現実世界に戻ってすぐに『なろう』を確認した。

そこには『完結済』と書かれていた。

勝手に僕の話を書いてた作者め、お前の連載はここで終わりだ、ざまぁみろ!

これで明日から僕は、地味で普通な高校生に戻る。

佐々木さんとのプライベートが公開されることもなければ、あの世界で見た未来が訪れることもないはずだ。


僕はもう全知全能の力は二度と使えないし、そのことを後で後悔するかもしれないけれど、今の僕はこれで満足だった。








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最後の最後で、まさか筆者の私が「ざまぁ」されてしまうとは……。

それはともかく、寝る前の5分間だけ異世界に飛ばされるようになってしまった地味な高校生の少年の物語を伝えられるのは、ここまでのようです。

はたして少年が今後どのような行動に出るのか、それはまだ誰も知らない。


ちゃんとした後書きは、そのうち活動報告に書きますね。



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