5/10(金) <パラメータ>
授業中に僕はタッセの街について考えていたが、いくら考えてもどうしたらベストだったかわからない。
結局僕は、もうその事について考えるのはやめることにした。
一度はタッセを潰したのだ。
報復あれで十分なんだと思うことにしよう。
こっちに世界に来るなり、今日もソルアに会いに行った。
魔法軍が一日でどれほど成長したか確認するためだ。
昨日の試し打ちをしていた場所で、今日も魔法の訓練をしていた。
「どうだい、ソルア」
「おお、神様。タッセの街は問題なかったかい?」
「そ、それは……ちゃんと元に戻したよ」
「なら良かった。それはいいとして、今ちょっと困ったことが起きてて相談したかったんだ」
「困ったこと?」
「あぁ、突然魔法が使えなくなった奴が何人も居てな」
「使えなくなった? どういった感じで使えなくなったの?」
「それがな、突然ピタッと使えなくなるんだよ。時間が経ったらまた使えるようになるんだが、一発打つとまたピタッと打てなくなる」
それを聞いて僕はピンときた。
多分、魔法を使うのにMPが要るんだ。
MPが無くなったせいで魔法が使えなくなるんだな。
待つと使えるようになるのは、このMPが時間経過で回復するタイプだからだろう。
まるでRPGみたいだ。
ここで疑問が湧いてきた。
MPが残りどれくらいか知る手段はないだろうか?
僕は訓練中の村人の一人に近寄ってその手に触れ、試しに残りMPを読み取ってみた。
残りMPを具現化するイメージをすると、なんだかモヤモヤしたガスの塊みたいな物が見えた。
スイカくらいのサイズだろうか。
その村人に魔法を使ってもらうとサイズがぐっと小さくなり、野球ボールくらいのサイズになった。
なるほど、このモヤモヤしたイメージのサイズがMPなんだな。
しかし、これでは分かりづらい。
そこで僕は一つのアイデアが浮かんだ。
このモヤモヤのサイズに反応して数字に変わる物質が有るということにする。
パラメタイズ粒子とでも名付けようか。
今までのパターンを考えると、知らない機械は作れなかったが、知らない素材は作れた。
なら架空の素材だって作れるはずだ。
僕はパラメタイズ粒子が周囲の空間に広まるイメージをした。
すると村人の手に28とか53とかの数字が表示されるようになった。
突如現れた数字にソルア達が驚いていた。
「神様、これは……どうなってるんだ?」
「魔法があとどれくらい使えるか数値化してみたんだ」
「なんと、そんなことが出来るのか……」
ソルアは驚きのあまり声を失っていた。
だが僕のアイデアはこれだけではない。
MPが数値化できるなら他のものも数値化できるはずだ。
僕はパラメタイズ粒子に更に改造を加える。
体力表示、攻撃力表示、素早さ表示……。
出来る限り数値化したい物を思い浮かべ、パラメタイズ粒子で表示されるようにする。
能力だけでなく、炎系や水系といった属性も表示されるようにしてみた。
常に表示されるのは邪魔なので、手をかざし『表示されろ』と思念したときにパラメタライズ粒子が結合して数値になるようにも改造した。
つまり、ゲームのパラメータ表示がこの世界で出来るようになったのだ。
これで、さらに異世界らしくなった――
魔法が使えるようになり、パラメータが表示されるようになった。
『なろう』で異世界について勉強したおかげだ。
あの世界をどんどんゲームのようにしていけば楽しい国になるに違いない。
今日は金曜日なので、その後は朝までゲームをして遊んだ。




