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5/6(月) <憤怒>

今日は課外授業が無いので、僕は図書館へ行った。

帝国への報復のためだ。

僕があの世界にいられる時間は短いので、じわじわ痛めつける方法は取れない。

短時間で十分な苦しみを与えてからトドメを刺す手段が絶対必要だ。

あの世界ではなんでも作れるが、知らないものはうまく作れないという問題がある。

そのために必要な知識を得るため、図書館の本を読み漁った。

こっちの世界に来てすぐ、僕はタッセの街の上空へとワープした。

大きな城を中心とし、放射状に街が広がるとても広大な街だ。

空からは人々が何事も無いかのように生活を送っているのが見える。

自分達の国が僕の国を滅ぼした事など、まるで自覚していないかのようだ。

ふざけた国だ。


僕はまずミサイルを作った。

爆薬の配置や信管の仕組みなど、ミサイルの構造は図書館で勉強した。

ミサイルを20本、タッセの街のあちこちに飛ばした。

数本が城に着弾し、城は大きな穴があいたあと崩れ落ちた。

街に着弾したミサイルは爆発し、付近の建物を吹き飛ばした。

街の人々は突然の事に驚き逃げ惑う。

中には空を見上げて僕に気付く人も居た。

家屋に引火し火の手があがりはじめた所もあった。

恐怖し、絶叫し、悲鳴をあげ、命乞いをする人たち。

ざまぁ見やがれ。


もちろん、この程度で終わらせるわけがない。

僕は硫酸を作りながら、街の上空を飛び回った。

雨のように降る硫酸が街の人たちを溶かす。

硫酸がかかった部分の皮膚が火傷したようになる。

一部の人たちは必死に屋内へ逃げ始めた。

目についた人の上にピンポイントで硫酸を降らせ、全身をただれさせた。

街が絶望のドン底へ落ちていく。

これで少しは僕の国民達の苦しみが味わえただろうか。


だがまだ報復には十分ではない。

最後の報復として僕は猛毒なガスを生成した。

図書館で見つけた、平成の大事件について書かれた本にあった毒ガスだ。

僕が生まれるより前にあったテロで使われたそうだが、事件のことはよく調べていない。

毒ガスの話だけあれば十分だ。

このガスは触れるだけで発症し、過剰に摂取すると死に至る。

ガスに触れないよう注意しながら、僕は街全体へこのガスを流し込む。

しかし、これでは満足できない。

人々が家に隠れてしまったせいで苦しんで死ぬところが見られない。

ガスがうまく家の中まで流れ込んだかも確認できない。


「屋根を剥がして中を確認するか」


そう言って近くにあった家の屋根に降り立ち、屋根を力ずくで剥がそうとした。

だが何かおかしい。

目眩がする。

気分も悪くなり吐きそうになる。

しまった、街には毒ガスがまだ充満していたんだ。

すぐに上空に逃げたが、症状はどんどん悪化する。


「毒を体から絞り出せ。僕なら何でも治せる!」


自分に語りかけながら自分の中の毒ガスを絞り出す。

僕の症状はゆっくりおさまり、気分は徐々に楽になっていった。

今この街の人達はこんな症状で苦しんでいるのだろうか。


ミスしてしまったせいか、報復とか苦しませるとかどうでも良い気分になってきた。

もういいや、全部潰そう。

手を水平にし、地面を叩くようなイメージで空中を叩いた。

叩くと同時に街に大きな手形が出来る。

ミサイルよりもはるかに被害の大きい手形だ。

僕は街全体を何度も何度も叩き、気が済むまで街を潰し続けた。


最後に街の残骸に向け火を放った。

後には何も残らない。

これで、僕の国を潰した事への報復は完了だ――

ベッドに寝転がりながら、街の様子を思い出す。

これで報復は十分だっただろうか。

逆に、やりすぎじゃないだろうか。

でももう考えるのが面倒な気分だったので、僕はそのまま眠りについた。

今日の夜は眠りが浅く、夜中に何度か目が覚めた。

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