それぞれの試練
残りの裏四天王を倒す。
そう決めた僕たちだったが、僕たちにはまだ足りないものが多かった。
力。
お金。
そして、裏四天王の情報。
鉄との戦いでは、電磁石を使った作戦がうまくハマった。
だけど、次の相手にも同じ作戦が通用するとは限らない。
それに、裏四天王が鉄と同じくらい強いなら、今の僕たちの力では勝てない可能性もある。
だからこそ、僕たち自身の強さを磨くことが、裏四天王を倒すことにつながると考えた。
お金の問題もある。
鉄を倒すために使った巨大電磁石の使用料はかなり高額で、僕たちの財産だけでは払いきれない部分があった。
さやさんの遺産から少し出してもらったが、それでもまだ足りない。
だから、お金も稼がなければならない。
そして何より、裏四天王の情報が何一つない。
どんな奴なのか。
どこにいるのか。
それすら分からない。
このままでは、倒す以前の問題だった。
「どうすれば、この3つを同時にできるかなー……」
僕は思わず口に出した。
「やっぱり、それぞれの得意分野を使うことが大切なんじゃない?」
シオンがそう言った。
「そうだな。俺なら剣を使うのがいいかもな」
ジンも続ける。
ジンには剣術。
シオンには情報収集能力。
二人には、それぞれ明確な強みがある。
それを使えば、色々なことができるだろう。
でも……僕は?
僕に何ができる?
人間の呼吸や筋肉の動きから、少しだけ相手の動きを読む。
僕にできるのは、それくらいだ。
これでは、お金を稼ぐことも難しい。
「とりあえず、この1週間は自分たちの強さを磨いたり、お金を稼いだりする期間にしよう」
僕は、これから自分が何をするべきなのかを考えるためにも、時間を設けることにした。
「了解!」
それから僕たちは、それぞれの得意分野を活かして、お金を稼いだり、強さを磨いたりすることにした。
ジンは料理屋で、野菜や肉をものすごい速さで切ったり、公園や庭の木や草花を整えたりしていた。
一方、シオンは得意の情報収集能力を使い、迷子になった猫を探したり、指名手配犯の居場所を突き止めたりと、大活躍しているらしい。
そして僕は――
自分に何ができるのかを考えながら、二人の仕事を手伝っていた。
そんなある日のこと。
「ねぇ、あなた」
シオンが声をかけられた。
「どうしました?」
シオンが振り返る。
そこには、黒髪のロングヘアに眼鏡をかけた女性が立っていた。
「あなた、あの裏四天王の鉄を倒すのを手伝ったでしょ?」
「な、なんでそれを……?」
突然そんなことを言われ、シオンは動揺した。
「その反応なら、本当みたいね」
女性は少し笑った。
「私、すみっていうの。前から裏四天王について調べていてね。今回の騒動も、ドローンで見ていたのよ」
……この人、只者じゃない。
シオンは直感的にそう感じた。
「それで、私に何の用ですか?」
「あなた、残りの裏四天王の情報……全く掴めてないでしょ?」
「……」
シオンは少し黙った。
この人には、嘘が通じない気がした。
「そうなんですよ。全く情報が出てこなくて……」
すると、すみは驚くようなことを口にした。
「残りの裏四天王の情報、私持ってるわよ?」
「えっ?」
シオンは目を見開いた。
「その情報、渡してもらえませんか?」
「うーん……でも、条件があるわ」
「条件……?」
すみは笑みを浮かべた。
――――――――――
「そ、それ……本当ですか?」
「うん。本当よ」
提示された条件を前に、シオンは考え込んでいた。
そして、すみは最後に一言だけ告げた。
「あなたたち、裏四天王を倒すんでしょ?」
「……え?」
――――――――――
その頃、ジンは依頼を終え、近くのベンチに座っていた。
「おい、そこのお前さん」
「なんだ、おっさん?」
ジンの前には、腰に剣を携え、片目の近くに傷のある男が立っていた。
「おっさんとはなんだ。てか、俺を知らないのか?」
「知らねぇよ。てか、何か用か?」
ジンが答える。
「お前さん、裏四天王を全員倒すんだろ?」
「な、なんでそれを……」
ジンは動揺した。
「分かりやすい反応だな」
男は笑った。
「お前さんが黒石鉄を倒したことは知っておる」
「それで、何を言いに来たんだ?」
男はジンをじっと見つめた。
「お前さん、俺に剣を学ばないか?」
「はぁ?」
ジンは思った。
目の前の、このおっさんに?
その瞬間だった。
パキッ!
ジンの後ろにあった石が、真っ二つに割れた。
「……あれ、お前がやったのか?」
「あぁ。よく分かったな」
ジンは目の前の男を見つめた。
ただ者ではない。
自分とは比べ物にならないほどの剣士だ。
「で、俺から剣を学ぶか?」
ジンは迷わず答えた。
「あぁ、もちろんだ」
そして、力強く続ける。
「強くなるためだ」
「だがなぁ……条件がある」
「条件?」
男は口元を緩めた。
「お前さん、本当にその条件を受けられるのか?」
「おっさん、その条件マジで言ってんのか?」
「マジに決まってるだろ」
ジンが言葉に詰まる。
「いいのか?」
男はジンを見つめた。
「お前さんは、奴らを倒すんだろ?」
「裏四天王を」
――――――――――
そして同じ頃。
シオンもまた、まったく同じ言葉を聞いていた。
「あなたたちは、裏四天王を倒すんでしょ?」
ジンとシオン。
二人はそれぞれ、別の場所でそれぞれの成長に
繋がる人物に出会っていた
その頃ミナトはある武器屋に来ていた
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
今回、投稿が少し遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
それでも読んでくださった方、本当にありがとうございます!
今回の話では、ジンとシオンにそれぞれ新たな出会いがありました。
これから2人がどのように強くなっていくのか、そして残りの裏四天王がどう関わってくるのか、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです!
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