8話 ステータスオープンって叫ぶのは恥ずかしい
間が空いてますが・・ぼちぼちこちらもやっていきます。
「さて、今日も色々とこの世界について学んでいきましょう!」
張り切っていう郁子さんことユークさん。
私の専属侍女という立ち位置らしい。
「昨日のあれは酷いと思うのよ?
恥ずかしい事させるのは無しでお願いしますね?」
一応無駄な釘をさしておく。本当に無駄だろうけれど。
「今回は時間についてです」
「時間?あ!そう言えば・・・」
この間のやり取りでゲームの後に戻ってみると10分程しか経っていなかった。
ひょっとしてと思ったけれど。
「そうです。この世界は現実世界とは6倍程の速度で流れています。
所謂加速世界ですね。肉体を使わない仮想空間で思考のみの世界でしか
実現できなさそうな事です。
簡単に言えば走馬灯みたいなものですね」
「いや、走馬灯って死んでないから!死の淵に居たりしないからね?」
まるでこれから死んじゃうみたいに言われても困る。
ゲームする度に死ぬ目に遭うとかどんなデスゲームだ。
「そうですね。私も死にたくはありませんが、
そしてさらに連続してゲームできる時間に制限があります」
「制限時間?」
「そうです。実は人体に影響が出る可能性があるので8時間までとされています」
「ちょっと待って? 人体に影響? それってまずくない?」
「そうですね・・・かわいそうですがプレイヤーの皆様は・・・」
悲痛の表情で語り辛そうにしているユークさん。
ただ・・・ゲームやっている私はどうなるのよ!?
「ほんと待って! 私プレイヤーだから! 影響とか困るから!」
「まぁ実際には時間間隔がズレたりするくらいですね。
後は身体能力の齟齬が生じないように時間の制限があります。
仮想空間で数メートルジャンプできるようにレベルを上げたりした場合に
実際にもできてしまうのではないか?と勘違いをさせない為ですね」
「あーよかった。びっくりさせないでよね?
そう言うのだったら私関係ないわ。
王女だもの。鍛えてないもの。モンスターとか相手にしないもの!」
ある意味モンスターな侍女を相手にしているけれど。
「いえ、紹介用のPVを作りますので後々戦いますよ?」
「はぁ? 聞いてないよ・・・パパン・・・」
「それではサクサクとチュートリアルを進めたいので次いきますね」
打ちひしがれる私に情け容赦なく次の話題に移っていくユークさん。
絶対、郁子さんだと思うんだけど、本人は頑なに否定している。
いつか正体を暴かねばとは思っている。
「では、現実でもよくある身分証明ですね。
掌を上に向けてー」
言われるまま手を前に出して掌を上に向ける。
「はい!そこで叫ぶように! ニギリッペ!」
「ニギリッペ!」
ん?何も起きない。
あん? 握り?ッペ? はぁ?
「ちょ ちょっと、握りっ屁ってどういう事!そんなこと言わせて何がしたいのよ!」
「いえ、姫様の恥じらいの顔を見たいだけですが、なにか?」
「ちょっとユーク、これ、仕事なのよ?
解ってる?
ゲームのチュートリアルをやってるのよ?
漫才じゃないのよ?」
もうこいつに敬称はいらない。
「さすが姫様。これでかなり自覚されましたね?
これがゲームの話であると。
そして、我等がそれを伝えていると。
そしてこれはチュートリアルでありPVでもあります。
プレイヤーに面白さを伝える側面もあるのですよ。
つまりはおしごとです!」
「・・・・・・・・」
ここまで屁理屈並べるかなぁ。
言葉で勝てそうにないんだけど。
「ごほん、きを取り直して。
【ステータスカード】と思うだけで掌に現れますよ」
私がかなり仏頂面なのだろう・・・。
かなり気を使われているのが分かる。はぁ、もう許すしかないのか。
掌を上にして。
「ステータスカード」
言葉にすると同時にカードが掌に現れる。
なんか、何もない所から物が出てくるってかなり不思議だ。
「わぁ、いいねこれ?」
「でしょう?このカードはカスタマイズが可能です。
紹介用のカードですのであるこれには程度の情報しか載りませんし、
他者への譲渡が可能です」
「へーもらえるんだこれ。
コレクションとかできたら面白そうよね?」
「そういう側面もありますね。
リアルで売り出したりするのかもしれませんが、現在は開発段階ですからね」
「なるほどねぇ。商売するかもなんだね?
でこの他のもあるんでしょ?
なんか言いかけてたし」
「はい、これは自分の視覚情報にしか表示されませんが
【ステータスオープン】というと目の前に半透明のー」
「ステータスオープン!」
言われるままにさっさとやってしまう。
目の前にあらわる半透明のタブレットにHPやらMPやらが記載されている。
数字がやけに大きいのは気のせいだろうか。
「気の早い姫様ですね。
ステータスはオープンの逆のクローズで閉じますので・・・・
触ろうとしても空中をスカスカっとスカルだけですよ?」
触ろうと必死になっている私がそこにいたのでした。
話はちゃんとききましょうねと・・・。
評価。ブックマークありがとうございます。




