閑話7 フェルゲン
すみません。諸事情で投稿が遅れました。
気付けば本当に何故か0時に投稿している。
おかしいな。不定期って言ってたのに・・・。
まあ、イケるところまでは毎日更新していくので、よろしくお願いします!
ただ、必ず0時に投稿するわけではないということだけは分かってください。
お願いします。
男子たちが食料などの荷物を必死に運ぶこと二日。
ついにフェルゲンに到着することが出来た。男子たちは喜びはしゃいでいたが、皆川喜美はどうしてそんなに嬉しそうにしているのだろうと不思議そうに男子たちを眺めていた。そんな皆川喜美を樹里が「えぇ~」っといった表情で見つめていたのは仕方のないことである。
フェルゲンに入ってギルドに行くと何度目かの注目を浴びる。ここに来るまでも何度かあったこの視線に十人は段々と慣れて来ていた。まあ、こういう視線に晒されるたびにタカキは一体何をやったんだ⁉という気持ちになるのは決して責められることではないだろう。
「谷上は一体何をやったんだよ。服とかも変えてないみたいだし、同じ服を着ている俺達も谷上と同じだと思われているんじゃねぇか?」
男子がそう呟く。
「確かに。こんな注目されるなんて、緊急依頼を一回達成しただけでは無理だよ。何したのかしら」
女子もその呟きに反応して同意する。
「まあまあ。それは本人にでも会った時にでも聞きましょう」
皆川喜美が話を一旦打ち切る。
「さあ、やることは同じよ。ギルドで孝希君の居場所を聞く。それがダメならこの街での孝希君の知り合いとかを探して居場所を聞く」
これまでにしてきたことをもう一度言葉にする。
「それじゃあ、行きましょう」
ギルドの中に入り、受付に行くと、樹里達の前に一人の少年が受付嬢と話をしていた。
「これで昇格ですね」
「はい!これからもよろしくお願いします!」
「フォーマス君は変わったわね。初めにこの街に来た時とは大違いだわ。今では短時間でE級冒険者になっているってこの街では有名なのよ?」
「ハハハッ。あの時の俺はどこかおかしかったから。まあ、タカキさんのおかげでここまで出来るようになったんだし。本当に感謝しているよ」
少年の言葉に反応する旅する十人。後が怖くなるくらい幸運に恵まれている。どうしてこんなにあっさりことがうまく運ぶのか聞きたいぐらいだと樹里は心の中で思っていた。他のクラスメイトや皆川喜美は純粋に嬉しがっていたが。
「あの!」
皆川喜美が少年に話しかける。
「はい?」
声をかけられて後ろに振り返るフォーマス。
「あの!あなた、孝希君とどういう関係なんですか⁉」
嬉しさと焦りにより、聞き方がどう考えても本来の表現の仕方ではない。案の定、その場の空気が凍る。
「あ、あれ?」
「・・・・先生」
「わ、私、やっちゃった?」
「はい」
「ご、ごめんなさい!」
慌ててフォーマスに謝る皆川喜美。
「え、ええ。大丈夫ですよ。驚いただけですから」
フォーマスがフォローする。これが一、二ヶ月前まで生意気だった少年だとは当時のフォーマスしか知らない人は思わないだろう。まあ、裏を返せばそれだけタカキの特訓が恐ろしかったと言う訳である。流石にレベルが10やそこらの子供をドラゴン退治に同行させるなんて特訓、誰もしないだろう。
「あなた方は?どうやらタカキさんのことをご存知のようですが・・・」
ちなみにギルドでの依頼以外にベルモンドから貴族としての教育も受けているので目上の人などには敬語を使うようになっている。
「はい。私たちは彼と同郷の者でして、彼を探して旅をしているんです」
「そうですか。残念ながら彼はもうここにはいませんよ」
「それはベルルクで教えていただきましたから知っています。私たちは今、孝希君のいる場所が知りたいのです。お願いします!彼の居場所を教えて下さい!」
「う~ん。そういうのはベルモンドおじさんの管轄だからな。おじさんに聞いてからじゃないと教えることは流石にできない」
貴族としての教育を受けだしているため、すぐに情報を提供するといったことはしないフォーマス。
「では、そのベルモンドさんに会わせてください!もし無理なら許可を取るだけでもいいんです!」
「どうしてそこまで・・・」
「彼に恩があるからです!今は助けを求めて彼を探していますが、いずれは彼の助けになりたいのです!」
皆川喜美は一年前の一年C組の頃を一瞬思い出す。
「私も彼には恩がある」
樹里も援護射撃とばかりに続く。
「そうですか」
フォーマスは思案顔で考え込む。クラスメイト達はますます一年前の出来事や樹里の過去に興味が湧いたが、ここでする話ではないと考えたので黙った。
「・・・分かりました。それじゃあ許可を取ってきます。明日のこの時間にまたここに来てもらえますか?」
「分かりました。教えて貰えるのなら私たちはそれで構いません」
「確証は出来ないのでそんなに期待はしないでください」
「ええ」
それだけ言うとフォーマスは帰っていった。
「それじゃあ、すみません。宿を紹介してもらえませんか?」
樹里が受付嬢に宿の場所を聞いた。
・・・
「お待たせしました」
翌日、ギルドで待っているとフォーマスがやって来た。
「どうでしたか?」
ドキドキしながら結果を聞く皆川喜美。
「はい。結構あっさり許可が下りました」
「そうでしたか!」
嬉しそうにする皆川喜美。
「しかし、どうしてそんなにあっさり許可なんて出したんだろうか?ベルルクの支部長はヒントぐらいしかくれなかったのに」
装飾好き男子が疑問に思ったことを呟く。
「おじさん曰く、彼がこのくらいの情報漏洩でどうにかなるはずがないと。まあ、俺も同意見ですが」
「谷上君は何をしたのよ・・・」
樹里が呆れる。
「そもそもあなたも詳しそうだけど、あなたと谷上君の関係ってなんなの?」
「ヤガミってタカキさんのことですか?」
「ええ」
「そうですか。彼は俺のダメだったときに更生でドラゴン退治に連れていかれたりした師匠・・・ですかね」
「はい?」
ありえない生物の名前が出て来たため、フリーズする樹里。他の九人も同じ様子だ。
「ドラゴン?」
「ええ。ドラゴンです。まあ、倒したのもタカキさん達ですし、俺は見ていただけなんですがね。いやー、スパルタでしたよ」
「ど、どらごんって何級だったっけ?」
女子の一人が近くの受付嬢に聞く。
「弱くてA級です。平均はSですね」
理解が追いつかない様子の樹里達十人。
「まあ、それは置いておきましょう。それより今は彼の居場所でしたね。移動などをしていないのなら恐らく、王都にいると思いますよ」
「お、王都ですか。そ、それはここからどのくらい掛かるでしょうか?」
未だに動揺しているが、それでもと聞く皆川喜美。
「ここから馬車で一日掛かるくらいですね」
「馬車ですか」
「ええ」
「・・・」
皆川喜美は考えていた。今、ここで急いで向かわないとまた見失ってしまうかもしれない。タカキが王都にずっといる保証はないからだ。そう考えた皆川喜美は受付嬢に確認を取る。
「誰か王都に馬車で行く人を紹介してもらえませんか?」
「分かりました。いつ以降の出発ですか?」
「出来るだけ早くで」
「分かりました。では、手配しておきます。仲介料として料金を別でいただきますが構いませんか?」
「はい。いくらですか?」
「銅貨五枚をいただきます」
「はい。これで」
「はい。確かに受け取りました。それでは明日の早朝、馬車を手配しますので」
「王都に行く人に便乗の形ですか?」
「はい。そうなります。結構大きな荷物ですので冒険者の護衛が欲しいようです。護衛の報酬としてタダで王都まで乗せるとなりますが、構いませんか?」
「ええ。それでお願いします」
「それでは明日の早朝、お願いします」
それ以降、特に何をするわけでもなく、その場は解散となった。何人かが残ってタカキのこの街で何をやったかを聞いていたが、それもすぐに終わった。ここまで歩きっぱなしで、休んでいなかったのだ。普通に疲れでダウンである。休息って大事だと皆川喜美が思った瞬間だった。
・・・
「それじゃあ、お願いします。バエルさん」
「はい。任せてください」
受付嬢からの紹介で軽く挨拶をして早速馬車に乗りこませてもらう。特に男子たちが嬉しそうだ。
「それじゃあ、出発!」
バエルさんの声が響いたのであった。
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