第40掌 友達
この第四十掌で十万文字突破&5000ユニーク突破です!
皆さん、ここまでお付き合いしていただいてありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。
そんなわけで今日はもう一話か二話投稿しようと考えています。
とりあえず今日の一話目をどうぞ!
アメリアと一緒に再び荷物を持って領主の屋敷までの散歩。
前回とは違って談笑出来ている。まあ、俺の方が話しているけど。アメリアは話すのが苦手なんだ。そうに違いない。決して警戒されているわけじゃない・・・と思いたい。
「アメリアは屋敷に住み込みで仕事をしてんの?」
「はい。一応、家はあるのですが、ボロボロで住めたものじゃないので」
「へぇ。でも、行ってみたいな。アメリアが過ごした家」
「何も面白いものはないですよ」
「友達になった相手のことを知りたいと思うのは普通のことだろ?」
「友達、ですか?」
「おう。もう俺達は友達さ」
「まだ二回しか会ってないのに?」
「会った回数なんて関係ないさ」
「タカキさんってすごいんですね」
「そうか?」
唐突にそう言ったアメリアに不思議そうに首を傾げる。内心、否定されたらどうしようってビクビクだけど、俺。これですごいのか?
ちなみに、俺は陰で悪口を言われるより面と向かって言われる方が精神的ダメージがデカい。まあ、どっちが印象いいかと聞かれると後者なんだけど。それとこれとは別じゃん?
「私もタカキさんみたいにすごかったらこんな仕打ち、受けてないんでしょうか?」
だから、ちょいちょい重たい話を挟むのやめて。
「俺だったら辞めちゃってるよ。アメリアの方が俺はすごいと思うけどな」
「えっ?」
「だって、いつもひどい目に遭わされているのにそれにずっと耐えているんだ。アメリアは誇っていいと思うぞ」
「そう、なんでしょうか?」
「ああ。俺が保証する」
下手したら俺よりMND高いんじゃない?いや、それはないか。それなら俺がこの世界に喚ばれることはなかっただろうし。多分、アメリアは優しいんだ。精神がいくら強くても我慢するかどうかは関係ない。アメリアは自分のことより相手のことを考えているんだ。それこそ、いじめている同僚のことまで。
そう考えると段々腹が立ってきたな。まあ、前から腹は立っていたんだけど。
「なあ、アメリア」
「はい。なんですか?」
「ちょっとお願いがあるんだけど」
「はい?私に出来ることならいいですけど」
「簡単だよ。血をちょっとだけくれたらいいんだ」
「えっ?」
俺の言葉にドン引きのアメリア。一歩後ずさる。
「い、いや。別に怪しいことをしようってわけじゃないんだ。念のための保険さ」
「何に使うんですか?」
「アメリアが危ない目に遭った時に助けるための魔法さ」
まあ、俺の力じゃないんだけど。
「はあ。分かりました」
そう言ってアメリアは手を差し出す。
「じゃあ、ちょっと失礼して」
ブレードを抜いて切っ先で手のひらをちょっとだけ押す。それで少しだけ血が出てきた。
「良し。それをっと」
ポケットから出したある紙につける。これで完了。
「これでいいんですか?」
「ああ。これでもし、アメリアが命の危機や絶対に避けたいことに直面したときに助けてあげられる」
これは俺とリリアスの合わせ技だ。リリアスの召喚魔法と俺の把握能力での緊急脱出みたいなものだ。俺がアメリアの危機を把握能力で察知して、リリアスの召喚魔法で喚び出す。アメリアの血を付けた紙は実はリリアスとの契約の紙なのだ。
ちなみに、俺はこの世界に召喚されたときにすでに契約は済んでいるのでこういうのは必要ない。あと、ダンガもリリアスと契約している。いくらダンガでも、危ないことはたくさんあるからな。
「どうしてそこまでして・・・」
「さっき公園で言ったじゃん。気になるからだって。それに友達だろ?助けたいと思うのは当たり前だ」
まあ、それに俺もなんだかんだで男の子なんです。可愛い子の前だとカッコつけたくなるじゃん?
「じゃあ、私もタカキさんが困っていたら助けてあげますね!」
ニコッと笑ってこちらを見つめるアメリア。あかん!リリアスは年下の女の子だったから何とか耐えれたけど、同い年くらいのアメリアだと無理だわ。顔が赤くなるのが分かる。
「タカキさん、照れてます?」
「て、照れてなんかない!」
「ふふっ」
ああ。立場逆転されたな。
「っと。着いたな」
今回は楽しく会話していたからか、時間を早く感じた。もう屋敷に着いたのか。
「残念だけど、今日はここまでだな」
「はい。また見かけたら声をかけてくださいね」
「ああ。勿論」
大分打ち解けてきたな。これはもう友達と言っても過言ではないな。初、異世界で友達ゲット!
・・・・?リリアスとダンガ?あの二人は友達っていうか仲間だからな。そういうカテゴライズに分けたらこうなるってことだ。決してリリアスとダンガを他人だとかは思っていない。
俺はスキップしながら宿屋に戻っていった。
・・・
タカキとアメリアのやり取りを屋敷の窓から覗いていた者たちがいた。
「アメリアの奴。外で男を作りやがったか」
「生意気ですね」
「あれだけいびってやったのにまだ懲りないらしいな」
覗いているのはメイド服を着た三人組。
「今日はそのことについて説教でもしてやるか」
「そうですね。そうしましょう」
「面白そうだ」
三人はそのまま持ち場に戻っていった。楽しそうに笑いながら。
・・・
「リリアス~!ダンガ~!戻ったぞ!」
テンション高めでリリアスとダンガの部屋をノックする。ちなみに俺とリリアスの部屋は向かいで、ダンガも俺の部屋の隣だ。
「どうしたんですか?そんなにテンション上げて」
「そうだ。なにかいいことでもあったのか?」
「ちょっと友達が出来てな」
「へぇ。それで?」
ダンガがニヤニヤしながら聞いてくる。
「?・・・なにが?」
「男と女、どっちなんだ?」
「女だけど」
「へぇ~。女の人なんですか」
あれ?リリアスさん、怒ってない?
「デートしてきたんですか?」
「いや、公園で少し話して、荷物を家まで持って送っただけだよ」
「タカキ」
「なんだよ、ダンガ」
「それ、傍からしたらデートだ」
「まじ?」
「おう」
緊急事態。俺、無意識にデートをしたようです。
「タカキさん」
「は、はい!なんでしょうか?」
ついついリリアスに敬語を使ってしまう俺。だってそれだけ怖いんだもん。
「私、負けませんから」
「?」
リリアスは決意を秘めた目で俺をじっと見つめていた。ちなみにダンガはその様子を見てため息をついていた。
読んでくれて感謝です。




