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冥界の守人  作者: 涼雅
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守人の日常 2

守人の一日は単調です(笑)

 守人の仕事は、簡単に言うと門の番人(ばんにん)(けん)仕分人(しわけにん)といったところだ。門前に並ぶ色とりどりの珠を見極め、冥界に入れるべきか現世(うつしよ)に戻すべきかを判断して門の開閉を行う。…まぁ、実際に門の開閉はしていないのだが。

 ごく(まれ)に判別が付かない珠は、門の脇に待機させ、守人の仕事上がりの時に冥界に一時的に持ち込み、直属の上司に判断を(あお)ぐ。

 日々は、単調に過ぎていく。(ほとん)どが()(いな)かしかないのだ。


「おーい、メイ!交代の時間だぞ?」


 地響きにも似た、低い声が門の向う側から、守人を呼んだ。


「了解!牛頭様。あとは、お願いしますね、馬頭様」


 終業時刻を告げられ、守人は嬉しそうに笑うとクルリと門を振り返り、門から現れたすらりと背の高い青年に抱きついた。


「メイ。毎度のことながら、凄い歓迎ぶりだな?」


 守人に、馬頭様と呼ばれた鳶色の長い髪を持つ青年は、苦笑しながらワシャワシャと守人の頭を撫でた。乱暴に見えつつも、絶妙な力加減で撫でる青年に更に嬉しそうに笑いながら、守人は青年を見上げた。


「だって、ようやくご飯にあり付けるんですもん!嬉しいに決まってます!」


 二パッと無邪気な笑みを浮かべると、守人は青年の胸にぐりぐりと自分の額を押しあてた。


「わかった、わかった。今日もお疲れ様。ご飯を食べて、ゆっくりお休み」


 青年は、守人の背を優しく叩いて労をねぎらうと、己の手に隠し持っていた小さな飴玉を守人の口に押し込んだ。


「馬頭様、大好き~!では、お先に失礼します」


 小さなおやつに更に機嫌を良くした守人は、もう一度青年に抱きついて頬に口付けると、ぺこりとお辞儀を一つして、門へと駆けだした。


「メイは相変わらず、見た目と反応の仕方に差があるな…」


 苦笑しながら己の頬を撫で、門の向うへと消えた守人の姿を優しい眼差しで見送った。


新キャラ声のみの牛頭様。姿も出てきた馬頭様。

これからもちょくちょく出てくる予定です。

そのうち、守人も含めて容姿の描写をしたいなぁ…

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