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98話 妹のおっぱいには負けん

♢♢♢



「たでーまー」


「おかえりー」


いつも通りリビングの扉を開けていつもの言葉を口にして愛梨を探す。


いつもは台所にいる愛梨だが、今日はソファに寝転んで少女漫画タイムのようだ


かなり集中しているようだがそれでも話しかけるのが俺だ


「明日帰ってくんの遅くなるかもしれん」


「んー」


「なんでか気にならないのか?…」


「んー」


相変わらず集中してる時のウチの妹の適当さと来たら凄いな


仰向けに少女漫画を読んでいる愛梨に忍足で近づき、膝立ちの状態で話しかける


「なぁ俺の話聞いてる?」


「んー」


コイツゥ…ダイブゲームでもしてんのかよ。俺は真横に居るんだが?


「本取り上げて抱きつくから返事してくれ」


「んー」


「じゃ。失礼するわ」


許可が降りたので本を奪ってテーブルの上に置く。しかしそれに当然気付いた愛梨は起き上がって反発してくる


「ちょっともー!やめてよね!」


「まぁまぁ落ち着けって。ほらよしよし」


愛梨がソファから立ち上がるのを察知した俺は、膝立ち状態のまま愛梨の腰に手を回しソファから立ち上がるのを阻止する


「え?ドコ触ってんの!?キモ過ぎるんだけど!」


「どこっへおまえ…腰だろ…」


「そっちじゃなくてさ…ドコに顔埋めてんの気持ち悪い…いやホントにやめたら?」


そりゃこの体勢なら妹の控えめな胸に顔を埋めるなんて当たり前のことだろう


「ん?……あれちょっと大きくなった?」


「なってないからはよ離れて」


「おまへが俺の話聞かないからだろ?…」


「話?…………聞いてたじゃん。だから離れて」


いやその間はもう聞いてないって言ってるだろ


「じゃあ俺なんへ言った?…」


「えっと………俺みたいなダサい奴の相手なんて疲れるよな?ごめんなクソみたいなお兄ちゃんで。でしょ?…」


コイツゥ…話聞いてないどころか完全にやり返してやろうって考えが頭にあるじゃねーかよ


もうこれは分からせるしかないな


「正解。じゃあ…ご褒美なこんにゃろう」


「ご褒美に離れて。あとこの事ルナちゃんに言うから。反省の証に誓約書でも書いたら?」


「……へ?」


だからこんな強気なのか愛梨の奴。またあんなしょーもない自作の誓約書に付き合うとか勘弁してくれよ


「へ?……じゃないでしょ!?妹の胸に顔埋めてハァハァしててキモかったって言っとくからね!」


めっちゃ誇張してんのズルすぎるだろ。こうなったら根負けするまで分からせてやる


「……分かっは。なら顔ドリルやるわ…」


「えっ?……」


「えっ?……じゃねえよ!オラオラオラオラァ!」


顔を左右に高速で動かしながら顔面アタックで胸を往復し、それと同時に脇腹をくすぐっていく


「ッ!あはははは!やめっ!あははっ!」


「ルナには言わないよな?なぁ愛梨」


「いう…!絶対言ってやる!…」


「オラオラオラオラァ!」


やってやんよ!どっちが体力尽きるか勝負だ


「やめてぇ!しぬ…しぬぅ!あはははっ!」


まだまだぁ!


「も…もう止まっ…あはははっ!こ、これ以上はダメだってばぁー!」


愛梨の息が上がるまで、俺は夢中になって顔面ドリルをし続けた



♢♢♢



「はぁ…はぁ…はぁ…で、言わないよな?…」


「はぁ…はぁ…はぁ…」


ソファに仰向けになりながら、涙と涎を垂らして疲れ切った顔をした愛梨はただコクコクと頷くだけだった


長時間笑うのは体力を消耗するもので、愛梨は本当にヘロヘロだ


「いや返事しろよ。またやるぞ」


「はぁ…はぁ…言わない…」


「じゃもっかいやるわ」


「……やだぁ…なんでぇ…」


「冗談に決まってんだろ。俺ももう顔が痛いんだ」


「ねぇ…なんで愛梨はこんな酷い目にあったの?」


「おまえが話聞いてなかったからこうなった」


「…なんの話だったの?…」


「俺が明日遅くなるかもって話な」


「はぁ…それだけでこんなコトされたのはもういいけどさ。それで?…なんで遅くなるのって聞いて欲しかったんでしょ?なら聞いてあげるけどさ。なんで遅くなるの?」


なんかちょっと腹立つな


「体育祭の設営日でちょっと手伝いをな…」


「そんなことやりたがるなんて珍しいね。って聞いて欲しいんでしょ?だから聞くけどさ、そんなことやりたがるなんて珍しいね?」


カッチーンと来ちゃったねこれは。反省なんて皆無にも程があるぞ…


「おまえ反省が足りてないな…」


未だに涙目で仰向けになる愛梨に、俺は覆い被さるように抱きついた


パシャッ


「…おい…」


「はい動かないでねざこにぃ。動いたらうっかりルナちゃんに送っちゃうかもだから〜」


そう言って俺に見せてきたスマホの画面は、俺の顔で愛梨の胸が押し潰されている状態だった


「とりあえず明日は遅くなるから。それじゃちょっと風呂洗ってくるわ」


「動かないでって言ったよね?」


両腕でガッチリ俺の頭を固定して、自分の胸に押さえ付ける愛梨はまさしくガチギレ状態だ


「くっそぅ……あっ…でもめっちゃ柔らか…」


「き…キモ………で、ごめんなさいは?…」


「謝っはらどうなるんだ?…」


「解放してあげる。あとこの写真もルナちゃんに送るのは考えてあげる……」


いや絶対送るパターンだろそれ


「ならこのままでいいわ。だって柔らけーもん」


ふっ。こうなったら自ら解放させてやる。解放しないことがご褒美と錯覚させればいい。本当は息しずらくて死にそうだが……


「ホントは苦しいんじゃないのー?痩せ我慢おつー」


「マジさいっこう。おっぱい枕ありがとな」   


し、死にそう……諦めてはよ離せこんにゃろう


「くぅっ…ならもっと締め上げるね」


俺の頭を押さえ込む力は更に強くなり、息が全く出来なくなる


「もうずっと…こうしててくれ……」


死ぬ死ぬ、せめてもうちょっと力緩めろ愛梨


「ほら早く謝っておにいちゃん。とっと負けてラクになりなよ」


俺は妹のおっぱいなんぞに負けん。絶対謝ってやるか。離すまで粘ってやる

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