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53話 グル

♢♢♢



❀ ルナの誓約書 ❀


1 泊まりに来た時はルナをぎゅーして寝ること


2 ルナのお願いをちゃんと聞くこと


3 ルナを無視しないこと。おまえは無視しすぎ死ね


4 1週間に2回イチャあま中◯しえっちすること


 正常位以外はNG ゴムもNG


この誓約書の上記のどれか1つに◯をしなければ許しは与えず、愛梨ちゃんの晩御飯は金輪際抜きとする



♢♢♢



「……………」


おいおい…完全に頭飛んでるなコレ。多分ブラジルまで飛んで行ってるわ………


ツッコミどころが多すぎて空いた口が塞がらんのだが


いや、なんとか頭を整理して状況把握に努めなきゃならんだろ。上からだ、うんまずは上から


「もう読んだ〜?早く◯で囲って〜」


ここで初めて俺の方を振り向いたルナの顔は、少しだけ赤かった。さっきは耳まで真っ赤だったけど


そして早く書けと俺にボールペンを手渡してくる


「なぁ、その前にちょっと聞いてもいいか?」


「ん〜なに〜?」


「この"ぎゅー"とか言うのは抱きしめて寝ろって事なんだろうけど、コレに意味はあるのか?」


まぁホントは分かってはいるが、理由が好きだから。とか言うもんなら却下だ


「は?決まってんじゃん。れんれんを単純接触効果で落とす長期作戦じゃん」


よかった。…最近俺の事好きなんじゃないかと不安になってたところだ。なら1番はアリだな


「おー分かった分かった。じゃあ次なんだけど、2番に◯つけたら俺は奴隷ちゃんってことか?」


「えぇ〜?見れば分かるじゃーん!おつむちゃん大丈夫〜?ルナしんぱぁ〜い〜」


「…………」


無視だな。じゃ次


「この3番はどうなんだ?俺はそんなに無視してないと思うが?」


「いま!今めっちゃ無視したじゃん!もう3番に◯付けろ腹立つから!」


やっぱルナは直情的でわかりやすいな


「え、いいのか?俺は4番に◯付けるつもりだったんだが…まぁそー言うなら仕方ないかー」


「ほ、ホントに!?じゃあ4番に◯してほしーなぁ〜。ねぇ〜おねがーい」


気付いたら椅子から立ち上がって、腕を掴んでスリスリして上目遣いだ。ホント甘えるの上手いな…


「まあ焦るなって。ところで4番はなんで正常位以外NGなんだ?」


自分で言ってて恥ずかしいんだが。書いてる奴はどんな気持ちで書いたんだ


「えぇ〜、必死になってルナに腰振ってる姿が見たいから〜」


いや性格わる……


「ねぇ〜はやく◯つけてよ〜」


「じゃた4番に◯付けるからさ、ちょっと離れてくれよ。腕が上がらないだろ?」


ボールペン握ってる腕にしがついちゃダメでしょうがルナちゃん


「はーい!」


めっちゃ笑顔で返事をするルナには悪いが、ムカつくから分からせるか


俺はボールペンを机の上に置いて、紙の上部分に指を合わせた。まぁ見て分かる通り破くだけだ


「ねぇ………なんでボールペン置いてんの?」


「うるせぇんじゃボケナスぅぅぅ!!」


ビリビリビリビリッ


こんな誓約書、相手する必要なし。何枚でも破いてやるよ。愛梨には土下座してやる


おまえの思い通りになんてなるかバカが


「な、ふ、ふざけんな!愛梨ちゃんの晩御飯食べれなくなるんだよ!いいの!?」


「だったら愛梨に死ぬほど土下座してやんよ」


「ふ、ふーん。でもまだ誓約書はあるし?ほらこれ」


はいはい、さっきのもう1枚のやつね。すぐ破ります


「やってやんよ!オラァァァァ!」


ビリビリビリビリッ


「くぅっ!ムカつく!てゆーかコピー費用もったいないとか思わないの?」


「フハハ!知るか。こんなのに相手するよかマシだっての」


勝ったわ。こんなん書く必要なんてナイナイ


「ん?おまえ何してんの?」


俺が高らかに笑みを浮かべて勝ちを確信していると、ルナは勉強机の引き出しから何かを取り出していた


「なにって。ほら、まだあるから」


引き出しの中には大量の誓約書があった。そしてそれを取り出して机の上に召喚するルナ


「はい、まだ200枚はあるよ?破るか、◯つけるかどっちにするの?」


「んなもん決まってるだろ」


俺は机から誓約書の束を取った


「こうすんだよおお!オラァァァァ!」


ビリビリビリビリッ


「うおおおおおおお!」


ビリビリビリビリッ


「どっせええぇい!」


ビリビリビリビリッ


「後悔するよ〜やめたら〜?」


何か言ってるが無視だ


「ふんぬらああぁぁ!」


ビリビリビリビリッ



♢♢♢



「はぁ…はぁ…お、終わったか。長い戦いだったわ。…ふぅ…」


俺が息を整えて前を向くと、ルナはベッドに座ってスマホをいじっていた


「あ、おわった〜?」


コイツ…そんな適当でいいのか?…


ガチャッ


「あ、愛梨ちゃんちょうどいいところに!」


ドアが開いて振り返ると、そこには愛梨がいた。そして手には大量の誓約書を抱えている


「言われた通り、もう200枚印刷してきたよ〜」


「ありがとう〜!愛梨ちゃーん!」


「……………」


コイツら…グルだったのか……


「まぁれんれんの行動なんて読めてたし。固まってないでさ、がんばってね」


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