49話 謎の美少女
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俺が休憩室から出た時には、既にお客さんが席に着いていた
おにぎりを口の中にねじ込んで、頬がパンパンになりながらも、モシャモシャしながら近寄っていく
「いやっひゃいましぇ」
想像以上に口が動かない。そーいや石◯総理もこんな事してたっけ…
ご飯粒が唇の周りにアホほど付いているが俺は気にせずテーブルの前にたった
「あ、あの…大丈夫?…」
「…ッ…」
その子を見た時、俺は驚きのあまり伝票を落としてしまった…
うん。めっちゃかわよい清楚美人……
黒い髪に、側頭部が編み込まれて耳元へ流れている。編み目の脇にはヘアピンを添えている
「えっと…ご飯粒落としてきたら?…」
しかもちょっと露出高めだ。レースのブラウスが透けている。俺の頬はパンパンなのにね
「しょうじ…おまひく…」
少々お待ちくださいも言えないのか俺は…
「…えっと…あの…気付いてない…の?」
何か言っていたが、俺は既に手洗いに直行していた
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「いかんぞ。やばいわ……」
心臓がバクバクしている。俺の周りは正直言ってレベルの高い子ばっかだ。さっきの子もそうだが…
「ホームラン………」
そう。ストライク超えてホームランだ。人間には好みというものがあってだな…
時には一発で落ちる事もある。いや、大丈夫だ。
俺は落ちてないしチョロくない。そもそもアレだ…
高校を卒業したらプロデビューと共に、日本を発ってアメリカに行く。変な気は起こすもんじゃない
「…30歳までのファイトマネーだけで2000億だぞ…今よりも未来が大事だ…」
2000億かホームランか……考えるまでもないな。ぽっと出の女の子の見た目がイイからなんだって話だ
口の中のおにぎりもようやく食べ終えて、ご飯粒も全部取ったしそろそろ行くか…
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「失礼しましたお客様。ご注文はお決まりですか?」
うーん……店長から視線を感じる。そりゃそうかー、めちゃ待たせたもんな
それにしてもかわよい。本当に綺麗だ。アメリカ行きなんて無かったら絶対アタックしてたわ
俺がガン見していると、この子もめちゃくちゃ見てくるんだが。もしかして……両思いか?……ないか
「…う、うん…えっとね…」
ん?なんかどっかで聞いた事のある声だな…
「……チョコレートパフェと、パンケーキと……プリン・ア・ラ・モード。それとココアを……」
うーん。めっちゃ食う
体型をガン見するが、程よく肉付きはあるが太ってはいない。胸は大きいけど…
でもルナの方が大きいか。やっぱあの子最強じゃん…
俺がガン見を決め込んでいると、かわゆい子は顔を赤くして俯いてしまった
「ちょっと勉強しすぎちゃって。甘いモノが……欲しいなーって…」
「い、いいと思うが。…勉強頑張ってな…」
ダメだ。どもった。俯きからの上目遣いのビジュアルが良すぎて
「うん!がんばるね。…その、約束もしたしね?」
親となんか約束してるのか?流石にちょっとその辺は分からんから適当に答えよ
「お…おう。ソウデスネ。では少々お待ちください」
ダメだ緊張してるぞ俺……完全に棒読みだ
こんなんすぐに店長の所に撤退だ。童貞だから許して
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「あんな可愛い子が来るとか聞いてないんだが…」
オーダー表を渡しながらそう言った
「よく甘いものを食べに来てくれるよ。その後はすぐに帰ってしまうけどね…」
「そっか…」
帰っちゃうのかよ〜ん。ショボーン
「…あの、先輩…」
「ん?なんだ?」
西城の奴、いつの間にか戻ってきてたのか
「……私の時と違って全然オラついてなかったのはなんでですか?」
「…気のせいだろー」
「気のせいとかじゃないです」
うん?なんかちょっと怒ってないか?…
「いやまあ、気にすんなって。な?…」
「…………別に…気にしてないです…」
不機嫌全開になりながらも西城は盛り付け作業に取り掛かっていた。俺の方を見ようともしなかったが
これ以上はなんも言わない方がいいな…
♢♢♢
「お待たせしました」
俺はテーブルいっぱいに甘いものを並べていく。注文してきた子達全部だ
「ありがとう。…えっと、あの…あーんとかある?」
うん。好き。僕アメリカ行かない
「ぜひともお任せ下さい!」
俺はスプーンを握り、チョコレートパフェをすくってこの子の口にゆっくり近づけた
名前も知らないのになんでこうなってるんだ?まぁいっか。俺店員だしな、やることやんなきゃ
「はいあーん」
「あ、あーん」
パクっと音がするくらい勢いよくかぶりついてきた
「んー!美味しい〜」
そんな幸せそうな笑顔にまた俺の心臓ちゃんが速くなっていく。いやもう死んじゃうって俺
あまりの可愛いらしさについつい手が伸びて俺は頭を撫でようとした。俺も男だから許して…
ガシッ
アレ?手が前に進まない……あー!掴まれてるからか!それに握力強過ぎおてて死んじゃう〜
「せ〜ん〜ぱ〜い〜?何してるんですかぁ〜?随分と手が早いですね〜!」
隣には笑顔だが目が笑ってない西城が居た




