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48話 休憩時間

♢♢♢


はぁ…流石にため息でるわ


ババアの言っていた事が頭から離れない。…普通あんなショッキングな事いうか?


『己の過ちを理解し、罪滅ぼしの為に罰を受け入れる。そして終わるまで耐え忍ぶ。という意味さね…』


こんな事を考えるのはやめだな。ゴールデンウィーク明けの中間テストの方がまだ大事だわ


そーいや黒瀬は……ん?……


今気付いた。後ろから俺の袖を摘んでチョンチョンしてくる奴が居る。うん無視でいいか


黒瀬は今頃勉強に集中しているんだろうな。このゴールデンウィークを使って


チョンチョン


俺も見習わないといけないな……


チョンチョン


でもアレだな………勉強全くしてないよな。まぁ分からないところは生徒会長様にでも聞くか


チョンチョン


「ふぅー」


「ッ!…」


耳の中に直接吐息を吐き込まれた感覚がして思わず仰け反ってしまった。……なんだ?能力者か?


だが気付けば耳元には西城の顔。そしてもう一度吐息を送る為に息を吸っていた


「…な、なんだよ…どうした?」


「すぅ〜………あっ!やっとこっち向いてくれましたね!……って!なんで無視するんですか!?」


「ああ〜……ちょっと考え事しててな。悪かったよ」


また頬パンパンにしちゃって。可愛いな


「まぁ……いいですけど。それよりお昼休みですよ。休憩室行きませんか?」


「もうそんな時間か。昼時なのにお客さん1人も来ないって凄いよな…」


「あははー。常連さんがヤバい人達だからじゃないですか?」


まぁ、常連さんが稼ぐの邪魔してるくらいだしな


「ホントその通りだわ…」



♢♢♢



2人で隣り合ってソファに座る。だが俺の視線はすぐに西城のお膝ちゃんに吸い寄せられた


「いや凄いなソレ。自分で作ったんだよな?」


西城が弁当箱のフタを開けた時、すぐに甘酢ダレの香りがしたからだ。めっちゃ美味しそうな唐揚げだ


「えへへ。そうなんです。昨日の余り物なんですよ」


他にはおにぎりと、ウインナーとピーマンを刻んだ卵焼きだ。ピーマン食べれる時点で尊敬できるわ…



とてもじゃないが…"なんで西城が晩飯作ってるんだ?"…なんて無神経な事は聞けなかった


「おー凄いな。よしよし」


褒めながら自然な動作で頭に手を運ぶ。コレなら受け入れるだろう


ガシッ


「………えーっと…ダメか?」


もうこの際お願いしてみる


「当たり前です…」


「ちょっとだけでもダメか?」


「ダメです…」


「先っちょだけだから」


「そ、それ触る時に使う言葉じゃないです」


フッ 隙を見せたな


「…ならどんな時に使う言葉なんだ?」


膝の上に弁当を広げる西城に俺はなんでか知らんが強気だ。ちなみに俺はコンビニのおにぎりだ


「え、えぇ?…そ、それは…」


少しずつ西城の顔が赤みを増してきた。想像して照れてるのか?


「答えないなら触るけどいいか?」


「な、何ですかソレ!ずるいです!」


ガードの固さからして全く免疫がないのは明白。だがそれなりに興味はあるのか。意外だな


「で、どんな時に使うんだ?…」


そう言って掴まれた手首に力を入れて髪に近づける


「…ッ…い、…挿れ………」


うーん…時間切れって事でこの辺にしておくか…


流石に可哀想なので力を抜いて、強引には触らないですよとアピールする


「冗談だよ。そんなことする訳ないだろ」


「…はぁ〜…よかったぁ〜」


西城はその一言で脱力してソファにもたれ掛かり、腕を離してくれた


人間というのは単純なもので、偽のゴールを作ってやると隙が生まれるものだ


そして俺がこの隙を逃す訳がない


「いつもお疲れさん」


そう言って頭を優しく撫でる。直感だがこの言葉が正しい気がしたからだ

 

「ッ……」


一瞬だけ体を震わせていたがすぐに受け入れた



♢♢♢



「「…………」」


既に2分は撫でているな


さあ来い。お顔真っ赤な西城。おまえがバチクソガードが固い理由を話すなら今だぞ


「…あ、あの……」


「なんだ?」


「………お弁当食べたいので……そろそろ…」


ダメか……しょうもないコトだったら"そんな事気にするな"って言って分からせてやろうとしたのに…


まぁ西城が怯えたり、ガチギレしなかっただけ一歩前進…なのか?


「あいよ」


俺が頭から手を離したと同時に、店長が休憩室の扉を開けてきた。あっぶな…ギリギリだった


「……佐藤くん。お客様来たからお願い……」


あー……そーいえば2人同時に休憩していいけど"お客様来たら片方来てね"って言ってたか


店長の視線は俺のおにぎりに向けられていた


"そんだけなら早く食えよ"みたいな視線だ。俺に全部任せっきりな癖になんて鋭い視線だ……


おまえの店にロケランぶちこむぞ


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