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丑三つ時に惡魔は嗤う  作者: Shatori
3.我が胎を満たす、朱い赫い臓物よ
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幕間.見つけた

 時刻は深夜三時に差し掛かる頃。

 ようやく加茂茜(わたし)は家についた。


 吉岡くんと合流し、弐番の母を名乗る存在がいたことを聞いた。

 核へ案内してくれ、迫る弐番に気づかれないよう手引きもしてくれたとか。


 直後に結界は崩壊。

 弐番を倒した魔使と、廊下の踊り場で合流した。

 アイツは随分と満足げで、次も楽しみにしているとだけ言い残して、さっさと帰っていった。


 かくして私たちも解散。各々帰路についたのだ。


 魔使恵のおかげで、今回も七不思議弐番の討伐を行えた。


 ・・・・・・弐番は恐ろしく速かった。

 目で追うことすら出来ないほどの速度で攻撃してきた。

 きっと、私独りでは初撃で死んでいただろう。


 ――・・・・・・魔使がいてくれて、本当に良かったと思う。


 面と向かってそういうのは・・・・・・癪だから言わないけど、感謝はしてる。

 この調子なら――・・・・・・なんて。

 アイツがいてくれたから希望を持てているとか、口が裂けても言えない。

 もし言ってしまったのなら・・・・・・。アイツのニヤけ面が想像できるわね。


「・・・・・・ただいま」


 魔術師、ましてや結界の管理者を務めている家系といえど、この時間に寝ている人もいる。

 起こさないよう、ゆっくり靴を脱いであがる事にも慣れてきた。

 もちろんお出迎えなんてものも――・・・・・・。



「おかえりなさい」


 今日は違ったみたい。


「お、おばあちゃん・・・・・・。帰ってたんだ」


 おばあちゃん。先々代の管理者。

 年老いてもなおその実力は凄まじく、今も現役で日本全国を飛び回って怪異を祓っている。


「えぇ、ついさっきね」

「え、っと・・・・・・」


 数ヶ月ぶりとは言え、何を話せば良いんだろう。


 ――違う。

 聞きたいことは沢山ある。

 管理者としてどうすればいいか。

 どうすれば強くなるのか。

 もっと、沢山。


「管理者として大きくなったのね」

「・・・・・・うん。私じゃまだまだ力不足だけどね」


 今日だって、七不思議を討伐したのは私じゃなくて、魔使恵だ。


「無事に帰ってきたという事は、壱番に続き、弐番も討伐できたのね」

「・・・・・・うん」


 私は、何もしていない。


「――・・・・・・このまま、参番も討伐するというの?」

「もちろん」


 それでも、七不思議を討伐できればそれでいい。

 いずれ出逢うことになる七不思議(やつ)を殺せさえすれば、なんだって。


「・・・・・・」

「どうしたの? 私の顔に何かついてる?」


 おばあちゃんが急に何も言わず、じっと私を見つめてきた。


「・・・・・・本当に、討伐するんだね?」

「うん? もちろんだけど、なんで?」


 おばあちゃんは大きく息を吐いてから、私の目を見た。

 それからゆっくりと、言葉を紡いだ。


「貴方が次に対峙する七不思議参番。それが――」


 あぁ、そうか。


 なら私は、何としてでも参番を殺さなければならない。



 ――例えこの身がどうなろうとも。

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