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72話 文化祭の催し物

 中間考査が終わり、光輝達は無事に赤点もなく乗り越えることができた。

2学期に入ってからの雄太は授業中も居眠りもせずに勉強していただけあって、テストの点数が少しずつだが伸びている。


 渚が雄太の教科書に要点をマークしていることも大きな要因の1つだと思う。

雄太もテストの点数を良くして、渚に褒められたいのだろう。


 朝のHRに小室先生が教室へ入ってくる。



「今日の1限目の授業はなし。今日は文化祭の催し物を決めてもらう」



 11月には文化祭がある。

三雲高校では、近隣住民の人達も来て、文化祭を見学することができる。

文化祭の日は一般の人々にも学校を解放している。

それだけに、文化祭の催し物については、生徒達は力が入る。



「それではクラス委員長、前に出て議題を進めてくれ」



 浩平と凛香が前に出て、文化祭の催し物について何にするか、クラス内で議論が始まる。



「やっぱり、ここは焼きソバ屋がいいんじゃないか。大儲けできるぜ」



 大食いの雄太らしい発想だ。

しかし、男子からも女子からも却下された。


 確かに焼きソバ屋は儲かるかもしれない。

しかし、文化祭は儲ける場所ではない。

それに焼きソバを焼き続けるのは、傍で見るよりも重労働だ。

衛生面にも気を付けなければならない。



「俺はメイド喫茶がいい。絶対にメイドさんがいい」



 武彦が猛烈にメイド喫茶をプッシュする。



「誰がメイドの服なんて持ってるのよ。レンタルしたとしても、レンタル料金は誰が払うの? 武彦、払ってくれるの?」


「俺に金のことは言うな。俺に金なんてあるわけねーじゃん」



 確かにレンタルのメイド服を借りるとなれば、レンタル料金が発生する。

そんな予算はクラスにはない。

個人負担になるだろう。



「男子ももちろん、メイドの恰好をしてくれるのよね。女子だけメイド服を着るなんておかしいわ。文化祭は皆でするものでしょう」



 凛香が正当なことをいう。

確かに女子がメイド服を着るなら、男子もメイド服を着ることになる。

男子達は自分達がメイド服を着ることを想像し、メイド喫茶を却下した。



「それじゃあ、コスプレ喫茶がいい。女子に猫耳つければ可愛いじゃん。男子も猫耳くらいなら付けてもいい」



 武彦が次にコスプレ喫茶と言い始める。

確かに猫耳のカチューシャなら、玩具屋にパーティグッズなどで売っていそうだ。

費用も対してかからないだろう。

衣服を着替える手間も省ける。


 おもわず、光輝はひまりのほうへ振り向く。確かに、ひまりが猫耳をつけたら、とても可愛いだろう。

できるなら猫の尻尾もお願いしたい。



「それって男子が嫌らしい目で見たいだけでしょ。そんなの却下だわ」


「私は文化祭の時だけなら、猫耳ぐらいしてもいいかも」



 凛香は却下しようとするが、ひまりが楽しそうに発言する。

ひまりが猫のポーズをして「ニャン」と光輝に鳴いてみせた。

すごく可愛くて、光輝は内心でもだえる。

もし、家でそのポーズをしたら、光輝はひまりを抱いて離さなかっただろう。


 ひまりが賛成したことで、男子達が勢いづく。



「男子もパーティグッズの被り物を被ってもいいからさ。コスプレ喫茶にしようぜ。俺、水着姿になってもいいぞ」



 雄太が武彦の援護に回る。

誰も雄太の水着姿など見たくないと光輝は思った。

しかし、意外と女子のウケが良かった。

男子も被り物をするのを条件にコスプレ喫茶の案が検討される。


 基本的な姿は、男子も女子も制服で、頭に猫耳や犬耳のなどのカチューシャをつけることで決定した。

後は男子の中で被り物をしたい者がいるなら、自由に被り物をすることとなった。

本格的なコスプレをしなくてもいいと聞いて、女子達も安心して耳を傾けている。

男子も基本的には被り物を被るか、カチューシャをつけるだけなので反対意見はない。

最後は多数決となり、コスプレ喫茶に決まった。



「でも、これだけじゃあ、客を呼べないと思う。もう少し面白いアイデアがほしい」



 浩平が難しい顔をして、皆に問いかけるが、誰も良いアイデアが浮かばない。



「あのミルクでラテアートを描くってどうかしら。オシャレだし……練習すれば簡単な画なら描けるわ。スマホでも検索できるし」



 渚が穏やかに提案する。

それを聞いたクラスの皆は「オオー」と言って拍手をする。



「誰がそのラテアートを練習するんだ?」



 浩平が渚に問いかける。


「女子は接客で忙しいから却下よ。ラテアートの練習をするのは男子にしてもらったほうがいいわ」



 渚の答えに女子が喜んで同意する。

男子達は渋い顔をして、考え込む。



「僕も男子がラテアートをするのに賛成だ。男子がラテアートをしたほうが、女子にウケが良いと思う」



 浩平のその言葉を聞いて、男子達は目を輝かせる。

できれば光輝はしたくなかった。

ラテアートは傍から見ると簡単に見えるが、自分で描くとなると一苦労だと思う。

それに失敗できない、一発勝負だ。

お客様の飲み物で失敗はできない。



「私……光輝にラテアートをしてほしい。可愛いハートマークがいいな」



 ひまりが隣から可愛く、光輝におねだりしてくる。

ハートマークで良ければ、練習すればできそうだと光輝は思う。


 女子の圧倒的多数の賛成で、男子がラテアートの担当をすることになった。



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