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十
「お、いたいた! おーい……」
ようやく見つけた姿に近づこうとした瞬間
「旦那! てーへんだ!」
「んもう、喜助! わざとやろ?」
「そ、そんなあ。じ、実は、また矢文が」
「『本日の正午に鬼が原まで女将一人でくるべし。昨日同様であれば、娘の命はないものと思うべし』……ふうん、『べしべし』って上から目線やなあ」
ここで主人が
「ここは書かれたとおり、今日は壷を運ぶ若い衆と女房本人だけにします。でないと、小春の命が……」
「お、いたいた! おーい……」
ようやく見つけた姿に近づこうとした瞬間
「旦那! てーへんだ!」
「んもう、喜助! わざとやろ?」
「そ、そんなあ。じ、実は、また矢文が」
「『本日の正午に鬼が原まで女将一人でくるべし。昨日同様であれば、娘の命はないものと思うべし』……ふうん、『べしべし』って上から目線やなあ」
ここで主人が
「ここは書かれたとおり、今日は壷を運ぶ若い衆と女房本人だけにします。でないと、小春の命が……」
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