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2口目


 早朝。


 お日様が登り始めるなか。私は自分の家から少し離れた、今は誰にも使われていない丸太小屋へと向かいます。


 この小屋は両親の知り合いが所有している馬小屋だったらしく、事情を説明してお借りすることができました。


 錠のついた小屋の鍵を開け、かなりボロボロな扉をゆっくりと開けて中へ。


『ギィィ……』


「ダンゴさーん。朝ですよー」


 私の声に反応して姿を現すダンゴさん。


 ふふふふ~♪


 昨晩のことです。この子の名前を【ダンゴさん】か【ミューさん】の二つに絞り、悩んだ結果ダンゴさんに決定しました。


 そうです。ここはダンゴさんのお家なのです。


「よいしょ……」


 私はダンゴさんをすくい上げ、右肩に乗せたのですが。


『ピョン!』

『ぽてっ』


 見事なジャンプで私の頭の上に。


「癒されますね~♪ そこをダンゴさんの特等席にしましょう」


「ミュミュー♪」


「さて。お散歩ですよ。どこへ行きますか?」


 そういえばダンゴさんは何を食べるのでしょう?


 お肉にお魚、お野菜に果物。


 中央広場にある食料品市場は朝から営業していますし、今日はダンゴさんが食べれそうな物探しですね。


 ここからなら武器・防具が充実している商店街を通って行けば近道です。



【ポアール商店街】


 ……おや?

 武器屋さんの前にいる女性。

 犬の耳と尻尾の生えた半獣人。赤色のセミロング。布の面積が少なく、露出度が高い服装の美人さん。


「ク~ちゃ~ん!」


「……ハナ」


『ガシッ!』


「――ピョッ! はわわわっ! いきなり私の耳を引っ張らないでくださいクーちゃん!」


 イヌ科イヌ属オオカミタイプの半獣人。私の幼なじみのクーちゃんです。

 武器屋さんで注文していた武器でも受け取りに来ていたのでしょうか?


 私のウサギ耳を二本まとめて片手で掴むと、真上に引っ張り“スキンシップ”をしてきました。


「ふえぇぇ……」


「あんたね。私の方が年上なんだから“ちゃん”じゃなくて“さん”で呼びなさいっていつも言ってるでしょ」


「嫌ですよ。なに言ってるんですかクーちゃん」


「くっ! この耳もっとピョンピョンしてやるわ!」


「うぅ! とれる! 耳とれちゃいますよ~!」


「……ん? この小さなモンスターなんなの? ハナ。あんたモンスターテイマーにでもなるつもり?」


 クーちゃんが私の頭の上にいるダンゴさんに気付きました。


「違いますよ。この子はダンゴさんです。先日お空から降ってきて友達になったんですよ」


「ダンゴ?」


「ミュー♪」


「醤油につけて食べちゃダメですよ」


「あんたじゃないんだから。一緒にしないでよね」


 クーちゃんは私の耳から手を放し、まじまじとダンゴさんを観察します。


 しばらくして私に向かって口を開きました。


「ねぇハナ。この子ってオス? それともメス?」


「…………あぁぁ……」


 そういえば私わかりません。ダンゴさんの性別。

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