1口目
【大都市フェノクロス・中央広場】
「ムシャムシャ……モグモグ……ゴックン…………ぷはぁ~っ♪」
今日はとってもイイお天気です!
この街では有名な中央広場で、お昼に太陽の光を浴びながら食べるニンジンは格別ですよ。
「このまま眠ってしまいそうですねー」
こんなお天気の日は体がポカポカして気持ちが良くなります。
近くの市場からは色々なお店から働いている人達の活気溢れる声が聞こえてくるし、私が座っているベンチの周りでは子供達が元気よく走りまわっています。
追いかけっこでしょうか?
ふぅー。
まだバイトへ行く時間ではないので、もう少しここで空を見上げながらゆっくりしましょう。
『ヒュ――――』
『……ぽてっ!』
「――ふぎゅ!」
な、何かが空から落ちてきました。
うぅ……。お、お顔に……。
空を見上げていた私の顔に落ちてきたソレを、私は手に取り確かめる。
「お団子!?」
次に感触を。
『プニプニ』
柔らかい!
緑色っぽく半透明。すごく柔らかくてカワイイお目めをした丸い小さな生き物が空から落ちてきました。
この子はモンスターでしょうか?
「ミュー?」
「はわわわわっ! 鳴き声もカワイイです!」
「ミューミュー!」
「はわぁぁぁ……。どうしましょう!? これどうしましょう!?」
こ、これは誰かに見せなきゃですね。願わくは育てたい。あそこで飼えるでしょうか?
……よし!
◆
【酒場シメフクロウ】
『カランコロン……』
「テンチョー! 空から団子さんが!」
「店長ではなくマスターですよハナさん。まぁ構いませんけど」
カウンター七席にテーブル席が三つ。
シメフクロウはこの街では小さな酒場ですが、私は好きな働き場です。
「おや? ハナさんのその手のひらに乗せているモンスターは? 初めて見るモンスターですね。スライムだと目はないハズ……」
やはりモンスターだったんですね……。
テンチョーは私の手のひらに乗ってフニフニ動いているモンスターさんを観察します。
「テンチョー。あの……この子ここで飼っても」
「ダメです。この酒場ではペットの飼育は禁止です」
「はわっ!」
そんな……私の家でも両親にきっと断られます……。
「えーー」
「ごねてもダメですよ」
「じゃあどうしましょう? この子……」
「ミュ?」
『ぐうぅぅぅぅ(ハナのお腹の音)』
「食べちゃいましょうか?」
「…………ハ、ハナさん……」




